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京華×豊山×獨協 文京区男子校 3校合同対談

inter-edu’s eye

6月が近づき、中学受験をするご家庭にとって学校選びが本格化するシーズンとなりました。偏差値や進学率に気を取られがちですが、6年間を過ごす環境もまた大切なポイントです。そこで、区が自らを「文の京」とPRするほど多くの教育機関がある文京区にスポットを当て、区内の男子校による3校合同対談を実施しました。小石川後楽園があることで知られる文京区には寺社も多く、学問の神様・湯島天満宮では梅まつり、根津神社ではつつじまつりが開催されるなど、四季の移り変わりを各所で感じられます。こうした環境にある学校で生徒がどのように成長するのか、先生と生徒の対談から探っていきます。

合同対談参加校:京華中学・高等学校(以下、京華)、日本大学豊山高等学校・中学校(以下、豊山)、獨協中学校・高等学校(以下、獨協)

<3校合同対談・先生編>目と心は離さない 男子を育てる6年間

対談のために初めて顔を会わせた先生方が、教育現場で感じている共通の熱い思いを語り合いました。

三上先生・上沢先生・鈴木先生

三上沙織先生

昨年度は初担任として高2を担当。陸上部顧問

上沢花子先生

中1~高2までの担任を経験。文芸部・演劇部顧問

鈴木佑麻先生

中学校の担任を多く務める。ソフトテニス部・奇術同好会顧問。神奈川の男子校、浅野中学・高等学校出身

文京区という環境

先生方は“文京区にある学校”の利点を感じることはありますか。

三上先生・上沢先生・鈴木先生
三上先生
三上先生

学校がたくさんある文京区では、住んでいる方の子どもへの眼差しが優しく、学校への理解があると感じます。京華では最寄り駅からの通学路に商店街があるので、地域の目に守られて中学生でも安心して通えますよ。

上沢先生
上沢先生

アクセスのよさも外せません。

鈴木先生
鈴木先生

確かに千葉や埼玉の各所から生徒が通っていますね。

上沢先生
上沢先生

電車の使い勝手がいいので、遠方では秩父や本庄、宇都宮、横須賀から生徒が通っています。休日には生徒たちが遠方に住む友だちの地元に遊びに行き、教師に「あいつの地元、田んぼがたくさんあったよ!」と教えてくれるんですよ。さまざまな地域に住む子どもが学校に集まることで、生徒は遊びに行く場所を増やし、各地域のよさや言葉の違いを知る。多感な時期に見聞を広める機会を多分に得ていると思います。

先生が胸を張る「うちの学校、ここがすごいよ!」

文京区のよさに続いて、皆さんの学校のよさを教えてください。

鈴木先生
鈴木先生

獨協は「文化祭での在校生の対応がよかった」「先生と生徒の距離が近い」とよく言われます。ほかには高3のクラス編成でしょうか。高3は成績に関係なく、国公立・早慶・GMARCHへの志望大学別でクラスを分けるため、これまで順調に勉強を進めてきた生徒とこれからエンジンをかける生徒が同じ教室で学びます。医学部を目指す生徒を間近で見て、目標を高く掲げるような良い刺激を受ける生徒もいます。

上沢先生
上沢先生

豊山に多様性をもたらす生徒の多さですね。1学年の生徒数は中学校240人、高校500人です。大人数だからこそ生徒は出会いを重ね、もまれて強くなり、学校のどこかに自分の居場所を見つけられる。受験生の保護者から「おとなしい性格の子でもやっていけますか」と相談を受けることがありますが、そういう生徒もしっかりクラスになじんで楽しんでいますよ。

三上先生
三上先生

京華は「面倒見がいい」と評価していただくことが多いですね。勉強が苦手な生徒には机に向かうところから指導しますし、小学校の延長のような感じで手取り足取り指導していきます。

鈴木先生
鈴木先生

教師側の話ですが、獨協では主任と担任は学年持ち上がりで、加えて学年会議の時間が毎週確保されています。そのため担当学年の情報を常に共有でき、生徒一人ひとりに目が行き届きます。だから生徒と話をすると「先生、もうそんなことまで知っているの?」と驚かれますよ。

三上先生
三上先生

中学校では教師がしっかり面倒を見ますが、高校では変わりますよね。

鈴木先生
鈴木先生

「手をかけない。でも目と心は離さない」というスタンスになりますね。

鈴木先生

女性教師と男子生徒

世のお母さま方は思春期を迎えた息子の変化に不安や戸惑いを感じています。思春期ど真ん中の中高生を相手に、女性であり男子教育のプロでもある上沢先生や三上先生はどう向き合っているのでしょうか。

三上先生・上沢先生
上沢先生
上沢先生

今の仕事に就いてから、男女の違いを知るために心理学や脳科学の本を読むようになりました。

三上先生
三上先生

私も同じです!

