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【5094790】医学部受験のこれから

投稿者: 先   (ID:YE8k5l.ld/Y) 投稿日時:2018年 08月 25日 08:39

皆さまには大変ご迷惑をおかけしてすいませんでした。
おわびに本当にこの掲示板に合った議論をするために新しいスレッドを立ち上げました。
ぜひご利用ください。

医学界の将来のため優秀な生徒さんが医学部に多数入学されることを祈念いたします。

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  1. 【5101064】 投稿者: 情報提供  (ID:fg4PBkY8Kl2) 投稿日時:2018年 08月 31日 12:45

    将来を急ぐ医学生、「課題設定型研究」を憂う◆Vol.25
    スペシャル企画 2018年8月25日 (土)配信橋本佳子(m3.com編集長)

    ――長年、基礎医学者の立場として、最後は人材養成を目的とする長崎大学大学院国際健康開発研究科の科長を務めた立場として、昨今の医学生、医学教育に対して思うところがあるという。
    私の大学時代の同級生の一人である朝長万左男君(元長崎大学原子爆弾後障害医療研究所所長、元日本赤十字社長崎原爆病院院長)が、現役時代によくこう言っていました。「青木。近頃の学生はけしからん」「俺のところに来る学生は、『朝長先生。僕は先生のところに入ったら5年後はどうなってますか。10年後はどうなってますか』としょっちゅう聞く」。彼は「そんな学生は来なくていい。追い返す」と。
     医学は「経験の学問」なので、医学部卒業後、どんな環境に置かれ、どんな人と出会い、どんな仕事をしてきたかによって、その後の人生が変わってきます。医師の中には、医師免許を取得して、私のように基礎研究の道に進む者もいれば、医療の世界から離れ、文化人になった人もいます。先行きが分からないというか、医師にとって進路の選択肢はたくさんあり、将来なんて、はっきりと見通せるはずがありません。それに、私たちの時代は、まずどこかの医局に入局した後、関連病院に赴任し、研鑽を積んでいました。

     でもどんな道に進もうとも、医師免許を取得すれば、食いっぱぐれることはないでしょう。その安心感が、医学部出身者にはあるのだと思います。だからいろいろチャレンジし、自分に合わなかったら、方向転換をすればいい。

     それなのに近年の医学生は、「5年後がどうなるのか」という安定志向が強い。「高校時代の成績がいい」という理由で、医学部に来る学生が多いことが一因かもしれません。進路についても、すぐに解を求めるのでしょう。

     ただ言えるのは、どんな分野に進もうとも、必要なのは教養です。私自身、WHO(世界保健機関)や学会などで海外に行った際に、政治や文化などについて幅広い話ができず、恥ずかしい思いをしました。自分の専門分野の話しかできなかったからです。それは英語の問題だけでなく、教養の問題も大きい。

    ――研究の在り方についても近年、「課題設定型」になってきており、問題を感じているという。

     研究が「課題設定型」になってきたのは、2002年度から始まった文部科学省の「21世紀COEプログラム」(研究拠点形成費補助金)、2004年度の国立大学法人化辺りではないでしょうか。目標があらかじめ設定され、その実現を目指す研究にお金を出す。こうした「課題設定型」では、新たな発想の研究はできず、「製品」を生み出すだけではないでしょうか。

     研究補助金だけでなく、ポジションの問題もあります。今の大学は、正規の助教のポストが減っており、その代わりに「特任」、あるいは任期付きのポストが増えています。これでは例えば5年の期限内に成果を出さなければならず、論文を書かなければいけないという圧力が強く、一か八かの研究は難しいでしょう。

     昔の教授は、自分が獲得した研究費で、助教などに自由な研究をさせていたものです。しかし、今は、自分の仕事を部下にさせているケースが多いと思います。教授のためにはいいのかもしれませんが、若手育成のためには果たしていいことなのか。恐らく多くの方が、こうした状況はおかしいと感じているのではないでしょうか。

     テーマも、方法論も自由に設定して、研究させる環境が必要です。これは私だけでなく、ノーベル賞受賞者をはじめ、多くの先達や同僚たちが言っていることです。

     例えば、理学部の研究者なら、「キリンの首はなぜ長い」とか、「ノミはなぜ自分の体長の何倍も跳べるのか」など、自然界や生命現象を自由に調べる研究に取り組める環境づくりが必要ではないでしょうか。そうでなければ、今は各種の技術は進んでも、原理原則を究める研究の歩みが止まってしまう危険性があるのでは、と考えています。必要なのは、「謎解き」の研究です。

