普段の授業から一歩先へ! 個性あふれる女子美の特別講座

やりたいことに打ち込める女子美の特別講座

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美術を中心に感性を磨き、世界にまなざしを向けた文化の担い手として、創造性豊かな人間の育成を目指す女子美術大学付属高等学校・中学校(以下、女子美)。今回は普段の授業とは異なる女子美らしい特別講座を特集します。

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特別講座「もっと数学!」で、数学の問題をとことん解読

特別講座の「もっと数学!」をご担当されている数学科の髙城史子先生に、講座内容や生徒たちの様子についてうかがいました。

エデュ:「もっと数学!」講座を通して学んでほしいことは何ですか。

髙城先生:数学についてとことん考え抜くことの楽しさ、大切さを学んでもらいたいです。また、女子美の生徒が大好きな美術と同じ美しさが数学にもあることを実感してほしいですね。

エデュ:講座の具体的な学習内容を教えてください。

髙城先生:現在は中学1年生から高校3年生の生徒20名が受講しています。各自思い思いに問題集を解きながら数学の問題と向き合い、奮闘していますよ。生徒のリクエストで難問プリントを配付することもあります。目指す級の数学検定合格を目指している生徒が多いですね。

エデュ:「もっと数学!」講座はどのような経緯で開講したのでしょうか。また、当時のエピソードがあれば教えてください。

髙城先生:女子美は美術の時間数が多いため、高校で学ぶ数学は、数学Iと数学IIまでとなっています。私が数学を教えていた中学の生徒が高校に進学をした際に、数学の授業の少なさに驚いて、「先生、もっと数学をやりたい!」と声を上げてくれたのです。これがこの特別講座の始まりで、7年前に開講しました。
当時のメンバーは理系大学を目指す生徒が多くて、「夢は、はやぶさの開発に携わることで、そのためには東大に行くしかない!」と意気込み、一緒に頭を抱えて過去問を解いた思い出があります。また、「数学の先生になりたい」という夢を追って、夏休みに何日も登校し、数学IIIを読み解く日々を過ごした生徒もいました。2名とも理系大学に進み、それぞれ、物理、数学の教育実習で再会をしたのも印象的でしたね。

講座内で制作したさまざまな形をした図形を手にほほ笑む生徒たちと髙城先生
講座内で制作したさまざまな形をした図形を手にほほ笑む生徒たちと髙城先生
数学の問題を解く生徒たちは、和気あいあいとした雰囲気で講座を楽しんでいます
数学の問題を解く生徒たちは、和気あいあいとした雰囲気で講座を楽しんでいます

エデュ:講座を実施するうえで心がけている点はありますか。

髙城先生:現在はコロナ禍ということで、グループワークのようなことができていませんが、中学1年生から高校3年生までと幅広い参加者がいるので、数学の知識に差があってもともに考え、意見交換ができるような問題提示を心がけていています。

エデュ:講座での生徒の様子を教えてください。

髙城先生:「コンピュータの世界の2進法について」をみんなで議論しながらゲームをしたときは、中学1年生の柔軟な発想力に高校生が「まいった!」という顔をしていましたね。また、「楕円の定義」を示した後、みんなで楕円コンパスを作ったときは、道具を器用に使う手さばきの良さを見ていて、「さすが女子美生!」と感動しました。

エデュ:「もっと数学!」講座を受ける生徒の特徴や、先生の講義に対する思いを教えてください。

髙城先生:特別講座の「もっと数学!」を受講する生徒の特徴は、中学生は数学が好きでもっと頑張りたいと思っている生徒が集まり、高校生は理系大学や建築関係を目指している生徒が多いですね。
美しい形は、すべてシンプルな数式で表されます。美しい数学に向かい合い、表現し、真実を解読することで、充実した気持ちを少しでも実感してもらいたいと思っています。

