inter-edu’s eye

さいたまスーパーアリーナを最大限に使い、アート要素を取り入れた競技や「舞台作品」さながらの応援合戦など、他校と一線を画す女子美術大学付属高等学校・中学校(以下、女子美)の運動会。前回は、運動会に隠された進路決定にもつながるねらいや、“超高校級”の応援合戦に懸ける応援団長の思いをお伝えしました。パート2の今回は、目玉となる応援合戦を陰で支えた衣装係のみなさんと、大規模な運動会を取りまとめた運動会実行委員長に着目してご紹介します。
女子美の運動会パート1はこちら ▶

団員に専属衣装係が!「そのすべてが私たちのこだわり」

華やかに舞い、観客の視線を釘付けにさせる応援団の団員たち。しかし、そのステージは彼女たちだけでは成り立ちません。表舞台を支える、衣装係や団幕係もいるからこそ、その舞は輝いて見えるのです。
団員ひとりにつき一人、専属の衣装係として舞台を魅せてくれたみなさんを取材しました。

白色・梅組衣装
白色・梅組 衣装長

今までに舞台衣装作りの経験があるメンバーのアイデアをもとに、今回の衣装を作りました。3曲目で衣装をいきなり黒から白に変え、白色を強調させたところがこだわりです。衣装は、作った後に変更をお願いされる苦労もありましたが、6年間の中で一番充実した運動会になりました。
衣装や振付に限らず、何もないところから“創り上げる”ことは大変ですが、普段の美術の授業で学ぶことが活かされていると思います。

赤色・松組衣装
赤色・松組 衣装長

衣装チェンジの大まかな流れは、私と衣装係のみんなで考え、詳細は団長と二人で詰めました。私たち赤色・松組は、情熱の“赤”を表現する一つひとつの場面の変化が見どころでした。衣装作りのスケジュールを合わせたり、予算を細かく計算するのが大変でしたが、演出を多くしたおかげで、やりきった時の感動が増えました。最優秀賞をとることができたのが嬉しかったです。
女子美に入って本当によかったと感じているし、得たものも多いです。いい学校、居場所だと思います。

緑色・竹組衣装
緑色・竹組 衣装長

テーマに決めた「近未来」とは何かを調べることから始め、広がったイメージから、ファッション誌や色見本などを見て、今回のデザインを作りました。衣装をリバーシブルにして、ひとつの衣装を使いまわせるようにしたのがポイントです。
今まで「和」テイストのテーマが多かったので、私たちのテーマが、歴史を変えられたら嬉しいです。裁縫ができる人が少なかったので苦労もありましたが、終わりよければすべて良し!

黄色・桜組衣装
黄色・桜組 衣装長

衣装長を二人で担当し、デザインを一緒に考えました。先輩方のやり方を真似しつつ、型紙を一から自分たちで作ったのが自慢です。制作が忙しく、話し合いの時間がほとんど取れなかったので大変でしたが、自分のできることできないことを発見するいい機会になりました。
応援団は観客を魅せた者勝ちですが、そのやり方は誰にも教えてもらえません。悩んで辛い思いをした分、本番で歓声が上がったときの喜びは、他に代えられないものでした。

青色・菊組衣装
青色・菊組 衣装長

振り付けと衣装が最高の状態で合うように資料をかき集め、団員と綿密に話し合いました。とにかく飽きさせないようにしようと思い、30秒に1回ごとの、たくさんの仕掛けを作りました。そのすべてが私たちのこだわりです。実現できないアイデアを見極めるのが、一番大変でしたが、人生の中でなかなか味わえないかも知れない、みんなで作り上げた最高の記憶になりました。掛け替えのない時間を女子美で過ごすことが出来て最高です!

運動会実行委員長の静かな戦い! 「冷静さを求められるんです」

中高生の規模とは思えないほどの運動会をまとめる運動会実行委員長。全生徒の上に立ち、運動会を作り上げなければならない立場だからこその苦労もあったようです。ここでしか聞けないお話しをうかがいました。

運動会実行委員長

運動会実行委員長

インターエデュ(以下、エデュ):運動会実行委員長として大変だったことは何ですか?

委員長:中高含めて運動会実行委員長は一人しかいませんので、中学3年生の各色の組長とは綿密に連携を取るようにしました。学年やクラスのことは組長に任せ、確認しながら円滑に進めるのが大変でした。しかも、本番に近づくにつれ、みんなのパワーがあふれてくる中、委員長は、冷静でいることが求められるんですよ。でも、先生方が本当に好きなようにやらせてくれるので、苦労は感じていません。こんなに広い場所で、個性豊かな仲間たちが集まって、毎年楽しく運動会ができるのは、本当に幸せだと思います。

頑張ったぶん、入賞の喜びはひとしおです。

頑張ったぶん、入賞の喜びはひとしおです。

エデュ:女子美にとっての運動会はどんな行事ですか?

委員長:文化祭や球技大会は個々のクラスで成果を出しますが、運動会は応援団を含めて縦割りなので、先輩後輩とのつながりを大事にできるし、同じ組同士でも絆が深まります。女子美を一番感じられる行事ですね。
例年、着付けリレーはクラスごとに自分たちでテーマを決めて行っていたのですが、今年は学年で統一のテーマを決めました。今年は横のつながりもよくなったと思います。いつもに増して、一体感が生まれた運動会でした。

編集部から見たポイント

衣装係の生徒たちや運動会実行委員長からお話しをうかがうと、生徒一人ひとりが自分の役割を担い、運動会全体を作っているということを実感します。そして同時に、モノを作る楽しさということを思いっきり楽しんでいるのが、伝わってきました。だからこそ、観る人たちを感動させる応援合戦をはじめとした、大規模な学校行事を成功させることが出来るのでしょう。みなさまも、ぜひ、学校説明会などで、女子美生のクリエイティブ精神に触れてみてください。

注目のイベント

日程 時間 内容
9月24日(土)~
10月2日(日)
9:00~19:00 女子美ニケ中学生・高校生美術展
本校エントランスギャラリー
首都圏・アメリカ・中国・韓国の中高生と本校生の作品交流と親睦
※予約不要
9月24日(土) 8:35~12:40 中高共通 公開授業
本校エントランスギャラリー
首都圏・アメリカ・中国・韓国の中高生と本校生の作品交流と親睦
※高校説明会(14:00~)、作品講評会(13:00より受付)
10月8日(土) 8:35~12:40 中高共通 公開授業
※中学校説明会(14:00~)