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【4211006】汎用型AIは我々に何をもたらすか?

投稿者: 冷静にかんがえると   (ID:ZEg8fo1uaHQ) 投稿日時:2016年 08月 12日 17:45

東京大学医科学研究所が導入した人工知能(AI)が、白血病患者の特殊なタイプの遺伝子を10分で見つけ、治療に役立てていたことが分かった。
具体的には、米IBM社の人工知能「ワトソン」に、2000万件以上の生命科学の論文、1500万件以上の薬剤関連の情報を学習させ、「急性骨髄性白血病」の患者で、標準的な抗がん剤治療が合わないとみられた60歳代の女性の遺伝子情報を入力したところ、わずか10分で分析結果が示され、「二次性白血病」という特殊なタイプであることを突き止めたもの。医師の判断で女性は治療薬を変更し数か月で回復、退院にまで至った(読売オンライン、2016年 8月6日付)。

かつて英国における第一次産業革命では、例えば紡績機の導入により労働時間の短縮、失業への懸念から一部労働者による機械打ちこわし(ラッダイト)運動が行われたが、結果として綿布は廉価で提供され消費需要も拡大、工場従事者雇用も増大したのみならず、販売・流通過程においても新たな雇用を生み出した。つまりイノベーションが新たな財、サービスを創出することによって、雇用を生み出す、いわゆる労働移動によって技術的(テクノロジー)失業という概念が問題視されることはなかった。
AIは未だ商品開発、研究開発などのいわゆる頭脳労働、あるいは介護、看護などのホスピタリティを要する肉体労働において、補完的な役割を増大させることはあっても、汎用的に本来、人間「しか」なし得なかった労働分野を侵食することはなく、昨今懸念されてきたのは文書作成、解析などの事務作業における代替で、技術的失業も専ら、このような事務労働分野においてのみであった。
だが今やスーパーなどのレジ、駅改札のみならず、事務作業、そして上述のような高度な頭脳作業でさえAIの「侵食」が始まろうとしている。

わたしの問題意識は、AIが人間の知性を超えるシンギュラリティが現実のものとなるか? その場合、かつての英国のような労働移動によって新たな雇用創出が生じるか、あるいは反対に汎用性の高まりによって人間の「労働」というものが不要となる将来が到来するかということであり、この場合、従来問題視された階層化社会(資本VS.労働者など)とは別の社会体制、例えば汎用型AIの普及によって国独資主義が懐柔策として用いた社会保障、雇用、財政政策などがベーシックインカムに特化され、このような対立構造は生じないのではないか、といったようなことである。

このスレでは人類が「労働」から解放される将来が本当に訪れるか、更に進んで旧ソ連型社会主義のような計画経済が復活して、個々のステークホルダーが価格決定を為す市場経済を凌駕するか(いやそれすらビックデータ活用などにより、汎用的AIに代替されるかも知れないが)といったような将来予測まで、以上のような視点から工学、経済などに知見を有する方々と話をしてみたいと思う。

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  1. 【4211020】 投稿者: よくわからない  (ID:VvjoISQIccM) 投稿日時:2016年 08月 12日 17:59

    特許の関係が問題視されるのではないかな?
    人工知能という知的財産権を各国がどのようなルールで
    普及させるかという問題によって人間社会が豊かになるのか
    真逆になるのか?さっぱり想像できません。

  2. 【4211057】 投稿者: 征夷大将軍  (ID:zdfTibp9psc) 投稿日時:2016年 08月 12日 18:43

    AIに叱られながら人間が労働を強いられるようになるのではないか。

  3. 【4211059】 投稿者: 濃青  (ID:m96HcmhZt5Q) 投稿日時:2016年 08月 12日 18:44

    >このスレでは人類が「労働」から解放される将来が本当に訪れるか、更に進んで旧ソ連型社会主義のような計画経済が復活して、個々のステークホルダーが価格決定を為す市場経済を凌駕するか(いやそれすらビックデータ活用などにより、汎用的AIに代替されるかも知れないが)といったような将来予測まで、以上のような視点から工学、経済などに知見を有する方々と話をしてみたいと思う。


    この観点において興味深いのは、

    1 計画経済において市場を経由せず、いかに適確に需要を把握し、生産物、生産量、価格決定を行えるか、適正な資源配分は可能かということ。

    2 仮にAI技術により、1について適確に把握し実行できるにしても、将来の需要を予測し技術革新、イノベーションを喚起できるかということ。

    3 人類が労働から解放されたときに賃金を稼得しないで、いかなる手段で生産物を取得するのかということ。

    4 つまるところ、そのAI技術の支配者はどうなるのか?ということ。

    早々に、ポスト資本主義が実現するとは思えないが、そのAI技術で何が可能なのかその能力次第と思う。
    人智の想像をはるかに超えるゆえイノベーションなのであるか、今後関心をもって眺めてみたい。

  4. 【4211195】 投稿者: 冷静にかんがえると  (ID:ZEg8fo1uaHQ) 投稿日時:2016年 08月 12日 21:11

    よくわからない (ID:VvjoISQIccM) さん

    >特許の関係が問題視されるのではないかな?

