女性の自立へと導く文京学院の伝統教育

女性の自立へと導く文京学院の伝統教育

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大正13年の創立以来、96年にわたって「誠実・勤勉・仁愛」を校訓に、自立した女性の育成に情熱を傾けてきた文京学院大学女子中学校・高等学校(以下、文京学院)。教育理念に「自立と共生」を掲げ、実現の手段として受け継がれてきた伝統教育に焦点を当てたインタビュー取材から、文京学院の教育姿勢を明らかにしていきます。

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現代にも活かされる伝統教育が目指すところ

文京学院の特色と言える伝統教育の数々について、中3生のお二人と別所由美子先生からお話をうかがいました。

中3生の鈴木さん、大越さん、国語科教諭で中学生徒会指導部主任の別所由美子先生
(左から順に)中3生の鈴木さん、大越さん、国語科教諭で中学生徒会指導部主任の別所由美子先生。

給食(食育)

中学校3年間の給食では、さまざまな食材を味わいながら、食事のマナーを身につけることができます。

給食を食べる生徒たち

鈴木さん:以前は食べ物の好き嫌いが激しかったのですが、みんなと一緒にランチタイムを過ごすことで、少しずつ解消されてきたような気がします。自宅では出てこないような初めてのメニューもあって、とっても楽しいですよ。

大越さん:母から「とても楽で助かる」と言われている給食ですが、考えてみれば毎日の食事を準備するのは大変なことですよね。給食があったことで、母のありがたみを感じられるようになりました。苦手な食材があっても、一口は試してみるようにしています。

別所先生:西京焼きやちゃんちゃん焼きなど、郷土料理を取り入れ、日本の食文化に触れる工夫を採り入れています。また、一汁一菜を食の基本とすることで栄養バランスも意識してもらうことも心がけています。

礼法(茶道・華道)

1か月に1回行われる礼法の時間では、茶道のお点前や生け花による華道を通して、古来から伝わる日本人としての礼儀・作法を学ぶことができます。

茶道を習う生徒たち

鈴木さん:まったく知識が無いところから始めましたが、ようやく手順を理解してきたところです。礼法の時間は、その場にあった言葉遣いや身だしなみなど、新しい気づきを与えてくれました。

大越さん:習い事で日本舞踊を続けてきたので、着物ならではの立ち居振る舞いを活かすことができて嬉しい時間です。祖母の家にいつも花が生けてあったので華道を身近に感じていました。いざ自分がやってみると難しいですね。

別所先生:茶道・華道は器や花に自分を映し込んで気持ちを落ち着かせる精神修養につながります。グローバル化がすすむ社会で活躍する際にも、日本の中で長く育くまれてきた伝統文化の1つとして伝えられる人であってほしいと思います。

運針

1辺80cmの布を織り合わせ、針を用いて糸を通していく運針。高3では、刺し子で布巾を仕上げます。

運針をする生徒のようす

鈴木さん:指ぬきを使って針にだけ集中する朝の運針は、「これから学校での一日が始まるぞ」と気持ちを切り替えることのできる特別な時間になりました。

大越さん:以前は集中できなかったせいか、縫い目を揃えるのが難しかったのですが、今では時間内に、まっすぐ縫い上げることができるようになりました。

別所先生:礼法と同様に、集中力を高める精神修養の一環として採り入れています。高校生3年生では刺し子で布巾を作ります。どんなに元気な生徒もこの時間だけは一針一針縫うことに集中するため教室が静かになります。

ペン習字

文学作品から抜粋した一文など、さまざまな文章を心を込めてしたためるペン習字。丁寧に字を書くことで培われた美しい手書きの文字は、卒業した後にも価値のある一生の財産となっています。

ペン習字をする生徒のようす

鈴木さん:1年間に600枚を目標に、1日3枚を毎日書いてきました。文学史や元素記号等、中学校の学習内容も含まれているため、テストに出たときにはとてもよい成績を取ることができました。

大越さん:集中して、丁寧に書くので、いつの間にか字を書くのがうまくなっていました。元から字を書くことが好きだったのですが、丁寧な字を書くことが習慣付けられたのが嬉しいです。

