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【5926386】大人のピアノ

投稿者: アラ還   (ID:bKGv9UDG1zY) 投稿日時:2020年 06月 29日 10:15

ご相談半分、独り言半分です。長文お許しください。

主婦です。遡ること半世紀前の小学校、中学校の時に約10年間ピアノを習いました。ご近所の先生でおしゃべりが半分、レッスンはその「おまけ」って言ってもいいくらいのんびりしていました。月謝もお安く、そして何よりピアノが好きでしたので通うのが楽しく、高校入学まで続けました。高校に入り、勉強、運動部も忙しくなったのですごく悩みましたが結局ピアノを習うことは止めました。そこからは好きな時に好きな曲を弾くとの生活を今まで約40年ずっと続けてきました。人様に聴いていただく機会は殆どなくもっぱら一人で練習、弾いてまいりましたし、それで満足、気分転換できておりました。コンスタントには弾いているので、曲もそこそこ色々弾きますし、譜読みもほとんど苦にはなりません。
そしてクラシック音楽全般は大好きでピアノに限らずオケやリサイタルなどにもよく足を運ぶ今の生活があります。

そんな中、2年前子供も手が離れ、時間もできたのでふっとピアノをきちんと習いたいと思い立ちました。先生を色々探して、そしてご本人も演奏活動をなさっている若いプロのピアニストの方に師事いたしました。今、月に1~2回のペースで通っております。目の前で聴かせていただく演奏は本当に素晴らしく圧倒されるばかり。最初はこの先生で本当に良かったと思いました。ところが、最近とにかく先生の要求なさることが多く、そして難しくて。例えば体の使い方、音の出し方、聴き方、手の形、顔の位置、視線、などなどあげたらきりがありません。頭では理解するのですが、身体がなかなか覚えられず、また次のレッスンに行くと元の状態に戻っているとの状態。曲も最初の一音を出すのに何回も何回も何分も。自分できちんとピアノに向かい合いたいと始めたレッスンですが、楽しくもなく、落ち込むばかり。スランプと言ったらいいのでしょうか。何より、今の先生、レッスンを引き受けてくださったとは言えおそらく「しまった!!」と思っていらっしゃるであろうことは、私が電子ピアノしか保有していないこと。これでは先生の要求なさる音、身体の使い方を私が復習、練習することは難しいですよね。それでも時々グランドピアノのあるスタジオを借りて練習をしておりますが、それも限度があります。

決して体調も盤石でなく、あと20年生きるかどうか。一方で好きなピアノ、あれも弾きたい、これも弾きたいと曲は山ほどあります。ショパンのソナタ、ベートーベンの後期ソナタ、シューベルト、シューマンの曲集等々。
この1年間、先生の前で何とか仕上がったと言える曲は1曲だけ。今は数曲を並行して練習していくのですが、全曲、最初のページでストップしあれやこれやと直されて。1時間のレッスンが終わります。

もうレッスンは止めようかな、でも遅遅とはしていますが身体の使い方などちょっとは理解し始めている今、もう少し頑張って続けようかなと本当に悩んでいます。
なお諸事情があり、アコースティックピアノへの変更は出来ず、今までの電子ピアノ+時々のスタジオ練習を続けていくしかないとの制約もあります。

エデュにはピアノに詳しい方も多いようなのでもし何かヒントなり、アドバイスを頂けましたら幸いです。

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  1. 【5928406】 投稿者: 素人ピアノ弾き  (ID:SdspYMC5WZw) 投稿日時:2020年 06月 30日 22:07

    質問ありがとうございます。

    超長文ご容赦ください。

    下記、相当に生意気なことをかきますが、私の理想論で、師ほか複数のプロの助言や呟きも参考にしております。私が完全な演奏が出来る、と、思われませぬよう。そもそも私は9度しか届かないので、クライスレリアーナや幻想曲には無理ががあります。この点については最後に書きます。

    しかし、クライスレリアーナ、幻想曲とも、私も大好きな曲で、実は、二曲とも、大きなステージで複数回全曲演奏の経験があります。
    30分、私の不完全で退屈であろう演奏を聴いてくれた聴衆の方にあらためて感謝です。
    若くてパワーのあったときの経験で、多少、記憶がおぼろげになっているところがあります。


    クライスレリアーナは、シューマンの「ピアノ曲の時代」の曲の中ではメカニカルに穏やかで取り組みやすい曲と思います。
    メカニカルに穏やか、というレベルは、実はかなり高く、プロのピアニストが苦労する超絶技巧の部分が見当たらない、というレベル、です。挙げていただいた幻想曲はじめ、3曲のソナタ、トッカータ、交響練習曲など、無茶な書法と超絶技巧のオンパレードですので。

    クライスレリアーナは、曲集としてみた場合、相当に特殊な構成です。
    全8曲のうち、2曲目が異常に長いことが特徴のひとつ。
    そして、もう一つは、7曲目、8曲目の印象が強すぎて、ともすると聴衆にこの2曲の印象しか与えないという危険があります。(それでもいいじゃないか、という考え方もあります)

