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【870545】【大学受験目標】公文式有効利用法の探求

投稿者: なる   (ID:rWbeU3GqEEA) 投稿日時:2008年 03月 09日 13:55

多くの皆様の願いが叶いまして、高学年(高校受験用)の板がついに誕生しました。
「公立高校受験から大学進学を目指す先取りを含めた学習方法」の正統の流れを汲む
分科スレです。 スレ主は「なる」(公文一般父兄・公文算数3年経験)です。


公文式は、高校数学教師公文公の発想から開発された幼児〜高校生を対象とした
学習アプローチです。このスレでは公文式算数・数学を有効活用しながら、
『青チャート』(数研出版)レベルの大学受験数学標準問題の解法パターンの
効率的な習得を目指しつつ、公文国語、公文英語(他外国語)、SRSの学習法の
情報交換を目的とします。


「小学高学年で、中学受験を目指すなら公文は効率の良い算数学習方法ではない。」
しかし将来の大学受験を見据え中学受験算数にとらわれない公文式の利用法や、
中学受験を目指す場合の幼児〜小学中学年。中学合格以降の中学時代などの
大学受験数学基礎期などの学習効率の良さは、一般に認められるようです。


★情報交換の場です。
中学受験をするかしないかは問いません。(幼児・低学年・中高生のご父兄も大歓迎)
公文式高進度者・公文式関係者指導者大歓迎(一般父兄に色々教えてください)
海外の公文経験者大歓迎です。(海外の公文式事情、色々教えてください)
高進度者は情報提供の立場で情報交換を「ただの自慢」は意味も品もありません。
先天的資質「地頭」議論は、不毛です。意味がないのでやめましょう。
中学合格目標なら、中学受験塾の方が効率良いです。議論に値しません。
極端な持論の押しつけや、批判と否定が主の参加はご遠慮下さい。
特に、私立中学受験批判、先取り学習批判はおやめください。
水道方式等他のアプローチを否定する意図はありません。(むしろ肯定的)


★公文式の有効利用のスレですから、公文式批判・公文経験者批判は「厳禁」で
お願いします。批判は完全にスルーします。スレが荒れますし、一般に公文経験者
の方が、公文式批判の内容について詳しいです。

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  1. 【1174930】 投稿者: こはく  (ID:ppKe7RrRHxY) 投稿日時:2009年 02月 06日 11:13

    ういろう様


    私立文系を数学で受験する場合を調べていて
    お返事が遅くなってしまいました。


    ういろう様のおっしゃる通り、
    数学受験が可能ならば、
    数学受験の方が 日本史や世界史受験より
    本人の負担は軽くて済むようですね。


    お嬢さんの将来の夢や目標は もう お決まりですか?
    経済学部や商学部受験だと、数学受験可能ですが、
    他の文系学部になると、数学で受験できない、
    もしくは、募集人数が少ないなど、
    学校によって様々です。
    また、入試の方法も毎年変更がありますので、
    選択の幅を狭くしない意味でも、
    社会科(日本史Bもしくは世界史B)を避けることは得策ではないように思います。

    また、数学受験可能な経済学部は 理系の生徒も受験するようです。
    数学・英語・小論文で受験可能な 難関私大の経済学部は、
    国立医学部受験の生徒が併願するようです。
    (極端な例ですが)
    数学受験も理系の生徒と勝負できるぐらいの力が問われるかも・・。
    英語は、理系の生徒も十分準備しています。
    そうなると、数学受験で鍵を握るのは 国語の力?


    ところで、お嬢さんは 海外留学を希望されているのですね。
    公文式の教室で、スイスサマースクールの募集のチラシをご覧になったことはありませんか?
    わが子も参加しましたが、本人にとって人生観の変わる
    貴重な体験だったようです。
    このまま 円高が続けば、この夏 チャンスかも。


    最後に、息子さんのことですが・・・
    ういろうさんはどのようにお考えですか?
    うちの子の場合、最初は算数 1教科で 学習を開始しようと思っていました。
    しかし、教室の先生に国語から始めることをすすめられました。



    色々、答えになってないですが・・・。


    経済学部関連でもうひとつ。
    株価と経済学部希望人数は連動しているようです。
    経済に関心があって学びたいのであれば、株価は関係ないだろうとか、
    医学部がダメだったら、有名私大の経済?
    え?医者になりたいんじゃないの?とか
    頭の中、???マークになってしまいます。
    夢の実現のための大学受験ではなく、
    合格が目的の大学受験。
    合格したその先はどうなるのでしょう?