上沢先生
上沢先生

男と女は脳のメカニズムからして違うわけですから、自分の感覚で一方的に生徒に接しないように心がけています。

三上先生
三上先生

自分が思う以上に冷静に話すようにしています。男子校では、こちらが予想できる範囲のさらに斜め上の出来事が毎日必ず起こるんです。そうしたときは自分の価値観は引っ込めて、たとえ生徒が100パーセント悪かろうと「どうしてこうなったの?」と耳を傾ける。それから話をするようにしています。

上沢先生
上沢先生

女子は、先生に注意された子が「あの先生嫌い」と言うと、「分かる。なんかむかつくよね」と相手に共感してネットワークができていくのに対し、男子は叱られた仲間に「それはお前が悪い」と、大局を見て自分が正しいと思うことをするんです。そして、謝罪に行く仲間のために一緒に職員室まで付き添ってあげたりする。

三上先生
三上先生

男子って優しいんですよね。

鈴木先生
鈴木先生

男には「なんかむかつく」の“なんか”がないんです。むしろ「“なんか”って何だ?」という感じ。

上沢先生
上沢先生

ほかにも心がけているのは、何があっても最初は心配すること。授業中に寝ている生徒がいたら、たとえ深夜にサッカーの日本戦があって生徒が観ていたことを知っていても「具合が悪いの?」と聞きます。「具合が悪くないなら寝不足かな? うん、うん…いい試合だったな」となるわけですが。

鈴木先生
鈴木先生

少し話は変わりますが、獨協の女性教師も、自宅での会話がないとお母さまが嘆く生徒ほど学校でよく話していると言っています。男子校に入学させるのが心配だという声には、『ギザギザだった石がぶつかり合って丸くなるように、生徒は集団生活の中でいろんなことを経験して成長する』という例え話を返していましたね。

三上先生

女性教師の強みは“母親への共感”

男性教師を羨ましく思うことはありますか。

三上先生
三上先生

どうしても女性が入れない領域があって、そこにすっと入っていけるところが羨ましいですね。

鈴木先生
鈴木先生

たとえ母親でも知りえない世界が男子にはあるんですよ。

上沢先生
上沢先生

だからこそ、私たちは母親の気持ちに共感できる。「大変ですよね、分かります」と言えるんです。

三上先生
三上先生

そこが私たちの強みですよね。説明会では来場者に「どんなところが不安ですか?」と積極的に声をかけるようにしていて、「そういうことありますよね」と共感すると、「男子校にいる先生の印象が変わった」と言われたりします。漫画やドラマが作り上げたひと昔前のイメージが根強く残っているようですが…そんなことないですから!

上沢先生
上沢先生

説明会では男子校に抵抗のある方もいらっしゃいますが、「男子生徒って優しいんですよ。きっと息子さんもそうですよね?」と聞くと、皆さん首を縦に振ります。だから、「男子校では息子さんの優しさが歪むことなく、まっすぐなままで6年間成長することができますよ」と伝えています。

男子校ご出身の鈴木先生は、長い目で見て、男子校で過ごす意義をどう感じていますか。

鈴木先生
鈴木先生

個人的には大学時代の仲間より、中高の仲間との結びつきのほうが強いですね。中1のときのクラスメイト7人とは今も付き合いがあり、一緒に海外に行ったり、互いの結婚を祝ったりしています。人間関係をトライアル&エラーできるのが学校で、その中で男子が素を出せるのが男子校。自分らしくいられる環境で中高6年間を過ごすことで、一個人を支えるしっかりとした土台ができると思います。生徒は在学中、必ず「来るところを間違えた」「俺の黒歴史」なんて言いますが、同じことを言うOBにはまず出会いません。ですから、卒業生が感じる男子校の満足度の高さを広く知っていただきたいですね。

上沢先生

<3校合同対談・生徒編>男子校は永遠の友だちができる場所

生徒対談には高2・3生が登場。
中高6年間の折り返し地点を過ぎた彼らに、男子校についての質問を投げかけ、語り合ってもらいます。

京華
齋藤貴宏くん

高2。理科部。KSN入試広報チーム統括長高校代表。埼玉県在住
入学のきっかけ
電車通学にあこがれがあった。親から男子校を薦められ、併願校も豊山や京北(現・東洋大学京北中学高等学校)など男子校だった。

豊山
須田浩仁くん

高3特進クラス。水泳部・書道部。埼玉県在住
入学のきっかけ
齋藤くんと同じく、電車通学と東京の学校にあこがれていたから。共学志望だったけど、豊山の文化祭に行ったら面白さのレベルがほかの学校とは段違いだったので、この学校は楽しそうだと思った。

獨協
加世田敦くん

高3。軽音楽部と生徒会に所属。獨協祭実行委員会委員長。東京都在住
入学のきっかけ
叔父の母校だったし、文化祭での生徒の一体感に惹かれた。男子校に通う兄から『女子はいないけど男子校はとにかく楽しい』と薦められた。

齋藤くん・須田くん・加世田くん

実際のところ、男子校生活はどうですか?

