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【3801557】ミステリー(推理)小説のレビューをどうぞ

投稿者: アラフィフの読書   (ID:SZRj/VH51r6) 投稿日時:2015年 07月 23日 14:03

こんにちは。私はずっとテレビでワイド劇場などを楽しんできました。
山村美沙や西村京太郎シリーズなどです。

趣味が高じてしまい、最近になって、ミステリー(推理)小説を読み出しましたが、何を読もうかと迷ってしまいます。

皆さんが好きだった本をぜひとも教えて下さい!
ネタバレでも大歓迎です!!!
どうぞよろしくお願い致します。

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  1. 【5257990】 投稿者: 海外の作品から  (ID:sMMzSYaQ5bU) 投稿日時:2019年 01月 10日 21:06

    ロディさま、みなさま

    どうか本年もよろしくお願いします。

    この正月はけっこう悪戦苦闘していたので、ちょっとご紹介するのにためらいもある小説ですが、どうかおつきあいください。

    Milkman, by Anna Burns
    2018年、The Man Booker Prize受賞

    ブッカー章(The Man Booker Prize)は英連邦のもっとも権威ある文学賞で、もしかしたら世界で最高の権威を誇るもののひとつです。しかし、受賞作は複雑な作品が多く、一般の読書愛好家の好みと乖離していると批判があります。
    私は相性が悪く、私は密かに、ブッカー賞の選定基準に、「(私のように)教養が不足していて英語力が足りない人間が読み通せるような小説は不可」とあるのではないかと疑っています。

    今回は、もう、意地というか、汗みどろというか。。。。

    ある地方都市に住む18歳の少女(都市名も少女の名前も明かされません)がストーカーにつきまとわれながら沈黙を貫き、社会から孤立し、危険人物視され、命さえも狙われていく様を、少女の一人称で語られるものです。

    舞台は紛争の絶えない北アイルランド、おそらくは中心都市ベルファスト、それも、紛争がもっとも激しかった1970年台といわれます。住民と政府、住民同士の対立が激しく、テロと殺人が日常である世界。至るところに監視カメラ。住民と政府は激しく対立し、住民側の武装テロ組織が地域を仕切っています。病院や警察は政府側なので接触厳禁、政府への内通者とみなされ消されます。みな、親族の誰かをテロで失っており、政府軍はテロリストと住民をほとんど無差別に殺戮。

    主人公はMilkmanと呼ばれる中年男性にジョギング中に言い寄られ、再三つきまとわれます。主人公は母親や隣人に問いただされても沈黙を貫くために世間の噂は一人歩きし、彼女はMilkmanと関係を持っていること、若い男性(maybe-boyfreiend)とデートすることでMilkmanを裏切っていること、など、既成事実化していきます。
    Milkmanは実際の牛乳販売員ではなく反政府勢力の有力者であることが、事態を複雑にしていきます。
    彼女の小学校からの友達は彼女をクラブに呼び出して危険行為(本を読みながら歩く、沈黙を貫く)をやめるよう意見されますが、そこで彼女は地元で有名な毒殺魔に毒殺されそうになります。

    読みにくい、非常に読みにくい小説です。
    すべて、名無しの主人公の一人称で語られます。会話、引用、会話の中の会話は多いのですが、これが改行されずに延々と続きます。また、回想と現実の間を往来し、まったく話はすすすまない。

    世の中の匿名性や噂や思い込みの恐ろしさ、テロと殺人と隣人への疑心暗鬼が日常となった世界の息苦しさ、がテーマなのですが、ここまで極端に、暗く、わかりにくく、書かなくてもいいように思うんですけれどね。

    海外の書評はおおむね激賞するものが多い。閉塞した共同体の恐怖は一般的ですから。
    しかし、あまりの読みにくさに酷評する向きもあります(Washington PostにもNew York Tiesにも批判記事が載りました)。

    ブッカー賞は、なんか、やはり、相性が悪いです。ブッカー賞作品といえども、日本語訳されるか、訳されても商業ベースに乗るか、ちょっと疑問があります。

    年始早々暗い話の紹介で恐縮です。
    次は正統的ミステリーのご紹介をしたいと考えております。

  2. 【5268900】 投稿者: 映画好き  (ID:JLlMGYF0/1c) 投稿日時:2019年 01月 18日 23:18

    海外の作品から様がご紹介してくださってから随分と時間が経ってしまいましたが
    ようやくキングのメルセデスキラーシリーズ最終巻「任務の終わり」読了しました。
    (結局邦訳が出るまで待ってしまいました)

    面白かったー!

