「教育者には教育スキルがない」仮説｜掲示板スレッド

　朝日の夕刊で、卒業式のビデオ騒動についての記事を読みました。
　卒業式の全体像を撮影することが出来るポジションにてビデオ撮影をした、そのビデオを一時預かりにして、そのビデオを見れないと父兄が抗議している旨。

　教育方針であるとか、主義主張とか、東京都の「方針」についての是非は、さておきます。様々な立場がありますから。

　ただ、校長のコメントが、気になります。
　「肖像権、著作権の問題もある。」

　卒業式というものに、果たして著作性が認められるのでしょうか？
　認められていたという過去の判例なり学説なり、そういうのがあるのならばまだいいのですが、まあ、まずないでしょう。
　「卒業式には著作性が認められない」、イコール、「卒業式というものについて著作権を主張することは出来ない」ということです。
　一方、校長は、卒業式の「著作権」を主張しています。
　ですから、この校長の言っていることは、論理的には全くもって誤っています。

　逆に、ビデオ撮影をした人には、その映像記録について明らかに著作権が認められるわけですが、この人は自らの著作物（財産権のうちの一形態ですね）を、校長が掛けた"wait"によって、どうこうすることができない状態にあるわけです。
　つまり、ビデオ撮影者（著作権者）は、財産権の一つの形である著作物を自由に扱うことに関して制限を加えられている形になるのですが、この「制限」の根拠が全く分かりません。少なくとも、「校長」という立場に過ぎない人がそれを「制限」する権限は全くないと思います。

　そうすると、著作権を言い出すのであれば、そもそも校長こそがビデオ撮影者の著作権を侵害していることになるのではないかと。

　このような理屈が分からず（いわゆる「知ったか」）、無防備に「著作権」なんて言い出すというのは、社会的スキルに欠けているように思います。
　訳の分かっていない人が、さも「分かっている」かのように公言し、ブラフを掛ける。
　そのように社会的スキルが欠如している方が校長という職分にあり、高校生を教育している世の中なのですね。

　一般に、高校生の帰宅時間帯の電車の中というのは無法地帯と化していますが、まあ、分かるような気もします。