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投稿者: 善人 (ID:iY3zXBxtWIE) 投稿日時:2016年 08月 12日 18:36
日本の古きいにしえをつぶやき語り合いませんか?
悪人、悪口不可
総合的な理由を勘案して問いかけに答えないことがあります
ご容赦下さい。
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【4713039】 投稿者: 神話 (ID:Vln8vcakfIE) 投稿日時:2017年 09月 23日 11:06
>こうして見ると、古層の伝承を重んじた古事記に>こうして見ると、古層の伝承を重んじた古事記において前提確認がない、すなわち皇統には男系・女系双方を含み得るという解釈が、日本書紀正伝編纂時には男系偏重に組み替えられたという解釈も可能かも知れない。
先に書いた通り「事実」というものが古層の「現実」の重みに代わる、つまり双系が男系唯一に代わった契機が正伝編纂時である、と言えるかも知れませんね。
日本書紀が、中国を意識し正史として完全な書き言葉の漢文で書かれ、天皇の統治の正統性を主張するためには、皇統は中国の王朝概念に合わせて男系でなければならなかったかもしれませんね。ここには政治的意思が働いており、ご指摘のとおり、神話として難しい部分があるかもしれません。
それに対して、古事記は天武朝以前の伝承をも集めたもので、漢文で書かれながらも音声による万葉仮名で書かれており、おっしゃるとおり、この「語り」、つまりパロールをどう復活させるのかはとても重要と感じます。
古事記のアマテラスとスサノオのウケイは、
アマテラスがスサノオの剣を噛み潰して吐き出しものを女神、スサノオがアマテラスの勾玉を噛み潰して吐き出しものを男神、
だったことをもって、
アマテラスが「私の勾玉から生まれた男神は私の子、お前(スサノオ)の剣から生まれた女神はお前の子」と宣言をする。
しかし、
スサノオは「女神を生んだ私の潔白が証明された。私の勝ちだ。」
と切り返すわけですね。
おっしゃるとおり、
これではどちらが勝ちなのかわかりません。
古事記、すなわち神話の世界で、
男系原理なのか、双系原理なのかは謎です。
もっとも、そこに表面には見えない
何かが隠れているのかもしれません。
もしも、レヴィ=ストロースが生きていたら、
その構造をどのように見たのか、大変興味があります。 -
【4713046】 投稿者: 神話 (ID:Vln8vcakfIE) 投稿日時:2017年 09月 23日 11:12
引用冒頭がおかしかったです。
失礼しました。 -
【4713427】 投稿者: 冷静にかんがえると (ID:uxOMK1Fwrjg) 投稿日時:2017年 09月 23日 20:42
神話 さん
>レヴィ=ストロース
以前にも話題に上がった記憶があるが、ある民族の思考パターンの共通性という観点から、人間の置かれている状況のメタファーとして、特定の文化的範疇で神話のイメージの普遍性を見出そうとしたのがレヴィ=ストロースの考え方だったと思います。つまり神話は特定の文化的範疇で語られはするものの、その意義と意味する内容はこれを超えるものだということ。
例えば二元論的な対立、具体的には善と悪、天と地、あるいは兄弟といったようなものがそれで、神話自体その調整役としての機能を備えている(社会学的機能)。
一方で我々の存在、目標に対する指針を指し示すものとして、「カミ」という畏敬の対象を創り出すことにより、人智を超えた価値観に照らし合わせて自己の行為を顧みる機会を与える(神秘的機能)。
今ここで仮に男系・女系を二元論的対立として捉えれば、少なくとも古事記については神話の社会学的機能面から敢えて対立を回避し双系制という概念を提示し、さらにアマテラスと素戔嗚という二神を登場させることによってこれを普遍的な価値観として完結させたという見方が出来るのではないか。
もっともこの二項対立を前提とすれば太陽・月の起源神話をモチーフとして、本来はアマテラスに対するツクヨミとして、古事記の対立葛藤の主題とならなければおかしい。ここに素戔嗚という別の神格が被さってきたため、実は神産み神話の主題は別のところにあったのではないか。つまり古事記は、太陽・月といった自然摂理、天体運行を説明するレベルに留まらず、何らかの政治的なメッセージを伴っているとも考えられる、それが「系」ではないか。
