inter-edu’s eye

「語学の神田」として、積み重ねられてきた外国語教育に注目が集まる神田女学園中学校高等学校が、また新たなステージへと進みました。グローバルクラスの新設や、大学との連携、教育改革など、それらの背景にある教育の真髄を、校長の高橋順子先生にうかがいました。

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一歩先行く語学教育がさらに加速

語学教育、完成への道のり

2017年3月に神田外語大学との高大連携協定を締結した神田女学園は、語学教育のパイオニアとしてどんな変化を見せているのでしょうか?

校長 高橋 順子先生

校長 高橋 順子先生
近年、これまでのカリキュラムを徹底的に見直し。グローバル化する社会で活躍できる女性の育成のための教育プランを打ち出し、展開しています。

インターエデュ(以下、エデュ):神田女学園の外国語教育についてお聞かせください。

高橋校長:本学園の外国語教育は今に始まったことではありません。10年以上前から、当時は珍しかった「中国語」を高校の選択授業で取り入れるなど、グローバル化という言葉がクローズアップされる前から語学教育に力を入れています。
生徒たちが身につけた語学力をアウトプットする場も積極的に作っており、2000年にアメリカのシアトルで2週間の語学研修を導入し、2007年には中学校の修学旅行を海外へ変更しました。

また、2013年に校内に小学生対象の英語スクール「KSS(Kanda Saturday School)」を設置、2015年に中学グローバルクラスを新設、2017年には高校でもグローバルコースがスタートしています。さらに本年度、神田外語大学と連携したことで、小学校から大学までの大きな語学教育の流れが完成しました。

大学の教育ノウハウ導入でさらに飛躍

大学の教育ノウハウ導入でさらに飛躍

K-SALCでは、ネイティブ教員が、生徒たちの「英語の発音がもっとうまくなりたい」「英検の二次対策を指導してもらいたい」という要望に応えます。

エデュ:高大連携協定の締結によって始まる、新しい試みはありますか?

高橋校長:神田外語大学は、日本における英語の自立学習支援のパイオニアであるSALC(Self-Access Learning Center)という素晴らしい教育システム・施設を持っています。その教育ノウハウを本学園にも導入して、9月にK-SALC(KANDA-Self-Access Learning Center)が完成します。

この施設では、放課後にネイティブ教員が常駐し、生徒たちのリクエストに対応します。このアドバイザーとのやり取りの中で、生徒は自分の克服すべき課題を見つけ、分析し、解決策を導き出し、目標を立て実行するということを学びます。
この自立学習方法は、語学だけではなく人生のあらゆる場面で応用することができるでしょう。

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学校生活のすべてを、グローバル人材育成のために

語学の学習環境がますます充実する神田女学園ですが、その取り組みは語学習得のためだけではなく、もっと大きな意味があるようです。

学校生活のすべてを、グローバル人材育成のために

中学グローバルクラスの一番の特長は、担任がネイティブ教員と日本人教員の二人担任制であること。生徒たちは1学期終了頃には、ネイティブ教員の英語のみで話を聞き取ることができるようになるといいます。

エデュ:「グローバル人材」とはどのような人物だとお考えでしょうか?

高橋校長:「世界中のどこにいても、国籍や言葉で人を区別することなく、自分の考えをしっかり持ち、幅広い視点で周りの意見を聞きながら、協力して与えられた仕事を成し遂げる人」こそが、本当のグローバルな人間であると考えています。

そのような人材の育成にあたり、予想以上の速さで進むグローバル化への対応や、本学園が目指すグローバル教育を一層推し進めるため、従来の3クラス制を発展解消し、グローバルクラスへと一本化することを決断しました。

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「KANDAイノベーション」の成果

グローバル教育のパフォーマンスを上げるために、細部にまで行き届いた「教育改革」も行われ、主体的な学びが定着してきたようです。

「KANDAイノベーション」の成果

エデュ:昨年からスタートした教育改革でどのような成果がありましたか?

高橋校長:今までのいわゆる「授業を受ける」という受け身の授業形式を改め、最初に演習問題に取り組み、自分の疑問点や不明点をはっきりさせてから授業の中で解決していくという主体的なスタイルに変更しました。このことにより問題演習やグループ活動の割合が大きく増え、生徒が主体的に考えるようになりました。

KANDAラーニング

本学園ではこの授業スタイルを「KANDAラーニング」と呼んでいます。また、自分で自分の弱点を克服し、得意分野を伸ばすことができるDEタイム(※)もスタートしました。毎日の時間割の中に25分間の授業として設けています。生徒たちは一斉に、教材であるリクルート社の「スタディサプリ」を活用して自分の課題に取り組みます。
※DEタイムの詳しい内容は連載2回目でご紹介します。お楽しみに!

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校長から受験生へのメッセージ

高橋校長:本校は今年で創立127年目を迎えました。その長い歴史と伝統を活かしつつ、女性ならではの礼儀や思いやりの心を育みながら、広い世界のどこででも力強く生きていける“グローバル女子”をこれからも育てていきたいと考えています。ぜひ説明会や学校行事を通して、本校の取り組みを理解していただきたいと思います。

神田女学園 公式サイト≫

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