  2. 【1176108】 投稿者: 大自然  (ID:kbAktYuI01g) 投稿日時:2009年 02月 06日 23:47

    ういろう様
    お嬢様は素晴らしい英語の才能をお持ちです。J1というのがどのくらいのレベルなのかはわかりませんが、日本語の字幕より英語の字幕がいいだなんて。素晴らしすぎます。是非このまま海外の大学へ進まれることを願います。
    オバマ氏はなまりもなく、才能のあるスピーチライターが作る明瞭な英語で喋っているので、こちらでは小学生でも学校で就任式を見て理解したくらいです。ですから、CNNなどで今後も彼のスピーチをチェックされるといいのではないですか?


    かえってわが子ですが、そろそろ公文が重荷になってきました。
    算数と国語をやっていましたが亀のような歩みです。公文で学年を超えて学習しているはずなのに、当該学年より下のZ会の通信教育が解けないのです。国語では読解力が不足していますし、算数の図形にいたっては一から教えなければだめです。「やってよかった公文式」のはずなのに、いまひとつ成果が見いだせないわが子はこのまま続けていくべきでしょうか?

  3. 【1176642】 投稿者: ういろう  (ID:LinDt58ynEs) 投稿日時:2009年 02月 07日 11:10

    こはく様


    わざわざ調べてくださり、本当にありがとうございます。
    大変参考になりました。やはり、現役高校生の親御さんのお話は臨場感がありますね。
    私立文系の「数学のほうが負担が少ない」というのは、もしかしたら、国立や理系学部と併願する場合限定かもしれないと、少々青ざめながら思いました。
    私も数学選択可の私立文系出身で、数学選択組が「楽勝」と言っていた記憶ばかりが先行していたのですが、よく考えると彼らは文系とはいえ旧帝大(二次でも数学あり)の残念組でした…。やはり楽な道はないですね。あ~あ★


    そして、医学部残念だった子も現実にいましたよ。彼は医師の夢のために頑張って国立医学部を受験したものの残念。経済的事情で私立理系にはどうしても行かせてもらえず、うちの大学を数学で受けたそうです。でも、人間的によくできた人で「大学に行かせてもらえるだけでありがたい」と親に感謝し、アルバイトで生計を立てながら学部の勉強もきちんとしていました。本当に、彼のような苦労人こそ医者になるべきなのに、と、我々同期は思っていました。


    うちの長女はまだまだやりたいことは見つけておらず、好きなことは「英語とアニメ」。小学生の頃の夢は獣医でしたが、理科で自信喪失し、すっかりあきらめた模様です。
    これから先は娘が自分で決めることですから、親ができるのは選択肢を減らさないでおいてやる(社会は暗記が大変だなんて言わない)ことぐらいですかね。
    次女のほうは、学校の参観日の発表で「私の夢はお母さんと同じ公務員になることです」と宣言し、それはそれで、嬉しいような、つまらないような…(笑)。


    とはいえ、私の希望としては、子どもたちにはできれば語学以外になにか専門を学んでほしいと思います。英語はツールに過ぎない、大事なのは英語を使って何をするかですから(恩師の受け売りだけど)。


    こはく様のお嬢様は、すでに具体的に将来を描いておられるのでしょうか。希望が叶うといいですね!
    人生観まで変えてしまうというサマースクールの影響は、やっぱりありますか?(どんなプログラムなのか、興味はあります。お金がないのが痛いですが。)


    それから、息子の公文導入の件ですが…誰にも相談していない現段階では、算数からにしようかと考えています。
    国語力が全ての教科の基礎になることは承知しております。入学予定の公立小でも、国語に一番時間を割き、音読の宿題は毎日です。それで導入期は学校中心にしようかと。本人が「ちゃれんじ」を強く希望しており渋々申し込むことになりそうなので(私自身はベネッセ好きじゃない)、それも併用で。
    でも、もしこの時期、公文国語から入る大きなメリットが何かあるのなら、知りたいと思いました。男の子は国語で苦労する子が多い印象があるので、いつかは公文国語をやらせる必要があるとは思っております。

  4. 【1176997】 投稿者: ういろう  (ID:LinDt58ynEs) 投稿日時:2009年 02月 07日 16:27

    大自然様


    過分なお言葉ありがとうございます。
    確かに、素人の私が聞いてもオバマさんのスピーチは明瞭。それにしてもそちらでは小学生が理解できるとは、現地では当然なんでしょうけど、中2の娘が字幕で何とか理解しているのと比較すると、やはり海外の大学なんて土俵が違う遠い夢と思ってしまいます(泣)。本人は至って能天気ですが。


