最終更新:

0
Comment

【1923】国立

投稿者: よーすけ   (ID:TDGFRpeA9Ts) 投稿日時:2004年 11月 29日 18:38

大学進学を目指す地方高校の生徒は、理系希望者が断然多い。看護医療系を含めると、高校1年生は約8割、高3生も6割以上が理系志願である。実は、東大、北大などの旧帝国大学(7大学)の学生定員は、圧倒的に理系学部・学科に偏っている。地方高校の生徒の志望が国立大学に偏っていることととても似ている。

 北大、九州大学、大阪大学は文系対理系がおよそ1対3になっている。また、京大、名古屋大、東北大は、文系対理系がおよそ1対2になっている。北大は農学部と水産学部が、九州大学は農学部の定員数が多く、理系の比率増につながっている。これに対して、東大は、官僚を養成する伝統を背負っているため、他大学に比べて文系が多く、1学年の定員は、文系1265名、理系1788名で、文系対理系の比率はおよそ2対3である。いづれも、数において、理系が文系を圧倒している。

 一方、私立大学は、文系に特化している。慶応大学は文系対理系が5000人対1000人、早稲田大学が4000人対1000人で断然文系が多い。「理系は国立大(特に旧帝大)文系は私立大」という構図がはっきりしている。理系は、設備や実験のために多大な費用が必要なため、税金を使える国立大学がその役割を担ってきたのだろう。また、明治維新以降の国策である「産業立国」を支えるために、国が「理系」に金を使ってきたという歴史的側面もあるだろう。

 その国立大学が、本年4月から国立大学法人になった。今後、吸収合併が進み、最終的には30数大学程度になるという。しかし、例えそうなったとしても、理系偏重が続くことに変わりはないと思われる。国の予算重点配分は、理系に有利に働くからだ。理系=国立、文系=私立がさらに固定化されることがないことを祈りたい。大学は、富を増大させること、「手に職を持たせる」ことだけが役割ではなく、文化的価値を評価、創造する役割を積極的に担うべきだと考えるからである。

返信する

管理者通知をする

マイブックマーク

学校を探す

条件を絞り込んで探す

種別

学校名で探す