須田くん・加世田くん
加世田くん
加世田くん

中学生のときは「青春したいな。共学行くべきだったな」と後悔したね。でも今はのびのびできる男子校の居心地のよさを満喫している。

齋藤くん
齋藤くん

豊山に来たとき、学校の雰囲気が明るくて賑わいがあるなと思った。京華でも中学生は特に元気で。
女子がいなくて格好つけなくていいからずっと元気でいられるのかも。

須田くん
須田くん

共学校の話と比べると、男子校の生徒ってものすごく仲がいいんだなと思う。中学から今まで、学校でいじめの存在を感じたことがないし。

加世田くん
加世田くん
加世田くん

友だちをちょっといじることはあっても、そこから発展しないよね。

須田くん
須田くん

みんなストレートに話すから。

齋藤くん
齋藤くん

うん。直球だから、ねちねちと後に引かない。その場その場で解決して、中学校を卒業する頃にはみんな仲良くなってる。

須田くん
須田くん

分かる。男子校だと自分をさらけ出せるから、心通う仲間ができて、永遠の友と呼べるような相手に出会えるよね。

勉強について教えてください。

齋藤くん
齋藤くん
齋藤くん

生徒の教え合いが日常の風景にあって、成績上位の生徒が勉強の苦手な生徒を助けている。いつも先生が「ライバルと競うことは大切。でも、できる生徒がそうでない生徒をバックアップすることで全体がよくなる」と言っているから。

加世田くん
加世田くん

獨協でも医学部を目指して勉強している生徒が、クラスメイトに勉強を教えていたりする。あと、テスト前になると「俺はお前に勝つし、学年1位狙ってやるよ」と友だち同士で点数を競い合うんだ。僕はこの競い合いで成績を伸ばせたよ。

須田くん
須田くん

先生のサポートが手厚くて、解けない問題があれば2時間でも3時間でも付き合って教えてくれる。勉強が苦手な生徒には積極的に声をかけてくれるし。

齋藤くん
齋藤くん

男子校の先生って教科に限らず熱意がある。女性の先生はハートが強くて男前だし。あと、やたらマニアックな先生がいるよね?

須田くん
須田くん
加世田くん
加世田くん

いるいる!!

熱中して取り組んでいることはありますか?

齋藤くん
齋藤くん
齋藤くん

中3のときから参加している校外プロジェクトの活動。
地方創生プロジェクトで、ある地域が抱えている問題について考察して、政策提言として役所に持っていき、採用されたら実際にやってもらえるんだ。中3で特別賞を受賞して活動にはまって、高1では最優秀賞と事務局賞を取ったよ。

加世田くん
加世田くん

すごいね。僕は部活動かな。軽音部で、担当はギターとボーカル。

齋藤くん
齋藤くん
須田くん
須田くん

格好いい~。

須田くん
加世田くん
加世田くん

でも見てくれる女子がいないという…。だから男子校の軽音部ではとことん音や楽器と向き合える!中1で入部すればすごく上達するよ。

須田くん
須田くん

僕は水泳部。学校にあるウエイトルームはいつでも使えるから、休み時間とか暇さえあれば利用しているんだ。

齋藤くん
齋藤くん
加世田くん
加世田くん

それもすごい。

将来の夢や目標について教えてください。

加世田くん
加世田くん

早稲田大学に現役合格。

須田くん・齋藤くん
須田くん
須田くん

僕はパイロット。だから目標は専門の学部がある他大学への進学を考えてる。

齋藤くん
齋藤くん

地方創生プロジェクトでの経験を活かしたい。たとえば旅行代理店に勤めて、営業マンとして京華と仕事をするとか。同じクラスの友達は先生になって学校に戻ってくると言っているし。
そんなふうに大人になって学校に貢献できたらいいなと思う。

<男子校のOB、在校生の保護者にも会える!>東京男子中学校フェスタ

「どうすれば男子校のOBに会えるの?」というお母さま方には、6月9日(日)に開催される「東京私立男子中学校フェスタ」をお薦めします。都内21の男子校が集まるイベントで、在校生や先生だけでなく、OBや在校生の保護者までもが参加するところが特長です。素朴な疑問や漠然とした不安などを直接聞くことができ、一度に多数の学校を知ることもできるので、男子児童の学校選びに外せないイベントといえるでしょう。

対談に登場した3校も参加校で、今年は豊山が会場校となります。同時期には、京華にほど近い白山神社で「文京あじさいまつり」(6月8日(土)~16日(日))も開催されます。周囲を散策し、東京大学など教育機関が集積している文京区の雰囲気を感じるのもまた一興かもしれません。

取材協力

〒112-8612 東京都文京区白山5-6-6
TEL:03-3946-4451

〒112-0012 東京都文京区大塚5-40-10
TEL:03-3943-2161

〒112-0014 東京都文京区関口3-8-1
TEL:03-3943-3651

企画・編集:インターエデュ・ドットコム
提供・取材協力:京華中学・高等学校、日本大学豊山高等学校・中学校、獨協中学校・高等学校