    数多のピアニストが取り上げる超名曲ですが、ピアニスト間の解釈やテンポなどの幅のもっとも大きい曲のひとつかと感じています。それだけ、演奏者の個性も音楽性も見えてしまいますね。

    メカニカルには、二曲目に頻出する11度や12度をどのように処理するか、という点が頭のひねりどころです。12度が楽々届けば悩むことは少いのですが、古今の大ピアニストも、和音や多声をずらしたりして苦労している?ふしがあります。もう開き直って、音をずらしまくってもいいか、と思っています。
    次に考慮すべき点は7曲目の中間部、急速なフガートの部分で、左手の急速な16分音符ではじまります。プロはともかく、アマチュアや音大生はこの部分で失敗する人が多く、もし弾かれるなら、どうか綿密に練習なさってください。シューマンがバッハ風(あるいはバッハを超える)トッカータかパッサカリアを書きたくて夢破れる、悲しい音楽です。
    そして8曲目、このリズムの処理はけっこう難題です。ピアニストにより、テンポもリズムも中声の扱いも全然違うので、あまり悩まず自由にやればいいのかも知れません。

    #と書くと、中間の小曲が軽くなってしまいますが、3曲目や5曲目、けっこうメカニカルに危険で、ステージでテンパると失敗します。

    まったくメカニックの異なる8曲を弾き分け、30分、だれない音楽にするのは、けっこう大仕事だと思います。
    この曲に関しては、最悪、抜粋もあり、かと思っています。もちろん、時間枠と体力があれば全曲演奏すべきであることは言うまでもありません。


    幻想曲については、まず、メカニックのことに触れるべきかと思います。
    私の師は「なんでも弾けるので生徒がなぜメカニカルに弾けないかわからない」というようなことを書きましたが、この曲(二楽章コーダ)が唯一、「非常に難しい」といった曲です。
    (リストのマゼッパを「楽」と表現するような人です。)
    最高難度は、第二楽章の最後の1ページ半、有名なコーダで、急速な両手の跳躍の連続が当たらないとみっともないです。
    この曲の最高の演奏と言われるホロヴィッツの1965年のライブ録音にもかなり傷が見られ、それでも、アナログテープをつぎはぎしてずいぶんと修正したとのうわさがあります。
    幻想曲を全曲演奏しよう、と思い立ったら、まず、この部分を2週間ほど練習してみましょう。それで、跳躍が思うように当たらなければ、たぶん、半年練習しても限界があるので、少なくとも二楽章はステージで演奏する候補から外したほうがいいのではないかと思います。

    そして、意外に(といういいかたはどうかと思いますが)特殊な和声、特殊な音楽、なんですよね。

    1楽章はハ長調ですが、突然ナポリの6から始まりますので、予備知識なしに聞くと、たぶん、調性不明です。そして、調性不明のまま転調をくりかえし、ハ長調のトニカに終結しないまま短調の中間部(伝説曲)にはいります。結局、ハ長調の終止形があらわれるのは最後だけ。なんでこんな複雑な調性にしたんでしょうね。その融通無碍の転調をどのように表現したらいいのか、私はよくわかっていません。
    メカニカルには決してやさしくありませんが、次の二楽章よりははるかに楽。
    音大生でも、1楽章だけを抜き出して試験やオーディションに弾く人は多いです。

    2楽章は、リズムと重和音への固執が見られる、演奏の非常に難しい楽章です。最初の分散和音から、ペダリングも含めて課題が多いですし、10度を楽々つかめないと正確には弾けません。
    しかし、さらに注意すべきは力の配分で、重和音を最初からガンガン鳴らすと、焦点のわからないうるさいだけの音楽になりかねません。同じリズムが繰り返していますが、表情は非常に多彩です。また、エネルギッシュに、とありますが、mfで始まりますし同じ主題が出てくる毎に音量を増していきますので、むしろ遠くで主題が鳴るイメージで冒頭の音量設定を設計すべきかと思います。

    3楽章は、うってかわって静謐は楽章。この楽章だけで10分くらいかかります。涙なしに聴けないすばらしい楽章ですよね。
    私が聴いた中で「ちょっとまずいな」と思う演奏は、2対3の複リズムを正確に入れることに拘泥しすぎて機械的に聞こえる、というものでした。プロではありえないと思いますが、音大生の方にもあります。
    演奏する立場から言うと、二楽章の興奮と疲れをきっちりリフレッシュして適切なテンポで演奏することで、私の場合、二楽章で心臓の鼓動を引きずってせわしなくスタートしてしまうことがありました。

    幻想曲を通して演奏するのは、けっこうな難題かと思います。
    私は、二楽章の跳躍ではけっこうボロボロだった記憶があり、今でも恥ずかしくなりますが、とにもかくにもステージで全曲を弾いたことを、若かりし日の思い出としてポジティブにとらえようか、という気になっています。