別所先生:字は自らの心を映し出すと言われています。運針の縫い目のように、字にもまた気持ちの有り様が表れてくることで、今の自分自身を見つめ直すことができるようになります。文学や社会など、あらゆる言葉を集中して書き取るペン習字は、教養に加えて学習効果も見据えた取り組みです。

文京学院ならではの伝統教育 ≫

女子が集う学び舎での学校生活

多様な部活動に打ち込めることでも知られる文京学院での過ごし方についてうかがいました。

学校生活の中で特に頑張っていることを教えてください。

鈴木さん:女子サッカー部があるので文京学院へ入学したのですが、部活動を通して社会のルールやマナーを学ぶことができました。挨拶や先輩・後輩との接し方はもちろん、練習後に授業の復習も欠かさないようにしています。部活では反省点をノートに残し、顧問の先生から返していただいたコメントを読んで次の機会に活かしています。中学校に入学した当初は、サッカー部の友だちと過ごす時間が長かったのですが、今では部活動以外の多くの仲間たちにも囲まれて、充実した毎日を過ごしています。

大越さん:放課後は部活動中心の毎日ですが、成績がよくないと試合に出られないというルールがあるので、ちょっとした時間でも有効活用して勉強するようになりました。毎日の記録をノートに残し、先生からアドバイスをいただいています。新体操の発表会では全体練習を繰り返すのですが、勉強もおろそかにはできないので、朝早くに登校して友達と一緒に勉強をするといった工夫をするようになりました。

新体操部だけでなく、習い事としての日本舞踊も続けてきた大越さん
新体操部だけでなく、習い事としての日本舞踊も続けてきた大越さん。

自分なりに工夫した勉強への取り組み方を教えてください。

大越さん:定期テストで思うような点数が取れなかったことを反省して、前もって勉強時間の計画を立てるようになりました。苦手な教科の勉強量を増やして、英検などの具体的な目標を立てています。

鈴木さん:サッカー部の練習が本当にハードなので、別所先生からは「授業内で理解できるように集中しなさい」とアドバイスをいただきました。中でも英語は、文法中心に復習して、日ごろからテストに備えるように勉強しています。

関東大会出場を目指してサッカー部の練習に打ち込む鈴木さん
関東大会出場を目指してサッカー部の練習に打ち込む鈴木さん。

自分自身で成長したと感じられる点を教えてください。

大越さん:中1の頃と比べて、何事にも集中して取り組めるようになったおかげで勉強時間も増えました。友だちとの会話でも、相手の気持ちに立って話すことができるようになったと感じています。また、文化祭などで発表する機会がありましたが、みんなの前で意見を発表できることが嬉しいです。逆に、友達の発表をみて学ぶことも多いんだと気づけるようになってきましたね。

鈴木さん:場所や機会に応じたコミュニケーションが取れるようになってきました。全員で力を合わせて行事に参加する楽しさも知ることができました。学校生活を楽しく過ごすために、私自身がみんなを引っ張っていける存在になりたいと考えています。

先生の視点から生徒はどのように映っていますか。

別所先生:入学当初から見守ってきましたが、どこで自分の殻を破れるかを楽しみにしています。部活動に一生懸命で、毎日をふり返る余裕もない日々が続いてきましたが、コロナウイルスによる休校期間で部活動も中止になったことが、自分で毎日をどのようにすごすか、考えるきっかけになったように思います。3年後の大学進学に向けて、具体的に希望を言えるようになったのは大きな成長で、嬉しく思っています。

男子顔負けの女子サッカー部 ≫ 新たな表現に挑戦した新体操部 ≫

編集者から見たポイント

新型ウイルスによる休校期間に振り回されてきた教育現場では、生徒による自主的な学び方が実践できていたかどうかで、学校の真価が問われることになりました。文京学院の生徒たちは、人生の指標となる伝統教育や部活動の仲間たちが支えとなり、無事に2020年を乗り切ることができているようです。安心して通わせることのできる女子中高一貫校として、文京学院の今後に注目していただきたいと思います。

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