最近、古事記を再読する度に何というか、、その奥深さを感じることしきり。
兄弟の葛藤、末子(弟)相続、祖母から孫、外祖父の影響などギリシャ神話、ペルシアの王書、朝鮮建国神話など類似する要素は多々あれど、我が古事記のように別の構成要素が絡むのは独特のもの。
レヴィ=ストロース曰く、普遍的なる「神話」の範疇に収まりきらない奥深さが、古事記にはあると思います。 -
【4713860】 投稿者: 神話 (ID:Vln8vcakfIE) 投稿日時:2017年 09月 24日 09:16
冷静にかんがえるとさん
>今ここで仮に男系・女系を二元論的対立として捉えれば、少なくとも古事記については神話の社会学的機能面から敢えて対立を回避し双系制という概念を提示し、さらにアマテラスと素戔嗚という二神を登場させることによってこれを普遍的な価値観として完結させたという見方が出来るのではないか。
レヴィ=ストロースによれば、人間は分類することにより「文化」を形成するけども、人間は「自然」と「文化」は根本的な矛盾をはらむことになる・・そこで人類最初の哲学である「神話」が生まれた・・そういうことになると思います。
神話がそういうものだとすれば、古事記の前掲のウケイはどうなのだろうか?・・双系制を示しているのか?・・ここは興味深い論点ですね。
古事記には勝利の前提確認は無いものの、女神を生んだスサノオが勝利を宣言したのちに、その乱行に怒ったアマテラスが岩戸に身を隠し高天原は暗転する。古代社会においては、双系制=自然、であったところ、文化は男系を要求する時代になり矛盾を生じたために、ウケイ→天岩屋 の「神話」が生まれたのではないか・・とも読めるような気もします。
もちろん色々な解釈がありえます、面白いですね。
>もっともこの二項対立を前提とすれば太陽・月の起源神話をモチーフとして、本来はアマテラスに対するツクヨミとして、古事記の対立葛藤の主題とならなければおかしい。ここに素戔嗚という別の神格が被さってきたため、実は神産み神話の主題は別のところにあったのではないか。つまり古事記は、太陽・月といった自然摂理、天体運行を説明するレベルに留まらず、何らかの政治的なメッセージを伴っているとも考えられる、それが「系」ではないか。
心理学者の河合隼雄氏によれば、それは三項であって、ツクヨミは「中空」ということらしいですね。たしかに古事記にあって、その他にツクヨミの出番がありません。中空構造とは何なんのか?・・興味をそそります。
>最近、古事記を再読する度に何というか、、その奥深さを感じることしきり。
兄弟の葛藤、末子(弟)相続、祖母から孫、外祖父の影響などギリシャ神話、ペルシアの王書、朝鮮建国神話など類似する要素は多々あれど、我が古事記のように別の構成要素が絡むのは独特のもの。レヴィ=ストロース曰く、普遍的なる「神話」の範疇に収まりきらない奥深さが、古事記にはあると思います。
レヴィ=ストロースが示したのは、 普遍的なる「神話」ではなくて、その背後にある「構造」ではないかと思います。多種多様な神話があるけども、その背後にその社会に適応した「構造」が普遍的に存在している・・そう言いたかったのでしょう。
日本の文化人類学者の川田順造氏がレヴィ=ストロースに行ったインタビューをYouTubeで観ることができますが、日本社会が時代の経過によりその姿を変えようとも、その根っこに「縄文」があると言い放った場面を観たときに感動を覚えました。
河合氏の言う「中空」は「縄文」と繋がっているのではないか・・ロラン・バルトの言う「皇居」、龍樹が説く「空」、これも同じではないか・・妄想は広がるばかりです。 -
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【4713967】 投稿者: 神話 (ID:zspLWlssuEg) 投稿日時:2017年 09月 24日 11:12
再三失礼しました。
訂正します。
スマホは打ちにくいですね。
(誤)人間は「自然」と「文化」は根本的な矛盾をはらむことになる
(正)「文化」によって、人間は「自然」と根本的な矛盾をはらむことになる -
【4714171】 投稿者: イワサキ (ID:qnJVrTpk.hs) 投稿日時:2017年 09月 24日 15:07
日本だけなぜ皇室が永く続いているか?