    最後に手の大きさについて。
    この二曲は、本来は、10度を上から掴める、しっかりとした大きな手が必要です。でも、アマチュアだし、小さな手で弾いたっていいじゃないですか。
    私は、特に幻想曲には頭を絞ってあらゆるゴマカシや手練手管を導入し、なんとか弾きました。演奏後に音大生のお嬢さんの四人組(初対面でした)が口々に「巨大な手で羨ましい」と言ってくれ、実際に握手して私の小さな手に仰天していました。手の大きさコンプレックスから少し解放された瞬間でした。

  2. 【5928874】 投稿者: 素人ピアノ弾き  (ID:JwX3tCHxK1g) 投稿日時:2020年 07月 01日 12:31

    思い出したことがあるので、追加させてください。

    楽譜の風景、というWEBサイトに、幻想曲二楽章ゴーダの演奏方法(運指)が提案されています。
    左右の分担を変えることで負荷を軽減し、もっとも重要な音を絶対に外さないことに重点を置いた運指で、参考になります。
    (私は楽譜通りに左右の分担で弾きました。)
    サイトの持ち主はアマチュアですが日本のアマチュアではトップレベルの腕前のピアニストで、個人的にも存じ上げています。

    http://iberia.music.coocan.jp/fingering_schumann_fantasie.htm

    ちなみに、このサイトにあるアルベニス「イベリア」の演奏法解説は極めて質が高く、プロ用の解説書を含め、私にはもっとも参考になりました。

    youtubeに、ネルソン フレイレのライブの動画があります。すばらしい演奏ですが、二楽章のコーダは、最後のオクターブの連続大跳躍が当たっていません。世界の超一流でさえこうなることがあるんですから。。。

  3. 【5928885】 投稿者: 素人ピアノ弾き  (ID:JwX3tCHxK1g) 投稿日時:2020年 07月 01日 12:39

    もう一点追加。

    クライスレリアーナの第七曲中間部のフガート、最初の主題は両手でばらして弾くのもあり、ですね。
    私の師は、「パフォーマンスなんだから、右手を膝に置いて左手だけでバッチリ弾いてアピールしたほうがよい」という意見で、私もそうしています。今はともかく、昔はこういう左手の動きは得意だった、というのもあります。

    下の演奏など、両手でばらして安定感の高い演奏をしています。
    https://www.youtube.com/watch?v=8FxKEe6vy8E
    38秒くらいから。主題をうまく左右な手にばらしていますが、滑らかにつなげていますね。

    下は、人間離れした超絶技巧(と過激な衣装。マイクロミニにキャミソールでラフマニノフの協奏曲を弾いたりして、彼女の演奏会は18禁にしろ、とか、今でも非難されるとがあります。)で世界的大スターになったYuja Wangの演奏。
    https://www.youtube.com/watch?v=J5FayGAxTf0
    27分22秒くらいからのフガート、実にみごとです。

  4. 【5929022】 投稿者: アラ還  (ID:Ecy58TQlpzY) 投稿日時:2020年 07月 01日 14:35

    ご丁寧にお教えいただき本当にありがとうございました。私が弾きたい曲集としてシューマンでは二つ書かせていただきましたが、音源で聴き、演奏会で聴き、弾きたいなと思い楽譜をただ持っているレベル。お教えいただきましたことを意識し楽譜を見ながら是非聴いてみたいと思いました。そしてかなうのなら素人ピアノ弾き様の演奏を拝聴したいです。

    楽譜の風景とのコラム、HPで見てみました。凄いの一言。お教えいただき本当にありがとうございました。アマチュアの方でここまで研究なさっている方がいらっしゃるとは驚きであります。私がピヨピヨと騒いでいることがいかに小さいかを感じます。プロアマ問わず、極める・究めることは本当に大切なことと痛感いたしました。これから読み進めていきたいと思います。

    先ずクライスレリアーナ。目標が出来ました。

    ユジャワンさんのシューマンは初めてでした。私は大胆なドレスとピンヒールでラフマニノフのコンチェルトをお弾きになるのを動画で見てぶっ飛びました。ドレスは別にしても、ペダル大丈夫か気になって。でも見事な演奏でした。

  5. 【6061198】 投稿者: アラ還   (ID:1hVcx3yTdKU) 投稿日時:2020年 10月 20日 17:54

    スレ主です。皆様本当にありがとうございました。結局レッスンを辞めてしまいました。先生は一生懸命やってくださっていることは理解できるのですが、私自身の堪え性の無さが影響して。本当に自分が嫌になります。所詮趣味のピアノ、されど上達はしたい。迷いつつ、当面はまた一人でやっていきます。

  6. 【6062599】 投稿者: 素人ピアノ弾き  (ID:kThWT82d1SY) 投稿日時:2020年 10月 22日 03:11

    それは残念ですが、先生とはあいしょうがありますからね。

    先生を探されるといいと思いますが、大人のサークルなどどこかで発表の場を持たれるといいと存じます。
    聴衆を前にすることで得られるものは大きいてます。

    どうかがんばって、しかしのんびりと参りましょう。

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