     これは医学研究でも同様です。ノーベル医学・生理学賞を受賞した大村智先生は、ゴルフ場の土から見付けた微生物を採取し、イベルメクチンの発見につなげた。大隅良典先生の「オートファジー」の研究も、顕微鏡をのぞいていて、「なんか変な動きがある」のを見付け、研究を深めていった。私の恩師の片峰大助先生には、「あまりたくさん論文を読むな」と言われたこともあります。知識を詰め込むだけで、自分で考えなくなるからです。それまでやられていない研究は、自分で考えてこそ生まれるものです。

     私は今、日本学術振興会(JSPS)の外部評価委員会委員を務めていますが、JSPSが自由研究、課題設定型ではないボトムアップ型研究の「最後の砦」ではないでしょうか。「100%自分のアイデアで、自分の技術で、自分の実力で取り組む研究」を守り、育てていくよう、しっかり守ってもらうよう外部評価委員として主張しています。

  2. 【5101372】 投稿者: 東大理系OB  (ID:rOXdses3dZo) 投稿日時:2018年 08月 31日 19:39

    情報提供さま
    貴重な記事をありがとうございます。

    私と見解が相違する部分もありますが、貴重な指摘もあり、少し長くなりますがコメントさせてください。


    >将来を急ぐ医学生、「課題設定型研究」を憂う◆Vol.25
    スペシャル企画 2018年8月25日 (土)配信橋本佳子(m3.com編集長)

    記事の著者はわかりますが、記事の内容は、青木という医師(あるいは基礎医学研究者)へのインタビューかなにかかと思います。登場する朝長さんは有名ですが。。。。
    匿名記事でなければ、どなたの発言かご教授ください。

    > 私の大学時代の同級生の一人である朝長万左男君(元長崎大学原子爆弾後障害医療研究所所長、元日本赤十字社長崎原爆病院院長)が、現役時代によくこう言っていました。「青木。近頃の学生はけしからん」「俺のところに来る学生は、『朝長先生。僕は先生のところに入ったら5年後はどうなってますか。10年後はどうなってますか』としょっちゅう聞く」。彼は「そんな学生は来なくていい。追い返す」と。

    これ、何がいけないのか、私にはさっぱりわからないんです。多くの大学や医局のホームページをごらんください。医師育成のモデルケースや育成プロセスが、経験年数ごとに示されています。
    一方で、後期研修がどうの専門医がどうの症例数がどうの大学院がどうのと締め上げられ、他方で自分の5年後や10年後を質問すると激怒され追い返される、学生はやってられません。
    学生の言い方や質問にいたる準備に不足はあったのでしょうけれど、少なくともトクトクと語るほど正しく立派な教育とはとても思えない。
    医学部教授とはそんなにえらい人なんですかね。
    #すみません。医学部教授の傲慢な態度にトラウマになるくらいいやな思いをしたことが何度かあるのできつくなりました。


    >研究が「課題設定型」になってきたのは、2002年度から始まった文部科学省の「21世紀COEプログラム」(研究拠点形成費補助金)、2004年度の国立大学法人化辺りではないでしょうか。目標があらかじめ設定され、その実現を目指す研究にお金を出す。こうした「課題設定型」では、新たな発想の研究はできず、「製品」を生み出すだけではないでしょうか。

    >研究補助金だけでなく、ポジションの問題もあります。今の大学は、正規の助教のポストが減っており、その代わりに「特任」、あるいは任期付きのポストが増えています。これでは例えば5年の期限内に成果を出さなければならず、論文を書かなければいけないという圧力が強く、一か八かの研究は難しいでしょう。

    この認識は完全に正しいと思います。
    しかし、これは、嫌がる大学に文部科学省が無理やり押し付けた改革ではなく、大学側からも望まれたものだった、ということは、記憶にとどめてほしいです。
    大学の教授層、特に、学会の指導者層は、アメリカなど諸外国の教授が自分の気に入らないスタッフを自由に解雇できるのがうらやましくて仕方なかった。以前は、助手であっても正規の国家公務員で、定年までの雇用が保障されていましたから、助手が教授に逆らって自分の好きな研究をやっても、干すことはできても首にはできなかったのです。
    大学教授は、部下を国家公務員から臨時雇に転換する制度改革を後押しし、望みどおり、部下を好きなときに自由に解雇する権利を手に入れました。それは結果的に日本の研究力を著しく毀損しました。大学人は他人事のように不満ばかり言わず、自分で落とし前をつけるべきです。


    >例えば、理学部の研究者なら、「キリンの首はなぜ長い」とか、「ノミはなぜ自分の体長の何倍も跳べるのか」など、自然界や生命現象を自由に調べる研究に取り組める環境づくりが必要ではないでしょうか。そうでなければ、今は各種の技術は進んでも、原理原則を究める研究の歩みが止まってしまう危険性があるのでは、と考えています。必要なのは、「謎解き」の研究です。

