創意工夫が活かされた国際交流教育の現状

創意工夫が活かされた国際交流教育の現状

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2020年度から続くコロナ禍によって、多くの学習行事を中止せざるを得なかった状況にもかかわらず、日本大学豊山女子中学校・高等学校(以下、豊山女子)では代わりとなるアイデアを取り入れながら、生徒の学びを止めない創意工夫がなされています。その最前線となる教育現場の様子をご紹介します。

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大成功を収めた初の試み「イングリッシュキャンプ」

中学生の時点で重点を置いている英語学習の現状を中心に、中2学年主任・保健体育教諭の小島勝利先生からお話しいただきました。

中2学年主任・保健体育教諭の小島勝利先生
中2学年主任・保健体育教諭の小島勝利先生

インターエデュ(以下、エデュ):校外で行われてきた学習行事に変化があったそうですね。

小島先生:保護者の皆さまから大きな期待を寄せられていたブリティッシュヒルズでの英語研修が、2020年度・2021年度と立て続けに中止となりました。そのため、代替行事としてさまざまな国から来日した留学生と対面での交流を図る「イングリッシュキャンプ」を中2学年全体で初めて実施しました。英語に親しみを感じてもらうことを目的としたこのプログラムでは、校内に留学生を招くにあたって、密を避けるために感染症対策を徹底しました。結果から述べると、ブリティッシュヒルズは宿泊行事として生徒間の懇親を深めたり、買い物や食事から文化を学ぶという要素が含まれますが、通いなれた校舎で実施したイングリッシュキャンプも英会話に特化することができた素晴らしいものとなりました。

ブリティッシュヒルズの代替行事となったイングリッシュキャンプ
ブリティッシュヒルズの代替行事となったイングリッシュキャンプ
さまざまな国からの留学生と進めるグループワークの様子
さまざまな国からの留学生と進めるグループワークの様子

小島先生:初日は全体司会者の進行にしたがって、グループごとに留学生と英語のみを使った自己紹介や出身国についてのクイズといったレクリエーションを始めました。生徒たちは、初めて聞いた国名やさまざまな宗教・文化的背景を持つ留学生の皆さんとの会話から、語学としての英会話を越えたコミュニケーションの大切さを知ることができました。さらに2日目の活動にも取り組むなかで、普段の授業中では気づかなかった仲間の積極的な姿を見て、大いに刺激を受けたという生徒たちの声を聞けました。当日の活動が終わる頃には生徒たちの緊張も解け、みんなが一緒に参加しているという良い雰囲気ができていました。

小島先生:2日間にわたったプログラムを終えた2か月後、イングリッシュキャンプで来校した留学生の皆さんからのサプライズ企画としてメッセージブックが届きました。そこには、プログラムの話題に上った出来事や生徒への励ましの言葉が書かれており、当日の取り組みを思い出した生徒たちの喜びもひとしおだったと思います。今では英語に対して高まったモチベーションを維持しつつ、ネイティブ教員との英会話に参加したり、定期的な英単語テストなどを実施しているところです。

計31名の留学生によるメッセージブックが到着
計31名の留学生によるメッセージブックが到着
プログラム当日の様子が思い浮かぶような内容です
プログラム当日の様子が思い浮かぶような内容です

エデュ:実りある行事となったようですね。中学生全体での英語スピーチコンテストは実施されましたか。

小島先生:普段ならば体育館に集合して行うはずでしたが、昨年度は発表者のスピーチを各教室のモニターに配信する形で実施しました。学年ごとに選抜された生徒が代表者としてスピーチする内容は2つに分かれており、同じ課題を読み上げるスピーキング要素が強いものと、各自が考えた文章を話すというものです。もちろん学年によってレベル感は異なりますが、基本的には英語の授業で習った単語を使っているので、どの生徒にとっても理解できる内容となっています。帰国生として海外体験がある生徒もスピーチに参加しているので、なかなか聞きごたえがありますよ。校長をはじめ、英語科やネイティブの教員が優秀者に投票して表彰されるので、参加する全生徒にとって有意義な学習行事となっています。

