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昨年から始まった八王子中学校の学校改革「八王子イノベーション」。その中で大きな注目を集めているのが、課題解決力が身につく「探究ゼミ」です。盛り上がりを見せる、2年目を迎えた「探究ゼミ」を密着取材しました。

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さらに充実した2年目の「探究ゼミ」

課題を見つけ、自らの力で精査し発表まで行う「探究ゼミ」。初年度は中1生を対象に、前期は学校所在地である八王子について調べ、後期からは「歴史」や「文学」など5つのゼミに分かれて課題の調査研究を実施しました。2年目に入った「探究ゼミ」はどのように進化したのでしょうか。責任者の冨田先生に話を聞きました。

インターエデュ(以下、エデュ):昨年から変更した点は何かありますか?

冨田先生:2年目となる今年度からは、前期が学年ごと、後期は学年の枠を取り払い、中1生と中2生が一緒にゼミを受けます。そのため、後期のゼミ数も11講座と大幅に増えました。ですが、密度の濃い内容を維持するために、1講座につき15名前後の定員は変えていません。

「探究ゼミ」責任者の冨田先生

「探究ゼミ」責任者の冨田先生

エデュ:学年の枠を外した狙いはなんでしょうか。

冨田先生:昨年の経験がある中2生が後輩にノウハウを伝え、ともに学んでほしいという狙いがあります。また、一緒にゼミを受けることで、個人のいろいろな考えを共有し、議論に発展してほしいという思いもあります。

エデュ:カリキュラムの変更点などがあれば教えてください。

冨田先生:生徒自身が興味のあることを調べ、その内容をまとめたうえで発表するという流れに大きな変更はないのですが、今年度からは調べる前の下準備に特に重点を置いて指導するようにしました。「どうすれば相手に伝わりやすくなるのか」「どの調べ方がより説得力を増すのか」など、十分に事前レクチャーを行ってから調査に入らせています。

「探究ゼミ」講座一覧

エデュ:具体的にどのようなレクチャーをされているのでしょうか?

冨田先生:さまざまな調査方法を提示し、その中から課題に適した方法を生徒が選択するように促しています。また、調査の中で重要視しているのが「現地に足を運び見聞きすること」です。インターネットや本では得られない、リアルな情報を自分の目で確かめる。そうすることで臨場感のある説明となり、具体性のある発表内容になると考えています。

エデュ:ゼミに対する生徒の反応に変化は見られましたか?

冨田先生:いろいろなことに疑問や関心を持つようになったことは成果の一つだと感じています。また、今年度に入りスムーズに調査できるようになっていると思います。中2生は1度経験しているだけあって、調べ方に悩むことなく結論を手際よく出せるようになっていますね。

積極的な議論が交わされる「探究ゼミ」

積極的な議論が交わされる「探究ゼミ」

また、ゼミについてのアンケートを校内で実施したのですが、97%の生徒が「満足している」と回答しました。理由については「グループで調べることや議論することの楽しさ」、「インタビューや発表内容を考える面白さ」を挙げていました。

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「探究ゼミ」が目指すもの

エデュ:「探究ゼミ」によって育てたい生徒像について教えてください。

冨田先生:今置かれている状況を見極め、よりよくするためにどうすればよいかを考え、発信する力を育てたいというのが大きな目的です。あとは、「人格を尊重しよう」「平和を心につちかおう」という八王子学園のモットーも「探究ゼミ」を通して身につけてほしいと思っています。

エデュ:「探究ゼミ」の最終的な目標はなんでしょうか。

冨田先生:最終的には論文を作成し、発表できるようになれたらと考えています。中1で調べ方を学び、中2で発表方法を学ぶ。そして、中3では自分の言葉で文章化することができるようになると良いと思っています。3年間を通して課題解決能力が身につくよう、指導していきたいと考えています。

「探究ゼミ」の最終的な目標とは
生徒に身につけてほしいモットー ≫

楽しい!タメになる!生徒の感想

「歴史」のゼミを受けている中2生の3人に「探究ゼミ」の率直な感想を聞きました。

「文武両道」な学園生活を送る3人

班目広人くん(左):課題を探し、調べるのは大変ですが、発表するのは楽しいです。
山野裕誠くん(中央):好きな講座を選べるので楽しく、得意分野を伸ばせるのでやりがいもあります。
阪下僚太くん(右):調べたい内容を徹底的に調べられるので勉強になります。来年は生物を受講してみたいです。

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編集者が見たポイント

医療問題や環境問題、オリンピック、漫画まで、幅広いテーマが設定されている「探究ゼミ」。先生方の専門分野に応じて講座内容が作られているそうです。15名前後の少人数で行うことを想定しているため、来年はさらに講座数が増えるとのことでした。大学生、社会人になってから大いに役立つ課題解決能力を中学生のうちからじっくり身につけることができるのは、大きな魅力ではないでしょうか。

注目のイベント日程

イベント名 開催日時 備考
入試模擬問題体験&説明会(2科・4科型) 12月17日(日)
10:00~11:30、13:00~14:30
要予約※各100組
入試模擬問題体験&説明会(適性検査型) 12月24日(日)
10:00~11:30
要予約※100組
冬期学校見学会 1月6日(土)
10:00~11:00
要予約※20組
保護者対象直前説明会 1月11日(木)
16:00~17:00
要予約※100組
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