「物言う株主」フジテレビ どうなる?
米投資ファンドのダルトン・インベストメンツとその関連会社は、フジテレビを傘下に置くフジ・メディア・ホールディングスの取締役会に対して、噂のアテンドについてのか?第三者委員会での調査や信頼の回復を求める書簡を送付した。
フジの不祥事は確かに批判されるべきだが、それと文春のやらかしを正当化するのは別の話だ。今回の文春の失態は、「フジ社員が会食をセッティングした」と断言しながら、実際には「女性がフジ社員を通じた過去の集まりの延長と“認識”していただけ」だったと訂正するという、完全な事実誤認だった点にある。フジがどれほど腐っていようと、誤報によって株価を動かし、広告出稿を止めるほどの経済的損害を与えた以上、これは明確なメディア犯罪に近い。
そもそも文春のスタンスはジャーナリズムではなく、単なる「売れるスキャンダル探し」であり、本来の報道機関が持つべき「社会的責任」とは無縁だ。ジャニー喜多川の件にしても、BBCのドキュメンタリーが出るまで沈黙し、政治家の本当に国益に関わるスキャンダルはほぼ報じない。要するに、権力監視でもなく、国民の利益のためでもなく、「売れるネタ」だけを切り取って垂れ流すビジネスモデルなのだ。そして、今回のように取材の裏取りが甘く、誤報を出しても、責任は取らずに「しれっと訂正」で済ませる。この無責任体質こそ問題視されるべきだろう。
ネット民のフジ叩きも、鬱憤晴らしの対象として祭り上げているだけで、本質的な問題には目を向けていない。10時間の会見の言葉尻を拾って「矛盾だ!」と騒ぐ前に、「なぜこの誤報でフジがここまで損害を受けたのか」「そもそも文春の報道手法は正しいのか」を考えるべきだ。文春がやったことは、企業に甚大な経済的打撃を与えるレベルの報道を、裏取りも甘いまま出し、誤報が発覚しても訂正のみで済ませるという、メディアとしての責任放棄にほかならない。
フジがどうなろうが一般人の生活には何の影響もないが、文春のようなエセメディアが野放しで、事実誤認の記事を出しても処罰されない社会は、自分の企業や家族、親戚がいつ虚偽の攻撃を受けてもおかしくない危険な環境を生む。今回の件でフジが被害を受けたこと自体はどうでもいいが、誤報によってこうした損害が生じる前例を作ったことは大問題だ。フジは文春を訴え、損害賠償請求すべきだし、むしろこうした「誤報による経済的損害」に対する法的制裁を強化する必要がある。
ネット民はフジ叩きに熱中する前に、自分たちが見たいものだけを信じ、誤報を許容することで、結果的に社会全体にどんなリスクをもたらしているのかを考えるべきだろう。