    ホッジス、ホリー、ジェロームの三人の結束と愛に、心臓わしづかみされてしまいました。

    キングはすごいなぁ。
    残りページが少なくなるにつれ
    読み終わるのが悲しくて、でも読みたくて
    泣きたいくらい。
    こんな気持ちひさびさに味わいました。

    第1作で映えあるミステリーのエドガーアランポー賞の受賞したのに、やはりキングは
    超常現象盛り込まずにはいられなかったのね。
    これはミステリーなのか。クライムサスペンスなのか。はたまた冒険活劇?なのか。
    まあ、キングなんですねー

    おすすめ!
    本当に面白かったです

  3. 【5272923】 投稿者: なかじま  (ID:EhKjwZrRV/.) 投稿日時:2019年 01月 22日 00:13

    http://prt.red/2/lovebook

    こちらがおススメです。

  4. 【5283963】 投稿者: 海外の作品から  (ID:7xPQOGjKC7w) 投稿日時:2019年 01月 28日 23:16

    今回は、日本で大評判のミステリーをご紹介します。

    Magpie Murders, by Anthony Horowitz
    (日本語訳 カササギ殺人事件 アンソニー・ホロヴィッツ 山田蘭訳)

    日本語訳が日本で大評判、年末の4つのミステリーランキング(海外部門)の首位を独占しました。

    物語は、女性編集者の短い独白ではじまりますが、すぐに、作中作「Magpie Murders」がはじまります。読者は女性編集者とともにミステリーの原稿を読んでいる気分になります。
    Magpie Murdersは1950年台のロンドン近郊の屋敷を舞台にした家政婦の変死、これに次ぐ屋敷の主人の殺人を、探偵Pundが追うミステリー。牧師夫妻、屋敷の夫人と恋人、女医、家政婦の息子と恋人などにPundが緻密にインタビューし犯人を絞っていきますが、それぞれに怪しい動機を隠し嘘を隠し、読者はだんだん混乱していきます。
    そして、Magpie Murdersは、最終章の原稿がなくなっており、また、作者は自宅屋上から転落して死亡します。女性編集者(本編の主人公)はなくなった原稿を追って作者周辺にあたりますが、作者が事故死だったのか自殺だったのか殺人だったのか疑問を持っていきます。
    2つのミステリーがパラレルワールドのように進みだんだんに絡み合ってくるところが特徴で、女性編集者は作者周辺と接触を重ねて事件の全貌を明らかにしていきます。
    物語全体クリスティへのオマージュになっていて、クリスティの孫(実在の人物)も登場し、謎解きの手法なども近いものがあります。

    長編で、Pundを主人公とする作中作と女性編集者を主人公とする現在のミステリーがほぼ同じ比重になっていて、単独でもそこそこのミステリー、のような感じもします。

    しかし、正直な気持ちを申し上げると、そこそこの出来の中編ミステリーを2作品読んだような感じで、後半、ちょっと飽きてきました。無駄に引き延ばしているような部分もあります。

    ということで、斬新な構造は興味深いものの、手放しで称賛できるか、というと、どうもそうでもない、という感想を持ちました。

    英語は非常に読みやすいです。少し英語に自信のある方は原著でも十分に読めると思います。私は恥ずかしいことにMagpieという単語を知りませんでした。そういうレベルでも読めます。
    ただ、冗長な部分があることは覚悟、ですかね。

  5. 【5283970】 投稿者: 海外の作品から  (ID:7xPQOGjKC7w) 投稿日時:2019年 01月 28日 23:20

    映画好きさま

    最終巻も読まれたのですね。ご紹介した甲斐ががりました。
    いまいちの作品、癖のある作品ばかり読むと、やはりKingはすばらしい、と思います。この3部作は、私も本当に堪能しました。

    今でも、主人公の墓のまわりに花を植えるホリー、そして、最後のホリーとジェロームの語りは思い出します。

    Kingは不思議に感傷的なところがあり、それがまたはまるんですよね。
    (超長編11/22/63も非常に感傷的な部分が印象に残っています)

  6. 【5293176】 投稿者: ロディ  (ID:p8LC77tyQ3w) 投稿日時:2019年 02月 03日 13:45

    こちらも昨年度のミステリー、ベスト10に入った作品『乗客ナンバー23の消失』


    ドイツの作家の作品です。読み進めるうちに、あれ、この雰囲気?と思って調べたら、『アイ・コレクター』の作家さんでしたね。(アイ・コレクターも面白かったのですが、ちょっとイヤミスなので、こちらではご紹介していません)

    豪華客船を舞台にしていますが、クラシックな謎解きミステリーではなく、サイコスリラーになっています。

    船内で、失踪した母子のうち、娘だけが戻ってくる。しかも主人公の捜査官の5年前に姿を消した息子のテディ・ベアを手にして・・・

    思わせぶりな記述が多くて、最初のうちは読み進めにくいですが、ピースがどんどん収まっていって、ラストも、二転三転して、エピローグも洒落ています。

  7. 【5294159】 投稿者: ケイト  (ID:FlEM1TNnPPc) 投稿日時:2019年 02月 03日 23:41

     ロディ様、なんか私も、チェックしたことあるっ!て、未読でしたが、この作家の「治療島」「ラジオ・キラー」読んだことありました。内容忘れちゃったけど・・・

     J・ハーパー「渇きと偽り」読了しました。読みやすくて面白かったです。J・ハーパー、他にも翻訳されたらまたいくつか読んでみたいです。
     とはいえ、今年は私の苦手な、世界史的なものも読んでみようかなと思ってるんで、ご紹介の「戦場のコックたち」深緑 野分著、是非読んでみたいです。
       
