生徒の興味・関心を開拓する“探究ゼミ”

生徒の興味・関心を開拓する“探究ゼミ”

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八王子学園八王子中学・高等学校(以下、八王子学園)は、中学校から東大・医進クラスと一貫特進クラスの学力別クラスに分かれたり、高校で学業・芸術・スポーツと様々な分野に秀でた生徒が集い、刺激し合える環境があるなど、将来に向けた深い学びが得られる学校として知られています。今回は、八王子学園が力を注ぐ、「探究ゼミ」についてご紹介します。

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生徒の探究心と真摯に向き合い、能動的な考え方を育てる

八王子学園の探究ゼミの意義や実際にどのようなことに挑戦しているのか、中学1年生の進路指導部・教務部(中学探究担当)国語科の豊田昴希先生にお話をしていただきました。

「生徒と向き合うときは、生徒がその時々で何を感じながら学び、考えているのかに寄り添うことを大切にしています」と話す豊田先生
「生徒と向き合うときは、生徒がその時々で何を感じながら学び、考えているのかに寄り添うことを大切にしています」と話す豊田先生

インターエデュ(以下、エデュ):八王子学園の探究ゼミには、どのような特色がありますか。

豊田先生:探究ゼミは、前期と後期の2分割制で構成されています。前期には探究スキルを身につけるためのテーマ探究を行い、後期には生徒個々人の興味・関心を見出し伸長するためのゼミ探究を実施しています。

エデュ:前期と後期の探究ゼミの具体的な内容を教えてください。

豊田先生:前期のテーマ探究は、中学1年生が「調査スキルの伸長」、中学2年生が「発表スキルの伸長」、中学3年生が「他者理解の伸長」です。学園祭発表や修学旅行、海外研修とリンクする形で、実践的な学びを深めることができます。
後期の個人探究では、中学校の教員がそれぞれの専門・関心分野のゼミを開設し、専門的な学びの魅力に触れ、興味・関心を突き詰めて究める面白さを体感できるのが大きな特徴ですね。
前期・後期ともに単にテーマについて調べてまとめるのではなく、学園祭での発表や探究発表会にて、探究した内容を他の生徒や教員に発信する機会を設定することで、より良い発表に向け、計画的な探究活動と発信力の伸長も図っています。

エデュ:豊田先生の探究ゼミではどのようなことが学べるのでしょうか。

豊田先生:私の今年度のゼミは、「理想のライフプランを立てよう」がテーマです。私たちはどのような職業やライフイベントなどの活動をし、その活動にはどんな楽しみや支出、社会保障、税金といったリスクとコストがかかるのかについて考えます。普段の生活では、あまり考えないことを改めて見つめ直し、探究するのです。将来の人生設計を考えながら最終的には「人生における幸せとは何か」という理念・概念的なことまで、突き詰めていきますよ。

エデュ:八王子学園の探究ゼミの意義を教えてください。

豊田先生:与えられた環境の中で受動的に関心を持つのではなく、個々人が関心を持ったものを出発点として、自ら主体的に考え突き詰める経験することで、能動的に新たな興味・関心・分野を開拓していく。そういった力を伸ばすことが、探究ゼミの一番の意義ですね。

エデュ:探究ゼミの生徒指導で大切にしていることは何ですか。

豊田先生:生徒の興味・関心の芽を摘まないことです。活動計画から脱線しても構わないので、活動中に生徒が関心を示したことがあれば全員で立ち止まり、掘り下げるようにしています。同時に、生徒が関心を持てる機会・事項をできるだけ多く提供できるよう、ゼミテーマに関する最新の話題や、生徒の関心分野との接点になりそうな事項を常に探して提示できるよう心がけています。

