タブレットPCが「文房具」になる!? 世界標準のICT先進校

学校改革中の人気校!生徒を刺激する佼成女子は「さらなる高大連携」へ

inter-edu’s eye

全国の教育現場でICTの導入が急がれる中、佼成学園女子中学高等学校(以下、佼成女子)はすでに優れたICT環境を整えています。以前から、ICT教育の先進国に並ぶレベルを目指して、ハード面では機器の配備、ソフト面では多彩なアプリケーションの利用を進めてきました。そうした教育環境は2020年度のコロナ禍を経て、さらに強化されています。教頭の西村準吉先生に詳しくうかがいました。

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ICTを活用した進路指導で総合型選抜が飛躍的に伸長

教頭の西村準吉先生
教頭の西村準吉先生。佼成学園でICT導入を中心になって進めてきました

インターエデュ(以下、エデュ):佼成女子のICT環境をご紹介ください。

西村先生:2018年度からiPadを配備し、現在は全生徒が所持しています。アプリケーションも続々と導入してきました。目標は、「教員と生徒がやりとりする情報の量を増やすこと」「生徒一人ひとりに合った個別最適化された教育を実現すること」です。PowerPointを使用したプレゼンテーションの機会を多く設けたり、Classiで生徒の学習状況を細やかに把握したりして、生徒の雰囲気もさらにアクティブになりました。スタディサプリなどの自学に関するアプリケーションも取り入れていて、英単語学習用のmikanは全国トップレベルの稼働率になっています。

エデュ:そうした教育環境がコロナ禍で挙げた成果を教えてください。

西村先生:多様な遠隔教育を実現できたことです。各教科の授業がスムーズに行えただけに留まらず、進路指導でもオンラインで効果的な取り組みができました。総合型選抜(旧AO入試)対策として、小論文の添削や面接の練習を行い、生徒の学習をサポートするチューターも日常的に相談を受け付けました。こうした取り組みによって総合型選抜による合格実績を飛躍的に伸ばすことができました。

チューターとのやり取りのようす
チューターは佼成女子の卒業生。オンラインでも在校生の進路の悩みにしっかりと向き合いました
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独創性を発揮「先生でも思いつかない活用方法」

エデュ:コロナ禍により、さまざまな活動に制限がかけられた1年でしたが、生徒の学びはいかがでしたか。

西村先生:佼成女子は「オンラインにはオンラインならではの教育活動の設計方法がある」という考えに沿って、新しい学びを作り上げてきました。そのため、制限がある中でも、生徒の主体性をしっかりと引き出せています。その集大成の一つと言えるのが2021年2月に中学1年生~高校2年生が参加した「Presentation Day~知の発展~」でした。

プレゼンテーションのようす
「Presentation Day~知の発展~」でのプレゼンテーション。たくさんの生徒たちに配信されました

この日は生徒が開発した健康状態管理アプリなど、探究学習の成果をオンラインで発表しました。探究学習は生徒が思い思いの研究・調査に取り組むというものですが、強化されたオンライン環境を活かして、教員からマンツーマンで助言する機会が増えたためか、生徒の発表内容も充実したものになりました。

エデュ:オンライン化された教育活動が広がることで、生徒に変化を感じることはありましたか。

西村先生:生徒はICTの活用方法を自ら考え出すようになっています。先ほど述べた「Presentation Day~知の発展~」ではExcelに入力したデータをGoogle Earthに反映するプログラミングを組んで、社会課題に優れた対応をしている国を自動で表示しながら発表した生徒がいました。文化祭でも「VRジェットコースター」や生徒の動きに合わせて動くキャラクターの映像など、教員には思いもよらない出し物がありました。

文化祭の出し物「VRジェットコースター」
文化祭の出し物「VRジェットコースター」。生徒たちのアクティブな雰囲気が伝わります
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カギは「自由」世界標準のICT教育とは

ロイロノート
アプリロイロノートを使った授業では、たくさんの生徒の意見を1度に提示。活発な交流を重ねて、生徒が理解を深めます

エデュ:生徒がICTを有効に使うために大切にしていることは何ですか。

西村先生:生徒にとってICTを「文房具と同じ当たり前な存在」にすることです。そこから効果的な教育活動は始まります。佼成女子ではタブレットPCに関して、使用方法に制限をかけず、必要な機能がある機器の中から生徒が好きなものを選べるようにしています。生徒が発想を広げるには、まずは自由に使ってもらうことが欠かせません。

エデュ:今後、ICT教育に関して取り組みたいことを教えてください。

西村先生:生徒の創造性を伸ばしていきたいと考えています。タブレットPCはグラフィック、動画、音楽などさまざまな表現行為ができるツールです。文章だけで書き表していたことが多彩な形で発信され、さらにほかの生徒がつくったものが融合するというように、可能性が拡張していくことに期待しています。

エデュ:ICTの活用、導入を重視してきた理由を教えてください。

西村先生:日本の学校現場にはまだICTが導入されていなかった2012年、すでにICT教育が進んでいた韓国を視察しました。そこでオンラインの大学の講義や洗練されたデジタル教科書を目の当たりにし、強い危機感を覚えたことがきっかけです。世界標準のICT教育を実現し、生徒がグローバル社会に対応できるように育てたいと考えています。

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「国際教育もオンライン併用」ICT経験が活かせる佼成女子

エデュ:佼成女子の強みを教えてください。

西村先生:英語教育と国際理解教育です。2020年度はスーパーグローバルクラスのイギリスへの海外研修は中止となりましたが、イギリスのロンドン大学によるオンライン授業を実施しました。こうしたグローバル教育の効果をICTでさらに高めていきたいです。

エデュ:受験生へのメッセージをお願いします。

西村先生:佼成女子では、今までICTを使ってきた経験を活かして、さらに高度なことに挑戦できます。ぜひ、楽しみに入学してもらいたいです。

編集者から見たポイント

佼成女子は具体的なデータを基に、学習のつまずきを発見し、生徒一人ひとりに合わせた指導を行っています。そうした「個別最適化」された教育で、お子さまの可能性がグッと広がるでしょう。

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イベント日程

イベント名 日時
第一回学校説明会 2021年6月26日(土)
14:30~16:00
第二回学校説明会 2021年9月18日(土)
14:30~16:00
第三回学校説明会 2021年11月6日(土)
14:30~16:00
イベント日程詳細を見る ≫

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