世界の人々は日本の皇室には畏敬の念を感じているが、ドイツでも必ず聞かれた
私の答えは、祭祀と政治を完全に分離し祭祀を司ったからと答えている。
ゆうなれば、ローマ法皇のような存在であると、
祭祀と政治を分離して、政治は時の権力者に任せた、遡れば蘇我氏、藤原氏、平氏、源氏、北条氏、足利氏、織田、豊臣、徳川、明治期に入れば元勲、そして今現在は、象徴の立場で国民に政治が委ねられている。
日本を離れ気付いた、祭祀と政治を完全に分ける事、これってヒメヒコ制だよね
前回の書き込みに通じるわけだが、古来は女性が祭祀、男性が政治、軍事を束ねていた。縄文期から弥生期に入り倭国大乱が起こり、男の代表は軍事、皆を守る、女性の代表は収穫を守り留守を守り五穀豊穣、国の繁栄を願った、これがヒメヒコ制の原型であり、邪馬台国の卑弥呼と弟の関係だよね。
天武、持統あたりで、天皇、日本を名乗り万世一系を意識したと考えたが、
持統天皇の後は文武、聖武だけが男性天皇で、元明、元正、孝謙、称徳は女性天皇であり約40年女性天皇が続いた、これこそがヒメヒコ制の明らかな名残であり、それ以前に馴染んだ制度だったのではないか?
女性天皇は祭祀を担当し、政治は藤原氏これはまさにヒメヒコ制度なんだよね。
藤原氏を驚愕させる事件が起こるまではなんの違和感もなかったと思われる
驚愕させた人物とは弓削道鏡である。彼は自ら天皇を目指し実際、称徳天皇もそれを望んだ、祭祀と政治の総取り、藤原氏は恐れおののいたに違いない
弓削道鏡は物部氏の流れを組み、旧体制の復活をかけた闘いであり、新興勢力の藤原氏にとっても危機一髪であった。道鏡の天皇即位は聖武天皇の崩御で幕を閉じるが、陰謀渦巻く策略大好きな藤原氏によって葬られた可能性もあるだろう
都合のいいヒメヒコ制の欠陥を初めて感じたはずである、女性天皇を籠絡されてしまえば手も足も出せないことを学び以後は約850年後の明正天皇まで女性天皇は出現しなかった。万世一系の男子天皇を意識したのは、道鏡の出現以降なのではないか?縄文期から女性が司った祭祀を男性天皇が担当することになり、政治は藤原氏が行う、ヒメヒコ制の進化した形となった。
誰も疑問を抱かせない縄文期からの時間的連続性、現在はヒメヒコ制の進化系が続き、象徴である天皇陛下が祭祀、国事行為を行い、国民の手で選ばれた内閣が政治を行う。国としての時間的連続性がきっちり繋がった社会となっている事は疑う余地のないところです。 -
【4714237】 投稿者: イワサキ (ID:qnJVrTpk.hs) 投稿日時:2017年 09月 24日 16:14
冷静にかんがえるとさん
>我が国の縄文式時代末期から弥生式時代に執り行われた犬、オオカミの屈葬も、共同生活を推し量るうえで、彼らが何らかの社会的協力を為していたことが伺われます。それらはおそらく狩猟・採集であり、興味深いのは弥生式文化の奈良県の唐古遺跡で発見された二ホンオオカミと目される動物遺骸。
もっとも古来犬、オオカミを厳密に分けると古来犬はパートナーとして残り、オオカミは「大口の真神」として神格化されていったのが、一般的な解釈だったような気がします。
きっちり返事をしてなかったので (すいません 笑)
奈良、唐古遺跡で日本狼の屈葬は興味深いですね。動物が神格化されたパターンは世界中で多いが、熊野、吉野地方では狼を神として神格化しており、ちょうど100年前に最後に生け捕りにされた場所が確か吉野だったのではないか?
