日本最高峰の東京大学を擁する国内有数の文教地区として、多くの有名校が集まる東京都文京区。このエリアは、わが子を名門校へ通わせるために引っ越してくるご家庭が多数いるほどの人気を呈しています。その西端に位置する護国寺には、医学部への進学実績を積み重ねてきた「獨協中学校・高等学校(以下、獨協)」と、全国レベルの部活動と付属校トップクラスの進学実績で名を轟かせる「日本大学豊山高等学校・中学校(以下、日大豊山)」が互いの膝を突き合わせるほどの距離で睨みをきかせています。指導の最前線に立つ各校の先生方が三本勝負で雌雄を決する特別企画を開催しました。男子校の魅力を存分に堪能できる対談内容にご注目ください。
先生方のプロフィール
八鍬健人先生
高校バスケットボール部 兼 生物部顧問・理科教諭
柳本博先生
演劇部顧問・国語科教諭
日大豊山はインターハイ連覇を継続中の水泳部を筆頭に、たくさんの部活動で全国トップレベルの成績を挙げていますよ。厳しい試合を勝ち進むためには、技術の鍛錬だけでなく身体の育成も大事になりますが、本校にはトレーニングジムがあり、選手育成に欠かせない施設として生徒から大人気です。
私は数少ない男子校演劇部の顧問を務めていますが、東京私立中高演劇発表会(TOKYOドラマフェスタ)やさまざまな大会で優秀賞を受賞してきました。完全にオリジナル脚本の演劇ですが、男子校で過ごす毎日も何が起こるか分からないドラマのようなものですね。とにかく人前で元気よく、大声で目を見ながら話すことが大事だと指導しています。
男子バスケ部は全国大会入賞を目標に掲げており、2019年度は東京支部大会で優勝を果たし、中学バスケ部も全国大会で優勝しています。全国のトップ校と交流試合を含めたサマーキャンプを行っているのですが、各都道府県の高校生が一堂に会して交流する場にもなっており、こうして参加できるのも日大OBで活躍するプロ選手陣のネットワークのおかげだと感謝しています。
部活動の真の良さは、自分が出来ることと出来ないことを体感しながら、教師からではなく、仲間同士で教え合いながら経験値を得る貴重な機会となる点でしょうね。
そうですね。学校は社会の縮図のようなもので、上下関係やマナーを教わります。文武両道は大切ですが、部活動を卒業した途端に成績が下がる生徒がいるくらい、学校生活の中でモチベーションを高く保てる欠かせない要素ですね。
流した汗と涙の価値は計れません。したがって…
先生方のプロフィール
青木智宏先生
理科部 兼 生物部顧問・理科教諭
宇津木保則先生
天文学部 兼 放送委員顧問・数学科教諭
現代の男子はオンライン系のスマホゲームに夢中になっているのが当たり前のようです。天気の話をするかのように、共通の話題で挨拶しながら仲を深めています。マニア要素の強い活動の例を挙げると、鉄道研究部に所属する生徒たちは、時刻表や鉄道車両の写真撮影から発車ベルの音に至るまで、趣味嗜好が細分化されています。当然、彼らは趣味の深さ同様に個性的ですが、そんな彼らの姿に触発されて私自身がドローン操縦の資格を取ったほどです。
部活動と授業のようすがまるで変わってしまい、簡単に人格を切り替えられるのではないかと思うこともしばしばです。自分の趣味の範疇に入ると、まるで目の輝きが変わっていくんですよ。私はカマキリ収集が趣味で、生徒たちから話題を振られることもあるのですが、顧問を務める生物部のメンバー内でもそれぞれの分野が異なり、なかにはメスのクワガタが好きでたまらないといった生徒もいましたが、無事に進学出来て本当に安心しました。
天文部では星空観望会だけでなく流星の電波観測を計画していますが、他校ではなかなか機会が無いでしょう。ほかにも、中1から数学の確率論を調べていた生徒がおり、東京理科大に通い詰めてひたすらレポート作成に勤しんでいました。中3で取り組む研究論文のテーマが、3年後の進学先に直結している生徒がたくさんいますね。男子ならではのひたむきさが学びに活かされた好例だと思います。
同じ東京理科大つながりで言えば、スペースデブリの除去に関する研究に熱をあげている生徒がいました。こういった生徒は学校のテストでも得意分野でずば抜けた成績を見せてくれます。男子校の良さは、自分自身をさらけ出して生きていけるところでしょう。先生方も少なからず同じようなマニア要素を持っているはずなので、興味のあることを身近な先生にぶつけてみれば、必ず返ってくるものがあるはずですよ。
趣味を究めると男子の世界は無限に広がります!