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現代アートを多角度から学ぶ特別講座「現代アート研究」

美術科主任の遠山香苗先生がご担当されている「現代アート研究」の特別講座についてお話をしていただきました。

インターエデュ(以下、エデュ):「現代アート研究」の特別講座における学習目標は何ですか。

遠山先生:本講座は、今年で19年目を迎える特別講座です。授業では取り組まない、現代アートの分野を広域に捉えフォーカスしています。新しい価値観や表現方法に出会い、視野を広げていく講座を目指しています。

エデュ:具体的にはどのような講座を行っていますか。

遠山先生:「観る」「聞く」「作る」の3点をキーワードに活動を行っています。「観る」では、文字どおり美術館や画廊を巡って歩き、作品を観ることを重視し、「聞く」では、卒業生を含む美術関係者を招いてアートの話を聞くことを大切にしています。また、「作る」では、講座に参加するメンバー全員で企画を考え、本校のエントランスギャラリーで展覧会の開催を目指して作品を作っています。
ここしばらくはコロナ禍で活動が思ったようにできない状態が続きましたが、ようやく2022年2月14日(月)~2月18日(金)に、「わたしたちの2021 -SMILE展-」を開催する予定で、準備を開始しました。

女子美のエントランスギャラリーで2012年に開催された展覧会「希望」-Hope-。東日本大震災の被災地に向けたメッセージをアートで表現しました
女子美のエントランスギャラリーで2012年に開催された展覧会「希望」-Hope-。東日本大震災の被災地に向けたメッセージをアートで表現しました
2015年の展覧会「100年の手」の様子。女子美付属創立100周年を記念して、女子美生にとって命のように大切な「手」をモチーフに制作しました
2015年の展覧会「100年の手」の様子。女子美付属創立100周年を記念して、女子美生にとって命のように大切な「手」をモチーフに制作しました

エデュ:特別講座を実施するうえで心がけている点や工夫していることを教えてください。

遠山先生:一般的に現代アートは大学生になってから学ぶファインアートの分野なのですが、美術史に残るものだけがアートではありません。今を生きる私たちと同時代のアートを肌で体感し、アートが社会や人とつながっていると少しでも伝わるように心がけています。特別講座は中学1年生から高校3年生まで学年を問わずに参加できるので、内容が難しくなり過ぎず、「アートは楽しい」「アートの世界は広くて深い」「アートは人や社会と繋がっている」と実感し、アートの力を感じられると良いと思っています。
昨年から今年にかけてはコロナ禍で、学校外で学ぶことができずにいましたが、「逆にこの閉塞的な日常を打破するような活動をしたい」という思いで、2月に「わたしたちの2021 -SMILE展-」を計画しました。

エデュ:特別講座を受けた生徒の変化や、先生が感じられた手応えを教えてください。

遠山先生:「現代アート研究」の特別講座の活動は、日頃の美術の授業とは内容が大きく変わるため、生徒たちは好奇心をくすぐられるように、より生き生きと楽しそうに参加をしています。上手に絵を描くことだけが目的ではなく、自分の表現が他者へ働きかける魅力的な力があると感じていると思います。生徒はこうした体験から、伸びやかに自由な発想力を身につけていますよ。

2020年「アートマラソン」の準備風景
2020年「アートマラソン」の準備風景
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編集者から見たポイント

女子美の特別講座では、普段の授業から一歩踏み出して、生徒が自分の好きな分野をより突き詰められる時間です。現代アートや数学にとことん触れることで、自由で独創的な発想力が育まれ、また新たな作品へと繋がっていくのだと思います。何よりも生徒が楽しそうに学ぶ姿に女子美らしさを感じることができました。自分のやりたいことに打ち込める環境が魅力の女子美に、ぜひ足を運んでほしいです。

イベント日程

        
イベント名 日時
高等学校卒業制作展 (於 東京都美術館) 2022年3月1日(火)~5日(土)
入試報告会 2022年3月26日(土)
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