エデュ:探究ゼミでの目標意識や課題意識について教えてください。

豊田先生:目まぐるしく変化する今日の社会において、与えられた環境でタスクをただ受動的にこなす人材は、遠くない将来、AIやロボットなどに労働を奪われてしまうかもしれません。他人に言われるがまま、物事を行う人生は幸せといえるのでしょうか。このような課題意識から、生徒には自身の関心や課題意識を出発点として物事を突き詰める、すなわち、自身の力と思考で、楽しみや活躍の場を開拓する力を身につけてほしいと考えています。

エデュ:生徒は探究ゼミでどのようなことを学べると思いますか。

豊田先生:探究ゼミでは、「興味・関心は尽きない。学びは無限に続けられる」ことを学べます。与えられた学びは、学習内容や時間が定められがちですが、探究には終わりがありません。この感覚を身につければ、従来の受動的な学びも主体的な学びの手段の一貫として再構築され、主体的で探究的な学びが習慣化されるのです。

中学3年間を通した探究ゼミのプログラムはこちら ≫

他学年との交流が楽しい! 自分自身の成長も感じられる

中学3年生の沖田葵さんに、探究ゼミの魅力についてアンケートでお答えいただきました。

沖田葵さん
探究ゼミの魅力は、他学年と関わりながら互いに切磋琢磨して課題に取り組めることだと思います。私は、「マスクとコミュニケーションの関係」というテーマを扱う探究ゼミに所属しているので、「マスクをつけたまま表情を作り、感情がどれだけ相手に伝わるのか」という実験を行っています。探究ゼミでは、たくさんの人の考えに触れることができるので、いつも新たな発見があって面白いです。他学年の生徒との交流では、会話や作業がスムーズにいかない場面もありますが、率先して笑顔で話しかけるように心がけています。みんなでテーマについて突き詰めて考えながらも、自分自身で深く考え、調べる力を磨けるのは大きな成長につながっていると感じます。今後はより分かりやすいプレゼンテーションの方法を考え、自ら発信する力を身に付けていきたいです。

「マスクとコミュニケーションの関係」をテーマにした探究ゼミで、互いの表情を見ながら感情を伝える実験を行う生徒たちの様子
「マスクとコミュニケーションの関係」をテーマにした探究ゼミで、互いの表情を見ながら感情を伝える実験を行う生徒たちの様子

受験を乗り越えた先に待っている、八王子学園での楽しい学校生活

豊田先生と沖田さんから、受験生の皆さんに応援メッセージをいただきました。

エデュ:受験生の皆さんにメッセージをお願いします。

豊田先生:受験生の皆さんの能力は、まだまだ成長している途中です。そして、その成長に終わりはありません。今皆さんは、「中学校入学」という目標に向けて一所懸命に努力していると思いますが、長い目で見れば、受験勉強は成長する機会の一つです。これから受験結果は出ますが、それは通過点でしかありません。受験の結果はあくまで、現段階での皆さんの成長が、一つの形になって現れるだけで、新たなスタート地点・成長への一歩です。ぜひ自分自身の可能性を信じて、受験勉強期間を走り抜けてください。自身の成長を楽しみにしながら、皆さんが本校の校門をくぐる日を楽しみにしています。

沖田さん:探究ゼミはもちろん、八王子学園では普段の授業がとても面白いので、楽しく勉強ができますよ。体調に気をつけて最後まで全力で受験勉強を頑張ってください。私たちと八王子学園で楽しい学校生活を過ごしましょう!

中学校の入試要項をチェック! ≫

編集者から見たポイント

探究ゼミでは、生徒たちに寄り添った教育を行う八王子学園らしく、生徒の興味・関心を最大限に生かして、能動的な考え方や行動力を育てていると感じました。定期的な発表の場が設けられていることで、生徒のやる気にも大きく影響していると思います。物事を楽しみながら突き詰めていく探究ゼミは、必ず生徒の力となり、社会で通用する人材の育成につながると感じました。

イベント日程

イベント名 日時
入試問題模擬問題体験&説明会(2科・4科型) 2021年12月19日(日)
10:00~11:45
詳細とお申し込みはこちら ≫

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