ダンス部全員でつかむ一生モノ
『無問題』問題
命題
『なぜ中国嫌いの中年層が「無問題」を反射的に使い続けるのか?』
前々から疑問だったが、中国に対して嫌悪感を抱いているはずの中年〜老年層が、なぜか「無問題(モーマンタイ)」という言葉を何のためらいもなく使っている場面にたびたび出くわす。失敗やトラブルに対して、「無問題」とニヤつきながら口にするあの感じ。若い世代から見れば、違和感しかない。
まず、この「無問題」は中国語(普通話)の表現ではない。標準的な中国語で「問題ありません」は「没問題(メイウェンティ)」が正しい。一方「無問題」は、広東語由来の表現で、主に香港・マカオ・広東省など、ごく一部の地域で使われている。実際、広東語話者は中国全体のうち、せいぜい5%程度に過ぎない。つまり、この言い回しは中国という巨大な言語空間の中では、周縁的な方言表現に過ぎない。
にもかかわらず、「中国=無問題=モーマンタイ」と短絡的に受け止めているあたりに、どうしようもない認識の古さを感じる。が、それ以上に見過ごせないのは、そうした人たちが自分の言葉の出所を一切顧みずに、機械的・反射的にこうした表現を使っている点だ。
かつてテレビや映画で耳にした言葉を、意味や背景を考えず、ただの定型句として反復する。その際、彼らの中には「自分は外国語を話している」という意識すらない。むしろ「そういうもんだ」と思い込んで、刷り込まれた語彙を再生しているだけ。つまり、無意識のうちに、異文化の断片を模倣し続けている。
そしてその一方で、中国全体を一括して侮蔑する姿勢を変えない。
要するに、使っている言葉と抱いている感情が、まったく整合していない。言葉の選択が、思想の無反省さを証明してしまっている。
この「無問題」に限らず、他にも似たような「無自覚な異文化語彙のテンプレ使用」があれば、ぜひ共有してもらいたい。
あわせて、なぜこうした現象が中高年層に根強く残っているのか、背景や要因も掘り下げてみたい。




