熊野吉野では、人が亡くなった場合、埋葬せず風葬として狼についばませた話があったと思う。アイヌのカムイ(神)はヒグマであり、その他白鳥、鷺、八咫烏も風葬に関係し死後遺体を綺麗にし、黄泉の国まで連れて行くとのシャーマニズムだと思う。
狼は犬とは違いワンとは吠えない。人間の村の周りに狼が住み着き、残飯を餌としてもらいながら家畜化して犬化していった。古墳時代初期の部曲にはすでに犬飼部との役所、役職があり馬が入る以前には、犬飼部で犬を飼い慣らし野山に入り猟犬として活躍したのではないか?
何度か書き込んだ日本発の前方後円墳、箸墓古墳、240年前後と鑑定結果が出ているが、ここに祀られている倭迹迹日百襲姫命(やまとととひももそひめのみこと)の兄と目される、吉備津彦命は吉備に入り、吉備津彦神社、吉備津神社の祭神となっているが、彼は桃太郎伝説のモデルとも言われている。
犬や雉、猿を家来にして鬼ヶ島の鬼退治に出かける昔話だが、吉備津彦命に付き従って吉備入りした家来には犬飼健命がおり、犬(忠臣)のモデルも存在した。この犬飼健命の子孫が、昭和の515事件の凶弾に倒れた犬養毅首相である。
何気ない昔話が現在まできっちり繋がっているのが嬉しいかぎりです。 -
【4714445】 投稿者: 冷静にかんがえると (ID:zLMwPuoOnyM) 投稿日時:2017年 09月 24日 18:58
神話 さん
>レヴィ=ストロースが示したのは、 普遍的なる「神話」ではなくて、その背後にある「構造」ではないかと思います。多種多様な神話があるけども、その背後にその社会に適応した「構造」が普遍的に存在している・・そう言いたかったのでしょう。
なるほど、、これはご指摘の通り、多種多様な神話「構造」の普遍性とするべきでした。有難うございます。
この普遍性という意味において神話の神秘的機能に着目してみると、わたしは記紀の擁する系図は西洋、例えば新約聖書、古代英国の王朝系図とは異なる独特な思想が内包されていると考えるところ。
例えばマタイ伝のアブラハムの系図を遡れば神が「創った」とされるアダムとイヴ、古代英国王朝のノーサンブリヤ朝、ウエスト・サクソン朝は系図途中で神が登場する(渡部、前掲書38頁)。つまり我が記紀のような神に遡る、いわば血縁関係を示す系図ではないところに、西洋のそれらと異なる決定的「何か」があるように思われてなりません。
神話さんは第三項に言及されていますが、これはオルぺウス型神話の「呪術師」のこと?
>心理学者の河合隼雄氏によれば、それは三項であって、ツクヨミは「中空」ということらしいですね。
河合隼雄氏の論説は難しいなあ、「中空」ですか、、
わたしが思い浮かぶのは、古代日本を「葦原の中ツ国」と称したように、山鹿素行が指摘した陰陽の「中」、気候の「中」といったような中庸概念。
同じ「中ツ国」と言っても古代中国、ギリシャのように世界の「中」心といった概念ではなく、天(高天原)と地(黄泉国)の「中」間にある国といった、いわば垂直の宇宙観。だから神木といったものが象徴性を有し山岳に神性を見出す。
神武天皇以前の神代がこのようなタテに働く宇宙観で記されたとすれば、上下とか系図に対して古代の人々は敏感であったに違いない。
「何か」とはそういったことかも知れませんね。
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