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「さいたまスーパーアリーナで運動会」と聞いて、どう感じますか? そんなに広いところで運動会をするの?と思ったら、大間違い! 女子美術大学付属高等学校・中学校(以下、女子美)の運動会は、一般的な運動会とは一味違います。
アリーナを目いっぱい使い、さながら舞台を見ているような凝った演出に、観客席から眺める親御さんは圧倒されるばかりです。そんな、従来のイメージを覆す運動会を2回にわたってレポート。パート1では、「舞台作品」と言っても過言ではない、“超高校級”の応援合戦に懸ける思いや競技の模様をお届けします。

アートが与える“自分を見つめるきっかけ”

みんなで協力し合いながらパズルを完成させていく「パズルリレー」や、先生に衣装を着付けしていく「着付けリレー」など、アート要素を取り入れた競技が目立つ女子美の運動会。そこからどのような女子美生の素顔が読み取れるのでしょうか? 広報部主任の小島礼備先生にうかがいました。

運動会

運動会が進路決定にもつながる理由

表現することが好きな子どもたちが入学してくる女子美。生徒たちにとって運動会は、“晴れ舞台”としての思い入れが強く、準備も当日の演技も抜かりありません。そのため、保護者など見学をするさまざまな人から、完成度の高い演出の数々がほめられることも多いそうです。

表現力や感性を育てる表現の場が多い女子美だからこそ、生徒たちはみんなが美術系の進路に進むのかと思えば、意外にも途中で文系に転向する生徒や、理系を目指す生徒も多いといいます。

運動会

『表現する力がついたり、多角的に物事をとらえる力がつく女子美の生徒は、当然のように自分の心の声に耳を傾けるので、意思を持つ力がついているのだと思います。だから、この大学に進学してこうなろうという、将来のイメージをみんな持っていますね。単純に偏差値でなんとなく志望大学を決めたり、女子美に入ったから美大に進学するのかな、と漠然と考えたりする生徒はいませんよ。」と小島先生。運動会などのイベントや普段の授業の中で、自分に向いていることや、やりたいことへのきっかけを見つけることもあるそうです。

小島先生は、「私たち教員は、生徒たちにそうした機会を多く与え、多様な進路希望に応えられる体制を作ることが重要だと考えています。」と教えてくださいました。
アート性に富んだ競技の裏側には、生徒たちが自分の未来について考えるという目的があったのですね。

応援団長に聞く! これが“晴れ舞台”の応援合戦

演技の構成やその表現方法までがしっかりと計算されており、ひとつの舞台として見応えがあった応援合戦。観客を魅了したそのステージはどのようにして作られたのか、各組の応援団長にインタビューしました。

白色・梅組
白色・梅組 応援団団長

「対立するけど、学校全体でよい運動会にしよう」というメッセージを、争いが絶えない古代中国に、良心を取り戻すための白龍が現れるというストーリーで表現しました。「楽しい!」と思う気持ちが全員の気持ちをひとつにすると思い、練習では苦手や恥ずかしいと思う気持ちをできるだけなくさせるように頑張りました。応援合戦を通して、みんなが団結できたと思います。
行事に全力を尽くすのが女子美です。みんなも全力だし、先生とも壁がなく、しっかり見てもらえていると実感しています。

赤色・松組
赤色・松組 応援団団長

歴代の先輩方の演出がなぜ効果的だったのかを分析し、新しい案をみんなで持ち寄って、情熱の“赤”をさまざまな形で表現しました。練習では、踊りをビデオに録って客観的に見たり、衣装係や団幕係などいろいろな人の意見を聞いたりして、ステージを作りました。周りの人にたくさん協力してもらい、感謝の日々でした。
女子美は、みんながそれぞれ特技を持っていて、影響し合いながら「作品作り」に積極的になれる場所です。お互いに尊敬し合え、ほかでは味わえない青春を味わえますよ!

緑色・竹組
緑色・竹組 応援団団長

演じたのは、発展した文明や人のあり方を問う近未来の物語です。本番まで団のみんなが楽しく過ごせるように、全員が練習に参加できるスケジュールを組んだり、明るい雰囲気で練習できる雰囲気にしたりと工夫しました。応援合戦を終えた後、みんなが「楽しかった」と言ってくれたことが嬉しかったです。大勢でひとつの作品を作り上げることは大変だけど、とても素晴らしいということを改めて実感しました。感性を磨けて、生徒同士が刺激し合える素晴らしい環境にいると思います。

黄色・桜組
黄色・桜組 応援団団長

天照大神をテーマに、太陽神のように生徒みなを照らし、黄色組に勝利を導くというメッセージを込めました。団員や衣装係、団幕係としっかり話し合い、テーマから軸がずれないように心がけました。練習内容も工夫して、本番まで楽しい気持ちを忘れないように、声掛けも気をつけました。その甲斐もあって、運動会は人生で一番大変で苦しかったけど、一番楽しくて、一番幸せな日になりました。
女子美では、やりたいことができ、先生方も優しく応援してくれます。とても大切な学校です。

青色・菊組
青色・菊組 応援団団長

少女が妖怪に姿を変えられ、妖怪たちの行列と踊り明かすという“百鬼夜行”をテーマにしました。団幕を裂いて飛び出すなど、とにかく新しいことをしようと、衣装係長、団幕係長などと何時間も話し合いました。役職を通じて、多くの人と関わることができて嬉しかったです。きっと何年経っても、この思い出は何時間も語っていられると思います。
多くの人と全力でひとつのことに取り組むのは大変ですが、一緒に作る時間は本当に掛け替えのないものです。後輩も全力で頑張ってほしいです。

編集部から見たポイント

女子美の運動会の目玉となる応援合戦。見学する方々からは、「中高生のレベルを超えている」と驚く声や、「これが表現のプロが育つ環境なのか」と納得する声が上がっていました。中には、感動して涙ぐむ人も。称賛の声を浴びる女子美生たちは、やはり「ただものではない!」と思いました。次回は、華やかな応援合戦を支えた陰の立役者、衣装担当の生徒たちや運動会実行委員長をフィーチャー。女子美生のこだわりをお届けします。

注目のイベント

日程 時間 内容
8月6日(土)・
7日(日)
9:00~19:00 美術のひろば
「“美術が好きな人あつまれ!”」
絵を描いたり工作したりする体験教室(ワークショップ)
※webにて予約受付予定 ※受講料:講座によって異なる(材料費のみ) ※詳細は公式サイトをご覧ください
9月24日(土)~
10月2日(日)
9:00~19:00 女子美ニケ中学生・高校生美術展
本校エントランスギャラリー
首都圏・アメリカ・中国・韓国の中高生と本校生の作品交流と親睦
※予約不要
9月24日(土) 8:35~12:40 中高共通 公開授業
本校エントランスギャラリー
首都圏・アメリカ・中国・韓国の中高生と本校生の作品交流と親睦
※高校説明会(14:00~)、作品講評会(13:00より受付)