inter-edu’s eye
神田女学園中学高等学校で、ICTを活用したアクティブラーニングが始まって、1年半。昨年度はそのねらいなどを紹介しましたが、今年はさらに深堀りします。今回取材したのは、「グローバルクラス」のアクティブラーニングに特化した授業「プロジェクト学習」。先生方はどのようにして、子どもたちの主体性を引き出しているのでしょうか。
丁寧な指導が光るプロジェクト学習
段階を踏んで身につくプレゼン力
「自ら課題を見つけ、計画し実行していくことができる」主体的な人材の育成を目指すプロジェクト学習。
グループワークで行うこの授業では、生徒たちはパソコンやタブレットで課題について調べ、情報をまとめ、プレゼンテーションに挑みます。生徒たちは学年が上がるにつれて、自ら考えて行動できるようになっていくのです。
その背景には、生徒の成長に合わせた先生方の丁寧な指導があります。
例えば、中学1年生のうちは先生がプレゼンターとなり、話し方、聞き方、ICT機器の使い方など、基本的なプレゼンテーション・スキルを教えます。
また、パソコンのスキルが身につくまでは、紙を使ってプレゼンテーションを行います。例えば、今年の5月には「興味のある国について、B4の紙1枚にまとめる」という課題に一人ひとりが取り組みました。先生が「発表用の原稿を考えてくるように」と伝えたところ、原稿を用意するだけにとどまらず、写真や絵で見やすくしたり、立体的に見えるようにしたりと、生徒それぞれが創意工夫を凝らした発表を行ったそうです。
取り組みをのぞき見!
個人で課題を行ったあとは、班になって「世界を知ろう」というテーマに取り組みます。クラスで6つの班に分かれ、アジア州やオセアニア州など世界の6つの州について調べるこの課題では、夏休みに大使館訪問も行うなど、内容がレベルアップ。また、班で調べるため、協力し合い、人の意見を聞くことも求められるようになります。
中学2年生になるとさらに進んで、さまざまな立場から物事を見る力を養っていきます。班での調べ学習という点では1年生と同じですが、今度は地球規模の問題(環境、差別、経済格差、紛争等)について、各州の国々の視点から、理解を深めます。
そして9月現在、1年生、2年生ともに、その成果を文化祭で発表するための準備を進めています。
主体性を育むための先生のテクニック
“疑問”を持たせるために
物事を「探求」していくためには、「疑問を持つこと」が大切です。その練習として、プロジェクト学習では、「質問」を考えさせるようにしています。
慣れていないと、生徒は自分の発表に集中するあまり、ほかの生徒の発表を聞いていないという状態になりがち。そこで、1年生のプロジェクト学習の最初の授業では、「発表者が良い発表を行うためには、聞き手がとても重要」ということを教えています。
例えば、プロジェクト学習が始まって間もないころのプレゼンテーションでは、発表を聞く生徒一人ひとりに「良かった点」と「疑問に思った点」を書かせ、発表者へ提出することをしました。
「最初はなかなか質問を書けず、時間がかかってしまう生徒もいましたが、『疑問を持つこと』の練習になったと思います。」と先生も話されています。
ツールとして活用が進むICT
校外活動で調査をするときなどに活躍するのが、タブレット端末です。生徒たちは、タブレット端末で動画や写真を撮り、そのデータを使ってすぐにプレゼンテーションを行っています。ICTをツールとして活用し、データの記録や比較が簡単にできるようになったことで、生徒の主体性が高まり、「教員が追いつかないくらい、生徒は先へ先へと行きたがるようになりました。」と先生はお話しします。
担当の先生より
現在は、動画や静止画はタブレットで撮り、プレゼンテーション資料はパソコンで作っています。今後は一人一台タブレット端末を持たせることも計画しており、そうすれば、タブレット端末ひとつで、調査からプレゼンテーション資料の作成までできるようになるでしょう。そのために、教員もソフトやアプリの研究を進めています。
編集者から見たポイント
来年度、グローバルクラスの中学2年生が3年生に進級した際には、これまでのスキルを活かした「探求」の課題が行われる予定とのこと。文化祭で発表される今年のプロジェクト学習の成果と合わせて、今後も要注目です!
イベント日程
内容 | 日程 | 時間 |
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学校説明会 | 9月24日(土) | 10:00~11:00 |
姫竹祭 入試相談コーナーあり |
10月1日(土)・2日(日) | 10:00~15:00 |
学校説明会 | 10月29日(土) | 14:00~15:00 |