    これは、私はまったく支持しません。
    妙なテーマに大金を投じても成果が上がらないのは当然ですが、「何でも好き勝手研究しろ」もまったく駄目だと考えているので。
    福井健一さん(フロンティア軌道論、1981年ノーベル化学賞)は工学部燃料化学教室に在籍していましたが、量子力学を駆使した基礎研究により化学反応の原理を解明しました。福井さんは、文部省(当時)から、福井先生の名を冠した基礎化学の研究所をつくる提案を何度も受けましたが、頑として首を縦に振りませんでした。
    自分は、日々、石油の採掘や精製法やプラントの改善改良に心血をそそぎ日本のエネルギー問題を解決しようとする人たちの中に居て少しづつ基礎研究をやらせてもらったので成果を得ることができた。基礎研究者だけ集めて金を与えても良い成果が生まれるはずがない。これが福井さんの主張でした。

    趣味の研究するなら、税金でなく自己資金でやってほしいです。

  3. 【5101535】 投稿者: 2025年問題  (ID:II.eBEqTHPg) 投稿日時:2018年 08月 31日 23:10

    >匿名記事でなければ、どなたの発言かご教授ください。

    m3というのは医師を対象とした医療系のサイトの一つで、製薬会社による薬の情報や、高名な医師や第一線で活躍されている医師のWEB講演会があり、僕もよく利用しています。

    情報提供さんから、「将来を急ぐ医学生、「課題設定型研究」を憂う◆Vol.25
    スペシャル企画」があり、WEB講演会の閲覧ついでにみていました。
    情報提供さんがまだ気づかれてないようなので、代わりに書いておきます。
    情報提供さん 差し出がましいことをしてすいません。

    これは、m3の医療維新シリーズの中の、私の医歴書◆青木克己・長崎大学名誉教授の8/25に掲載されたものです。

    青木氏に関しては、
    長崎大学の熱帯医学研究所、通称「熱研」は、日本における熱帯医学研究を目的とする唯一の公的な機関だ。同大医学部卒業後、長年熱帯医学に従事し、ケニアなどでも研究を続けた一人が、青木克己氏。2001年から2007年までの6年間は、同研究所の所長を務めた。  「私は自分のことを『凡人』だと思っています。そんな私が『私の医歴書』に登場するのがふさわしいかどうかは分かりません。しかし、凡人であっても、ある環境が与えられれば、人は育つ、成果を挙げることができることができます」と語る青木氏。熱帯医学、中でも寄生虫の研究に医師人生を捧げた青木氏の「私の医歴書」をお届けする。

    とあり、授業を受けた医師たちの投稿もありますが、概ね高評価の先生のようです。

    >これ、何がいけないのか、私にはさっぱりわからないんです。

    ついでに僕に意見を書かしてもらうと、朝長万左男先生のコメントは短いので正確にはわかりませんが、さすがに「『朝長先生。僕は先生のところに入ったら5年後はどうなってますか。10年後はどうなってますか』としょっちゅう聞く」」というのはまずいでしょう。

    基礎の研究室に本当に行きたいのなら、朝長先生としては、やはり基礎研究をすることに対する夢を第一に語ってほしかったんだと思います。
    将来の不安はあるでしょうが、それが第1番目にくるのであれば、基礎はあきらめて臨床に進んだ方がいいと思います。

    確かに、今の状況では、基礎研究に進むことに関しては将来の不安の方が大きく、改善しなければいけないという問題はありますが。

    >研究が「課題設定型」になってきたのは、2002年度から始まった文部科学省の「21世紀COEプログラム」(研究拠点形成費補助金)、2004年度の国立大学法人化辺りではないでしょうか。・・・・・

    これに関しては東大理系OBさんの考えに賛成で、朝長先生の言われていることはその通りなのでしょうが、しょうがないと思います。

    僕が大学院にいった研究室もCOEに選ばれたため、相当な研究費が使えました。
    サイエンスの注目されている分野では世界中での競争があり、その中で1番を取るためには(2番では意味がない)、研究費として莫大なお金が必要となり、その額は日本学術振興会からもらえる金額とはけた違いです。

    そのお金の出どころは国民からの税金なので、そのお金を使うことに理解してもらうためには、段階的な研究課題をたて、いつまでに達成するかを示し、最終的にどのようなことを成し遂げ、それが国民にとってどれほど有益なことなのかを示すことは当然だと思います。

    COEの研究費にしても、大きな研究テーマに関して使うものですが、その研究の範囲においてなら「新たな発想」の研究に対して使うのは自由ですから、朝長先生の考えは少し違ってるような気がします。