先生方のプロフィール
上沢花子先生
広報部・国語科教諭
鈴木佑麻先生
進路指導部・理科教諭
獨協には、素直な性格で何でも自分で試してみようという意欲ある生徒が多いですね。今年のオンライン文化祭は初めての試みですが私たちが指示をするのではなく、どんな企画が実現できるのかを手探りで考え、形にしていっています。学習も同様に、学年の近い仲間同士で励まし合いながら気持ちを高めていくことが大事なポイントになります。細かい指示を出すのではなく学年や仲間との一体感を感じると、男子は一気に伸びるので、その雰囲気作りをクラス運営や学年の進路指導で心掛けています。
私も含めて、日大豊山の先生はどんな生徒にも手をかけながら本人の心の糧になる一声をかけるようにしています。ほんの小さなことにも、その一声があるだけで、彼らも出来ないなりに努力するように変わっていくんですよ。入学者数の多い学校ですから、当初は友だちとの距離感が測れない場合もありますが、その経験をバネにしながら学年が上がっていくたびに強さを身につける生徒の成長が見られることは、私たちにとって他に代えられない喜びです。
まったくその通りですね。中学の学級担任を9年間続けてきて、数多くの生徒たちを見てきました。一人ひとりの個性があるので、結局は毎年の試行錯誤を繰り返していますが、「このクラスで良かった」「居心地の良いクラス」と言ってもらえるような安心・安全を感じられる学級づくりを心がけています。教室という安全地帯があって、それが確保されているからこそ様々な物事に挑戦したり学習に励んだりできるはずだからです。学級担任として、クラスが安全地帯になるよう、彼らに目を配っています。
まずは身だしなみを整え、周囲から求められる基準を教えて大人の社会に出る備えを徹底させています。さらには関わる人たちへの感謝の心を忘れないように声掛けしています。自分自身で考えてやらなければいけない物事に気づき、きちんと行動できるようになるまで、マイペースな男子にも理解できるように詳しく指導していますが、そこはやっぱり男子でしょうか、クラスメイトがお互いに競争心を持つようになったタイミングで一人前の男に変わっていきますね。多くの生徒が好きなことをやり通す中でも、社会性を身につけたことを感じられた瞬間こそ、見守ってきた思いが報われます。
生徒への思いは母の愛情と同様に深いのです。
進学先の傾向や細かな特色は違えども、両校共に同じ護国寺駅(東京メトロ有楽町線)を利用する男子校として、その根底にある教育への思いや生徒の多様性には数多くの共通項を見ることが出来ました。今回の護国寺合戦は引き分けの判定となりましたが、皆さんはいかがだったでしょうか。男子教育のプロが指導してくれる男子校は、保護者のみなさまにとっても十分すぎるほどの安心感がありますね。お時間があれば両校を往復できる距離ですから、都心に溢れる緑を見てまわるような軽い気持ちで、学校の周辺を散策してみてはいかがでしょうか。
中学校
学校説明会
第1回
2020年10月11日(日) 13:00~受付13:30~15:30
第2回
2020年11月15日(日) 13:00~受付13:30~15:30
入試説明会[要予約]
第1回
2020年11月28日(土) 13:30~受付14:00~16:00
第2回
2020年12月19日(土) 13:30~受付14:00~16:00
高等学校
入試説明会[要予約]
第1回
2020年11月15日(日) 9:30~受付10:00~12:00
第2回
2020年12月12日(土) 13:30~受付14:00~16:00
個別説明会
2020年12月15日(火) 8:30~受付9:00~14:00
中高共通
授業参観デー・入試ミニ説明会(中学校・高等学校)
2020年11月7日(土) 8:00~受付8:30~13:00
豊山祭(中学校・高等学校)
2020年10月31日(土)・11月1日(日)9:00~16:00
学校説明会
第1回
2020年10月11日(日)10:00~12:00
第2回
2020年11月8日(日)13:30~15:30
第3回
2020年12月20日(日)11:30~12:30
第4回
2021年1月17日(日)10:30~12:00
入試問題説明会
2020年12月20日(日)10:00~11:15
企画・編集:インターエデュ・ドットコム
提供・取材協力:獨協中学校・高等学校/日本大学豊山高等学校・中学校
獨協には文化系で独自の活動で評価を得ている部活動や委員会が自慢です。緑のネットワーク委員会は、校舎敷地内にあるビオトープで蛍を飼育して、夜間の見学会で保護者の皆さんにお披露目する機会があるんです。この委員会では、近隣の小学校で生きもの飼育をアドバイスするなど、地域を巻き込んだ活動をして生徒の見識を広めています。