まず、そうした基準が学校から正式にアナウンスされて事実はありません。ただ、それに近い内容を学校が考え、それを分かりやすいように数値（偏差値）に落とし込んだ人がおり、その内容が妥当性が高いので広まったのでしょう。

しかし、結論からかけば推薦基準が偏差値60になることはないでしょう。
現在、全統模試の偏差値表で偏差値60となると上智大学相当になります。早稲田は62以上がほとんどなので、若干一般入試合格者の学力より低い程度の学力が必要な状態になります。ただ、もし早稲田佐賀の学生の大半がこの学力を持ち合わせているとなると、上位半分の生徒は一般でも早稲田に合格できる状態であり、それなら旧帝大を目指すようになります。早稲田佐賀は高校入試では地元公立校の併願先として受験されていることも多く、進学実績の大半（早稲田内部進学以外の実績）は彼らによるものです。その彼らはそうした基準関係なしに国公立大を受験します（地方は国立信仰が強いので）。ただ、首都圏から中学から入学するような早稲田の推薦権を得るために大枚はたいている人達からすれば改悪でしかなく、中学受験の偏差値の低さ・内部進学が楽な条件でないと早稲田佐賀を受験する意義がなくなり、首都圏入試の受験生・入学者が激減します。早稲田佐賀としては受験料で大金を稼いでいるので、それを手放すことはしないでしょう。今までも「偏差値50で早稲田佐賀中学に入学して50％の確率で早稲田大学に入学できる」のが強みであり、それを損なうことは学校運営を危うくします。その基準にするとおそらく内部進学率は20％を切るでしょう。上位20％は旧帝大をめざし外部受験、その次の上位20％が早稲田大に内部進学、下位60％はマーチ以下が相場になります。これでもよい方で下手すると5％くらいになる（上位25％が偏差値60以上）かもしれません。

首都圏の早慶の付属校以外も、内部進学率が高いところは、高校生はほぼ勉強しません。ほほ内部進学できるので楽をしようとします。早稲田佐賀で偏差値60を基準にするのは無理です。

まぁ、早稲田佐賀も目指すのは自由なので、そこら辺の小学生が「将来の夢はメジャーリーガーです」と言えるのと同じです。
私の知っている塾にそうした多いな希望を大々的に発表して、達成率ほぼ0％な塾があります。まぁ、その塾は（中学受験）早慶合格のほぼ全数を早稲田佐賀で荒稼ぎし、だれでも早慶に合格できるとHPに書いています（笑）。その塾のトップはかつてHPに「慶應『出身』」と書いていたのにいつのまにか削除、自身の著書にはその記載がなく、またフェイスブックやインスタにの友達に誰も慶應『卒』がいない（笑）。まぁそんな塾に狙われている学校なんですよ、早稲田佐賀って、ある意味かわいそうですよね。

分かりやすく回答いただき有難うございます。たいへん参考になりました。

必須かどうかは別にして、一つの目安として目指すべき指標なのではないでしょうか。
逆に到達しないって大丈夫ですかね。大阪みたいになりますよ？

質の低下は中長期的には推薦の枠を60%に増やしたことに対して大学側から疑義が出てもおかしくないでしょうし、トレードオフとしてあり得る話かと。

むしろ基準に届かない方が淘汰された方が学校運営において健全なのでは？
併願先として多いようですが、旧帝を目指すレベルに過半数を引き上げられるのであれば、自ずとそれ以下のレベル、進学先も上がるので、結果的に九州内における学校の地位は上がり、人気は増すと思われます。

とはいえ、あくまで内部推薦の枠を80%に目指したいという校長の話から推測した、九州における早稲田高校(東大でなく九大かもですが)のような地位を野心的に目指すのではないかという仮説に基づくものであり、結局勉強しないとダメなんじゃないですかね。

ありがとうございます。確かにそのとおりだなぁ…と読ませていただきました。

現在、大学3年（早稲田佐賀10期生）の父兄です。本題の大学の推薦とは直接、関係ありませんがコメントさせて頂きます。うちは、やりたい事があり、首都圏から早稲田佐賀に入学して、運よく推薦でW大に進学して、大学でもやりたい事を継続しております。在学中はコロナ禍で寮がクローズした時期もありましたが当時の先生方のサポートには本当に感謝しております。大学への推薦だけに目がいきがちですが、特に寮生活になる子にとっては、順応性があり寮生活に馴染めるかが大きなポイントです。学校全体で６割以上が寮生を占める中で、寮生活は起床、食事、入浴、勉強、就寝と全て時間が決められています。寮則も細かく決められていて、何度も破ると父兄の呼び出しもあります（親が海外勤務であったり、首都圏に住んでいても関係なく呼び出されます）その後、改善が見られない場合は退寮（退学ではない）にもなります。退寮になると親が唐津まで来て、一緒にアパートなどに住むことになり、誓約書を書いて半年後に復寮になった例もあります。中入生の場合は高1までの４年間は４人部屋なので、自分勝手で順応性のない子供は勉強よりも寮生活で破綻を招く事になります。勿論、対応できる子は６年間（若しくは３年間）で親もびっくりするような成長を遂げます。親にとっても、子離れ出来る良い時期かもしれません。入学に際しては、子供の性格もよく見極めて判断される事をお勧め致します。

実情がよく分かりました。貴重な情報ありがとうございます。

参考になれば幸いです。あと補足情報になりますが6年前（うちは高入生でした）の入寮説明会で言われた寮生活で問題を起こす子の特徴は「本当は佐賀には来たくなかった子」（本人の希望ではなく親に勧められて入学した）を思い出しました。
思春期の少年、少女達が、いきなり、軍隊のような寮生活を送る過程で沢山の困難が待ち受けています。それでも、自分の意思で佐賀に来た子は困難を乗り越えていく確率が高いと思います。安易に「お得な学校」的な側面だけで学校選びをされるとリスクがあるように思えます。