    大自然さんのお子さんはZ会をされているのですね。受験コースor一般コース、どちらですか?
    うちは長女が中学入試をまだ考えていなかった頃(5年生ぐらい)、一般コースをやっていました。公文の足りないところを補うにはとてもよい教材だと思いましたよ。特に図形。国語も続けていくと読解力がつくと思います。中学受験をしないのであれば、公文+Z会が最強じゃないでしょうか。
    初見で解けなくても気にしなくていいと思います。教科書よりちょっと上ぐらいのレベルですから、むしろ解けなくて当然。ここで解き方を理解しておけば、中学できっと役立ちそうな良問です。このスレの皆さんには本当におススメ。
    ただ、問題数が少ないですから、どうやって定着させるかが課題ですね。類題の問題集でも作ってくれればいいのにと思います。


    公文算数は、どちらかというと無機質で、歩く計算機の養成みたいなイメージ。計算力は大事とわかっていても、小学校のテストでは計算力の差は表れにくいですし、つまらないといえばつまらないですよね。わかります。
    本当に「やっててよかった」と思えるのは、中学入学後だと思います。図形や関数の問題を解くときにも、ツールとしての代数計算力が生きてきますから。ただ、そのとき同時に必要な「じっくりと」「順序立てて」考える姿勢が、公文だけでは育ちにくいので、それらをZ会で補えば鬼に金棒と思います。


    ですので、大自然様の問いへの私の答えは、公文算数とZ会は、将来相乗効果が見込まれるので続けるべし。公文国語はうちは脱落した身ですので、何とも言えません(笑)。

  5. 【1178448】 投稿者: タント  (ID:adsyzSbggkQ) 投稿日時:2009年 02月 08日 19:17

    >自らの経験から『語学の勉強の基礎は音読』であると説き、生徒に
    >音読を薦める。一部講義では、授業冒頭に自ら前回の長文を音読し
    >て聞かせる。音読をしっかりしてきた生徒は安河内の音読内容を聞
    >き取ることができるようになっているため、しっかり音読をした生徒
    >に自信をつけさせる狙いなのである。
     
    この方も、私と同じ国弘正雄さんの教え子または信奉者なのかな。
     
    オバマ演説の同時通訳については、同時通訳独特の通訳の方法が
    あるので文章が稚拙でも仕方ないかも。
    因みに、単純にバイリンガルでは同時通訳には訓練を経ないとな
    れません。(サイマルインンターナショナル)

  6. 【1184193】 投稿者: なる  (ID:UNCfLB2Y3DQ) 投稿日時:2009年 02月 12日 13:05

    ういろう様


    安河内 哲也さんは、勉強法の本でも評判良いですよね。


    こはく様
    > 公文の国語を学習することで 要約力を培うことができます。


    そうですよねぇ。縮約→要約 にスモールステップで進む公文国語の
    魅力がわかっている人が実は少ないですよね。流石は こはく さん
    できる人は違いますね。要約は小論文の基礎としてとても重要な上に
    大学院の院試でも必須ですから、理系に進んでも公文国語を「やってて
    良かった」なんてことがあるかもです。小論文を書かせる大学は、
    国・私立に限らず多くなる傾向にありますね。当然法科大学院でも
    入試には、小論文は必須ですし「中学受験の国語記述だけ」に役立つ
    わけではないので、大切にしたいものですね。



    大自然様
    > 公文で学年を超えて学習しているはずなのに、当該学年より下の
    > Z会の通信教育が解けないのです。


    まぁ母語が違うわけですから、普通の日本の小学生との比較はちょと
    違うかもしれません。むしろそうであるからこそ、文章量が多い
    メソッドの方が有効ではないでしょうか…。


    タント様
    >『語学の勉強の基礎は音読』


    そう言う(実績が伴った)先生は多いですねぇ。

  7. 【1190034】 投稿者: なる  (ID:UNCfLB2Y3DQ) 投稿日時:2009年 02月 16日 12:09

    「公文」を世界の「KUMON」に変えた方法 その2


    (1)各国の事情によらない教材
     もともと公文式の教材は、日本の学習指導要領に準拠しておらず、
    「高校相当の学習ができるようになる」ことを目標に、何をどのよ
    うな順番で学ぶことが望ましいかといった視点で、内容を絞り込み、
    段階別に教材が構成されている。そのため、海外向けの教材を検討
    するに当たって、国ごとに教材を変える必要がなかった。
     中でも、算数・数学は各国での共通性が高いため、日本の教材
    を翻訳すれば国を問わずにすぐ活用できる。公文は算数・数学教室
    からスタートしたことから、数学教育には長年にわたってノウハウ
    を蓄積してきたこともあり、海外進出時には、算数・数学教室から
    始めている。