     

     海外の作品から様、「カササギ殺人事件」、「そしてミランダを殺す」と何やら話題作みたいなんで、予約待ちです。

     キング初心者なんですが、お勧めのメルセデスキラーシリーズ読んでみたいです。6冊あるんですよね・・・(^^ゞ スプラッターホラー系でなく、スタンドバイミー、ショーシャンク寄りなら?・・・
     それかまずは短編集からにしようかな・・どなたかのご紹介「恐怖の四季」だったかな? これも面白そうですね!

     「ウーマンインザウィンドウ」読了しました。本編も面白かったですが、語り手が作中、紹介するフィルムノアールな映画が興味深かったです。映画詳しい方なら、いろんな伏線に気づいたかな、、と(ウーマンインザウィンドウ登場映画リストで検索すると62作品の紹介作見れます)、ヒッチコック、ヘップバーン、オーソン・ウェルズ、モンローくらいしかわからなくて、、残念、、映画ファンの方のお勧めはあるかしら??
             
                   *
      
       
     国内物メフィスト章受賞作のご紹介です。「人間に向いてない」黒澤いづみ著。パワフルなデビュー作。 ある日突然、異形の虫に変化した息子に、親として、どう向き合っていくのか・・・と何やらカフカもどきですが、カフカよりずっとわかりやすく読みやすいです。  年末に宮部みゆきさんが、今年の3冊とお勧めされてました。

  8. 【5313640】 投稿者: 海外の作品から  (ID:4Q/nFu6CtmI) 投稿日時:2019年 02月 13日 19:17

    ケイト様が予約なさった、ということですが、話題作を一足先にご紹介します。ネタバレは極力無いようにします。

    アメリカの小説には「Airplane Read」と呼ばれるジャンルがあります。
    飛行機の長旅の前に空港の売店で購入し、長時間フライトの暇をつぶすもの。深刻深遠な内容の小説よりも、気楽に楽しめるスリラーなどが主体になります。
    たとえばTime誌は、Dan BrownやJohn Grishamなどの作品をAirplane Readとして推薦しています。

    と前置きが長くなりましたが、この小説は、まさにAirplane Readの典型。面白いです。

    The Kind Worth Killing, by Peter Swanson
    (日本語訳、そしてミランダを殺す、務台夏子訳、創元推理文庫)

    ヒースローのビジネスクラスのラウンジで、Tedは、赤い髪の美人Lilyと隣り合わせます。酔ったTedはLilyと初対面でしたが、Lilyの魅力に負けたのか、妻Mirandaが浮気をしていることに気づき[削除しました]と思っている、と言います。驚くことに、Lilyは独自の死生観を披露し、

    And your wife, for an example, seems like the kind worth killing.

    と言い放ちます。加えてTedが望めばMiranda殺しを手伝ってもいい、と言い出します。
    Tedは(おそらくは)投資会社で成功し大金持ちで、Mirandaとの新婚生活のためにボストン郊外の海辺に大豪邸を建設中。およそ人を殺すようなタイプではありません。しかし、Lilyの魅力に負けたTedはLilyとボストン近郊のバーで落ち合い、計画を実行に移そうとします。

    Lilyとは何者なのか、Tedに意図を持って近づいたのか、徐々に謎が深まっていきますが、Mirandaと浮気相手の現場監督Bradは別の計画を持っていました。

    小説は、Ted, Lily, Mirandaに加え、事件を担当するKimball刑事を加えた4人の視点で進行し、LilyやMirandaの過去にさかのぼっていきます。

    3部構成ですが、1部の終わりにとんでもないどんでん返しがあり、今まで主役級と思っていた人物があっさり消えてしまいます。
    第2部以降は、誰が誰を最初に殺るか、というサバイバルゲームのようになり怒涛の展開となります。

    Gone Girlを彷彿とさせる時間軸が交錯した書法、美女のぞっとするような怖さを感じさせる展開、など、スリラーというよりホラー的なエンターテインメントといえるでしょう。

    非常に入り込みやすい文章でPage Turnerであり人気もうなずけます。

    タイトルの、The kind worth killing. というの、英語としてはけっこうわかりにくいですね。
    殺してもいい(種類)よね、という感じでしょうか。
    上に書いたLilyのつぶやきからきています。

    しかし、深い小説ではありません。B級スリラー、でしょうね。

    私は、偶然の多さ、そして、多少ネタバレになりますが、殺人の被害者の回想、というのがどうもしっくり来ません。本当に殺されたのか、とおもうと、本当に被害者だったりするので。

    いや、面白いんですけれどね。

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