  4. 【5101578】 投稿者: 東大理系OB  (ID:rOXdses3dZo) 投稿日時:2018年 08月 31日 23:59

    返信、情報をありがとうございます。

    朝長先生については、私はバリバリの血液内科、内科メジャーのど真ん中と思っていました。原爆や放射線の健康被害な関する第一人者であることは存じておりますが、血液内科から公衆衛生なような分野に移られたのでしょうか。
    そして、時代が違い、今のように専門医試験だの症例数だのと時間を切って詰められていなかった時代のことなのだろうと考え直しました。

    基礎研究に関する記述は青木先生の意見ではないですかね。ちょっと記者の文章力が稚拙な感じがします。

  5. 【5101609】 投稿者: 2025年問題  (ID:o9eG7lBrpzo) 投稿日時:2018年 09月 01日 01:09

    >基礎研究に関する記述は青木先生の意見ではないですかね。

    すいません。よく読んだら(というか、普通に読んだら)その通りですね。

    >朝長先生については、私はバリバリの血液内科、内科メジャーのど真ん中と思っていました。

    僕は朝長先生のことは存知上げなく、青木先生の話から基礎の先生だと思ってました。
    調べると、長崎大学原爆後障害研究所 原爆・ヒバクシャ医療部門 血液内科学研究分野の三代目教授ということでした。

    >時代が違い、今のように専門医試験だの症例数だのと時間を切って詰められていなかった時代のこと

    1990年~2009年までの教授だったようで、東大理系OBさんのトラウマにある「傲慢な態度」をもった医学部教授であるからではなく、「今とは時代が違う」ことが違和感を持たれる理由の一つだと思います。

    もう一つは、血液内科(それも普通の血液内科ではなく長崎大学原爆後障害研究所の中の血液内科)という特殊性もあると思います。

    血液内科というのは専門性が高い分野で、その道を極めれば極めるほど、将来に開業するのは不向きになると思います。
    また、一般病院勤務としても、循環器や消化器、糖尿病と比べても需要は少ないので、需要の点から考えれば、とても「内科メジャーのど真ん中」ではないように思います。

    そういう事情から、医学生で血液内科に興味があっても将来のことに不安を持つのは仕方のないことですが、自らも被爆者であり、白血病の臨床と研究に一生を捧げられてきた朝長先生からみれば、そのような医学生の態度が歯痒かったんだろうと思います。

  6. 【5101789】 投稿者: 先  (ID:YE8k5l.ld/Y) 投稿日時:2018年 09月 01日 10:05

     血液内科は大変おもしろいですけどね。学問的に。

  7. 【5102550】 投稿者: 桃李  (ID:zMS33au3rlQ) 投稿日時:2018年 09月 02日 01:56

    出張から帰って来たら以前のスレが自然消滅していました。

    私は長大医学部の出身です。私が学生の時は原研内科の教授は市丸道人先生で、朝永万左男先生は助教授でいらっしゃいました。ちなみに初代原研内科の教授は朝永先生のお父様です。

    朝永万左男先生はご自身も被爆者であり、幼い頃から故・永井隆(長崎医大教授)を始めとする多くの被爆者と接してこられたようです。そのためか、臨床・研究・教育に強い情熱を持っておられ、学生にとってはとても印象に残る先生でありました。不勉強な私の質問にも本当に真摯に答えていただいたことを、昨日のことのように思い出します。

    先生は、新人はまずは余計なこと(自分自身のこと)を考えず、目の前の苦しんでいる患者の治療と研究に全力を尽くしなさい、医者のキャリアというものはその先に自然と形成されていくものですよ、ということを言いたかったのではないかと思います。

    >「俺のところに来る学生は、『朝長先生。僕は先生のところに入ったら5年後はどうなってますか。10年後はどうなってますか』としょっちゅう聞く」。彼は「そんな学生は来なくていい。追い返す」<
    ほんとうに先生らしいなあ、と思います。

  8. 【5103474】 投稿者: 東大理系OB  (ID:rECcnnmLOP6) 投稿日時:2018年 09月 02日 23:02

    なるほど。

    子供の一人は、内科系を選ぶなら血液内科、と言って、医局見学や説明会も何回か行きました。研究に関しては、面白いテーマがたくさんありそう、そして、一つの研究のターンアラウンドタイムが短いのでメリハリをつけられそうなところが魅力、とのこと。
    しかし、たまたま当該医局の事情かも知れませんが、余りの医局員同志の競争意識やハードワークに恐れをなし、敬遠してしまいました。本人は外科系にして良かったと言っていますが。。。

    少しずつ若い人の意識も変わり、適切な指導の方法も変わって来ているように思います。

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