     グローバル性が高く、海外進出に当たって一からの開発を必要と
    しない教材を用いて、得意な分野で教室を開設し、地域の反応を見
    ながらサービスを拡大していく。これが「KUMON」の海外進出の特徴
    の1つだと言える。
     一方、母国語教材については、教材開発ノウハウを有する日本人
    社員と現地の事情を知る現地社員が協同で開発する試みが始まって
    いる。日本の教育サービス企業が、現地の母国語の教材を作成し、
    子供たちを指導する際には、算数・数学の場合よりも一層の慎重さ
    が求められる。


     一歩間違えれば、現地からの信頼を失うことになりかねない。そ
    のため、現地社員を巻き込んで、慎重に教材を作成しているのである。
    ただし、母国語についても、言語こそ異なるが、読解力を高めていく
    ために必要なプロセスは共通化できることが多く、いずれの言語の
    教材構成も考え方は共通化されている。


     これにより、算数・数学と同様に、各地の母国語教材についても、
    一から開発するよりも時間をかけずに開発ができ、各地のニーズと
    信頼に応える形でサービスを拡大できたと考えられる。
     このように、「KUMON」の海外展開をスムーズにしている要因の
    1つは、日本での教材開発や指導経験の蓄積を基に、各教科の基本
    的な学習の流れが標準化されていることだと言える。
     基本的な学習の流れが国の事情によらず、標準化されていたため
    に、進出国ごとに教材を大きく変更する必要性が少なく、そのこと
    が、「KUMON」の海外進出及び現地化に大きな貢献をもたらしたと
    見ることができる。


    (2)現地の事情に合わせた教室運営方法の採用、会費設定
     一方、学習の流れや教材等は標準化できても、進出先の国の教育
    事情や教育に関する法律等を一様に捉えることはできない。現地化
    に成功するためには、日本で築いた「公文式」を基礎にしつつも、
    現地の事情に合わせて、教室運営方法を工夫したり、料金体系を設
    定したりすることが必須であった。
     例えば、教室運営方法については、フランチャイズ教室での教室
    展開が最も多いが、学校への導入など、様々な方法の中から、現地
    の法律や教育事情に最も適すると判断した方法を採用している。進
    出当初は、直営で教室を立ち上げた後、現地化段階に入ったところ
    で、フランチャイズ形式を採用するなど、変化する現地の事情や時
    期に柔軟に対応していく点も特徴だと言えるだろう。


     会費についても、途上国については、所得水準を基に支払い可能
    な会費を算出する数式モデルを独自に構築し、現地の事情を考慮し
    て会費を決定している。場合によっては、NGO(非政府組織)と組ん
    で安価で提供する場合もあるという。


     このように、教材のように標準化すべきところは標準化し、現地
    化のカギとなるビジネスモデルについては、現地の事情を個別に把
    握したうえで、徹底して各国に最適な方法を採用するといった、“
    標準化”と“カスタマイズ”の使い分けも、「KUMON」の海外展開を
    成功させている要因の1つだと言えるだろう。





    著者プロフィール 武田佳奈(たけだ・かな)
    1979年、東京都生まれ。2002年慶應義塾大学理工学部卒業、
    2004年慶應義塾大学大学院理工学研究科修士課程を修了。
    専攻は情報システム工学。同年、株式会社野村総合研究所入社。
    現在は、社会産業コンサルティング部 副主任コンサルタント。
    専門は、サービス産業を中心とする産業政策、人材育成・人材
    活用戦略、など。

    http://business.nikkeibp.co.jp/article/pba/20090126/183856/?P=2

  8. 【1199365】 投稿者: なる  (ID:UNCfLB2Y3DQ) 投稿日時:2009年 02月 22日 22:05

    「公文」を世界の「KUMON」に変えた方法 その3


    (3)現地の事情を熟知している“パートナー”としての
       現地社員の採用と育成


     (2)で紹介した「現地の事情に合わせた教室運営方法の採用、
    会費設定」を可能にしているのが、現地の事情を知る現地社員の存
    在である。
     各教室の運営管理等を担う事務局を設立する際、日本から駐在員
    を派遣するほか、現地において社員を採用している。彼らが知る現
    地の事情を十分に把握しながら、この地域で展開していくにはどの
    ような教室運営方法を採用するべきかなど、個別に検討していくの
    である。ここで言う現地社員とは、単なる“スタッフ”を超えて、
    現地化成功のカギを握る重要な“パートナー”という位置づけだと
    捉えるのが正しいだろう。