エデュ:ほかにも英語関連の取り組みをお聞かせください。

小島先生:シェーン英会話による校内英会話教室はこれまでの対面形式からオンライン形式に代わりましたが、生徒たちからは「やって良かった」という声が寄せられています。2020年度から本格始動したタブレットの活用が下地となって、効率的な授業が可能となりました。校内でもネイティブ教員との会話時間を設けましたので、お昼休みと放課後には身振り手振りを交えながらもコミュケーションを取ろうと懸命な生徒たちの姿が見られます。英会話に限らず苦手意識を克服しようとすることは、これからの学習姿勢に深くつながっていきます。

従来から実施されてきた国際交流教育 ≫

実際に参加した生徒たちの声

英語部に所属するお二人から、イングリッシュキャンプなどの取り組みをふり返ってもらいました。

T.SさんとK.Mさん
レクリエーションが楽しかったというT.Sさん(左)と、初めて知ったインドネシアの食事に興味を持ったK.Mさん(右)

エデュ:7月に参加したイングリッシュキャンプは楽しめましたか。

T.Sさん:ネイティブの先生方との英会話が好きなので、コミュニケーションに自信があったのですが、やっぱり初めの自己紹介では緊張しました。ジェスチャーゲームやインドネシアのダンスを教えてもらったことをよく覚えています。自分が留学生の立場になって、英語で現地の紹介をしようという内容では、絵を描いたりして考えを伝えるのにとても苦労しました。

K.Mさん:バリ島の名前は聞いたことがあるのですが、現地を知る方から直接教えてもらって初めて知ることがたくさんありました。食べ物にも甘かったり辛かったりと、いろいろあるのが特に面白かったです。学校にあるものを何でも英単語に書きだして、その数を競い合うゲームにも取り組みました。帰宅後に家族と当日の話をして、とても盛り上がったんですよ。

エデュ:楽しく過ごせた様子が目に浮かびます。英語スピーチコンテストやオンライン授業のふり返りを教えてください。

T.Sさん:スピーチの際には聞く人の英語力によって真意が伝わらないこともあって大変ですが、諦めずにジェスチャーなどで伝えようとする努力が大切だと考えています。お互いが話し合うことでいろんな人の考え方に触れられるのが英語の魅力なので、もっと勉強を続けていきたいと思います。
オンライン授業の良さは、普段は通学している時間帯を勉強に使える点です。普通に通学できるようになるので、ネイティブの先生方との英会話でスキルを磨き、海外でも会話を楽しみたいです。

K.Mさん:私の場合は、オンライン授業では周りの様子が分からないので、授業中の質問に回答する時間の配分が難しかったです。ただし、英語の授業だったらしっかり話して進める必要があるので、やって良かったと思っています。英語は聞き取るだけでなく話しかけて会話が成り立つので、もっと実践が必要だと感じています。

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編集者から見たポイント

小島先生のお話には、体育の授業をオンラインで実施した際には生徒の家庭環境・通信環境にまで気を配ったり、クラスメイトとの交流が少ない中2生への面談で友人関係のサポートを重視してきたというエピソードもありました。行事だけでなく日々の授業や意思疎通にまで行き届く細やかな指導が目立った取材となりました。来校形式・オンライン形式それぞれで学校説明会や授業見学ツアーに参加することができますので、豊山女子の魅力を直接確かめてみてはいかがでしょうか。

イベント名 実施日時
秋桜祭(文化祭) 2021年10月30日(土)・31日(日) 9:00~15:00
中学校土曜見学会 2021年11月6日(土) 10:00~
中学校土曜見学会 2021年11月13日(土) 10:00~
中学校説明会 2021年11月21日(日) 10:00~
池袋ミニ説明会(中・高共通) 2021年11月26日(金) 18:15~
中学校土曜見学会 2021年11月27日(土) 10:00~
2教科プレテスト(国・算) 2021年12月11日(土) 10:00~
中学校説明会 2022年1月8日(土) 10:00~
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