    ありがとうございます。
    ご指摘のようにまずそこが問題となると、わたしも思います。
    汎用型AIが独自に発明やデザインなどを創作した場合、知的財産として保護するなら、権利主体をどう特定するか、あるいは人間が出願するなら収拾選択も可能だが、自動出願のようなシステムを採用した場合、知的財産物というものが爆発的に増えてしまい、競合をどう制御するか、あるいは財産的価値の形骸化を招くのではないかなどの問題点が生じると思います。また、汎用型AIの創作物に一切の保護を与えないとした場合、フリーライドの横行、産業情報を巡る各国の軋轢が顕在化するといったような問題が生じる。
    汎用型AIの普及はおっしゃるように(政治体制も絡み)一国の問題ではなく、知的財産権に関しても国際的な統一基準が必要になってきますね。

    濃青 (ID:m96HcmhZt5Q) さん(うん?もしかして、、)

    ありがとうございます。
    わたしが論点として話したいことを、うまくまとめて頂きました。

    >計画経済において市場を経由せず、いかに適確に需要を把握し、生産物、生産量、価格決定を行えるか、適正な資源配分は可能かということ。

    (旧)ソ連型社会主義経済の失敗が当にここであったと思います。ミーゼス、ハイエクなどの経済論争で指摘されている通り、需要と供給に関する情報を中央計画局などのセクションが集権的に収集できるか、これは現実的に不可能で、例えビックデータ活用などによりこれらのことが行い得たとしても、情報の収拾選択に人間が介在する以上、齟齬、誤配はどうしても生じてしまう。ただハイエクは集団主義的な経済の指令機関を創ることは可能だと述べていますね(「個人主義と経済秩序」春秋社、2008年)。もし汎用型AIでこの指令が可能となった場合、消費生活も含め我々人類がコンピューターに「支配」される日が訪れるかも知れません。いや、既に集客効果を期した例のゲームなどその萌芽は芽生えているかも、、

    >人類が労働から解放されたときに賃金を稼得しないで、いかなる手段で生産物を取得するのかということ。

    例えばベーシックインカムを考えた場合、これをどのように定義付けるかという論点にも繋がるように思えます。資本主義的発想で社会保障制度としてみるか、あるいは社会主義的発想で国民配当としての側面でみるか。このことが汎用型AI普及により我々の政治・経済体制の変容にどのような影響を及ぼすか、、

    >つまるところ、そのAI技術の支配者はどうなるのか?ということ。

    ご指摘のように、ここに繋がると思います。

  5. 【4211205】 投稿者: 自然  (ID:lEthmeYjD92) 投稿日時:2016年 08月 12日 21:21

    知的所有権は、個人のものではなく、人間全体のものとする考え方も出てきていますから、いずれどうでもいい問題になるかもしれません。

    まあ、今でも土地が個人のものであるかのように考え、それを基盤に経済のシステムが成り立っている面はありますが、そもそも土地は人間のものではないので(自然に含まれるもの)、今の考え方には限界があります。

    AIの地平も、それらの制限を取り去った時に初めて驚異的な進歩につながるでしょう。

  6. 【4211259】 投稿者: 濃青  (ID:t25jK47P2nI) 投稿日時:2016年 08月 12日 22:32

    >ただハイエクは集団主義的な経済の指令機関を創ることは可能だと述べていますね。もし汎用型AIでこの指令が可能となった場合、消費生活も含め我々人類がコンピューターに「支配」される日が訪れるかも知れません。いや、既に集客効果を期した例のゲームなどその萌芽は芽生えているかも、、

    なるほど、面白いですね。

    この場合には、国内向けには計画経済、国外向けには市場経済の二段構えで
    最適化するようにシステムを構築するんでしょうね。


    >例えばベーシックインカムを考えた場合、これをどのように定義付けるかという論点にも繋がるように思えます。資本主義的発想で社会保障制度としてみるか、あるいは社会主義的発想で国民配当としての側面でみるか。このことが汎用型AI普及により我々の政治・経済体制の変容にどのような影響を及ぼすか、、

    労働から解放されて、
    社会保障あるいは国民配当を受ける形になると、まずは問題になるのは分配ですね。国民で均等分配かなあ・・はてさて、もうマルクスは必要ないのか?・・
    こうなると、すでに前提の労働価値説は崩れてますよね。

    労働から解放された経済社会を下部構造とする上部構造はどうなるのか、興味津々ですね。

  7. 【4211427】 投稿者: 大丈夫  (ID:KJDgGBkNYMo) 投稿日時:2016年 08月 13日 07:07

    AIが社会に及ばす影響については各省庁でも非公式に研究会が開かれてるそうだ。今後50年くらいのタームで見れば、冷静に考えるとさん指摘のように、社会や経済体制が予測もしないものに激変することも考えられる。これがどういったものになるか、大いに議論の余地があろう。マルクスなんぞ必要ない。現実の社会はそんなものと関係なく突き進む。
    労働価値という言葉がまったく意味がなくなり、二層対立は労働者の団結といった内部から生じるのでなく、イノベーションという、外部与件から生じることになる。もっとも労働価値説は市場経済を無視して何でかんでも資本家が儲かるという現実無視の設定だから、端から必要なしだがね。

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