     現地社員の採用にも特徴がある。教育サービスを提供する日本企
    業がスタッフを募集するとなれば、“日本”や“教育”に対する興
    味があるからという動機で手を挙げてくる者も少なくないが、
    “日本”や“教育”に関する知識や経験よりも、「KUMON」の掲げる
    理念に共感できるかどうかを最も重視しているという。
     採用後も、実際に教室で指導を体感させたり、保護者や指導者と
    交流させたりする中で、「KUMON」の理念を共有させ、現地化を担う
    重要な“パートナー”に育てていくのである。
     一般的に、海外進出当初は、日本人が事業の中心になることが多
    い。立ち上げ時点で、現地社員を重要な“パートナー”として採用
    し、事業を進めているという点も「KUMON」の重要な特徴の1つだと
    言える。


    (4)「KUMON」に共感する現地指導者の採用と育成
     理念や価値観の共有を徹底しているのは事務局で採用している現
    地社員だけではない。フランチャイジーである世界各地の教室の指
    導者においても、理念や価値観の共有が徹底して行われている。海
    外での教室開設に当たっては、各地域の事務局が主体となって現地
    の教室指導者を募集、採用している。
     指導者の候補の中には、収益性を問う者もいるが、何よりも
    「KUMON」の理念や価値観を共有できるかどうかを最も重視して、
    採用している。現地社員の重要な任務の1つは、この「KUMON」の理
    念や価値観を指導者になることを希望する者に伝え、共感を持った
    人材を採用し、教室指導者として育成することにある。
     言語や国の事情が違っても、自社の理念や価値観の共有を優先し
    た指導者の採用と育成を徹底していることが、教室が世界45の国と
    地域に広がってもなお、「KUMON」というブランドの維持を可能にし
    ているのであろう。


    (5)世界各国の指導者を支える「業務プロセスの標準化」と
                    「本社・事務局機能の充実」

     (1)で教材の標準化が海外展開のカギであったと述べた。さら
    に、教室指導者の指導方法についても、日本において長年にわたっ
    て蓄積されたノウハウに基づき、標準化されている。
     例えば、学習者の学力診断テストの結果を基に、学習を開始する
    教材レベルを判別するシステムがある。また、次のレベルの教材に
    進ませるタイミングの判断方法にも基準となるものがある。このよ
    うに指導者の業務プロセスの一部を標準化することで、世界各地の
    指導者の指導を支援していると言えるだろう。
     一方で、指導者は、標準化された指導方法に基づき画一的な指導
    を行うのではなく、定められた基準をベースにして、一人ひとりの
    子供に合った教材を与え、学習の状態を確認し、認め、励ましなが
    ら子供たちの指導を行っている。世界各国の指導者は、もっとよい
    指導はあるのではないかと常に追求しているのだという。


     このような指導者をサポートするため、地域ごとに設置されてい
    る地域本社と事務局は、指導者に対し、教室開設時の研修に始まり、
    子供への指導に関することから教室運営に関することに至るまでの
    アドバイスや情報提供を行い、指導者の“よりよい指導の追求”を
    支援している。また、単位制の講習会を開催し、指導者の指導力向
    上を図ったり、後に紹介する指導者同士の情報共有の「場」を作っ
    たりすることで、指導者を全面的にサポートしている。
     このように、「業務プロセスの標準化」と「本社・事務局機能の
    充実」によって、世界各国に広がる指導者の活動をサポートしてい
    ることも、海外展開の成功要因の1つであると考えられる。


    著者プロフィール 武田佳奈(たけだ・かな)
    1979年、東京都生まれ。2002年慶應義塾大学理工学部卒業、
    2004年慶應義塾大学大学院理工学研究科修士課程を修了。
    専攻は情報システム工学。同年、株式会社野村総合研究所入社。
    現在は、社会産業コンサルティング部 副主任コンサルタント。
    専門は、サービス産業を中心とする産業政策、人材育成・人材
    活用戦略、など。

    http://business.nikkeibp.co.jp/article/pba/20090126/183856/?P=3

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