神田女学園×女子栄養大学 高大連携でスペシャリストの育成を目指す

神田女学園×女子栄養大学 高大連携でスペシャリストの育成を目指す

inter-edu’s eye

神田女学園中学校高等学校(以下、神田女学園)は、2021年度に女子栄養大学と高大連携協定を結び、探究学習や進路指導など、幅広い交流を行っています。今回は神田女学園の校長・芦澤康宏先生と、女子栄養大学で入試部の部長を務める伊吹憲昭さんの対談が実現。女子教育で目指す生徒像や高大連携による成果について語っていただきました。

学校公式サイト ≫

スペシャリストを育てる先進的な女子教育

神田女学園と女子栄養大学にはどのような教育の共通点があり、高大連携に至ったのでしょうか。芦澤先生と伊吹さんにうかがいました。

「生徒には進学先を選ぶときに偏差値や大学の知名度だけではなく、自分の興味のある分野を深く学べる大学に注目してほしいです」と話す芦澤先生
「生徒には進学先を選ぶときに偏差値や大学の知名度だけではなく、自分の興味のある分野を深く学べる大学に注目してほしいです」と話す芦澤先生

芦澤先生女子栄養大学さんは「一人ひとりの能力を最高に引き出す女子教育」に重きを置いており、なおかつ私たちが目指す「スペシャリストの育成」を実践していることに親和性を感じ、ぜひ高大連携協定を結ばせていただきたいと考えました。日本社会では年功序列や終身雇用が崩れ、ジョブ型雇用が重視される時代に移行しつつあります。社会で活躍するためには、専門的な知識や技術を持つ、スペシャリストとなる必要があるのです。女子栄養大学さんは、管理栄養士や臨床検査技師、家庭科教諭や養護教諭といった人材を数多く育成し、就職率もとても高い。本当に素晴らしい教育をなさっているなと思います。

伊吹さんありがとうございます。本学は来年で創立90周年を迎えるのですが、これまで「食」「栄養」「健康」の3つを軸に女子教育を行ってきました。時代の変化に伴い、食を通じて社会貢献できる学生の育成を目指しています。管理栄養士や栄養士の資格、また教員免許の取得を目指す学生が多く、昨年度の管理栄養士の国家試験合格者数は229名と、全国1位を記録しました。もともと本学は家庭食養研究会からスタートしていますが、現在は女性が社会で活躍するための食のスペシャリストの養成に力を注いでいます。

芦澤先生資格の取得だけでなく、資格を活かして就職をする学生も多いのでしょうね。本校では多言語教育を重視していることもあり、文系・語学系に強い生徒が多い傾向にあるのですが、最近では看護師や理学作業療法士、そして臨床検査技師になりたいという生徒も増えてきています。そんな理系の進路を考えている生徒のために、高校の高度教養コースに「メディカルテクノロジークラス」を作りました。女子栄養大学さんの学生は卒業後、実際にどのような場所に就職されているのでしょうか。

伊吹さん管理栄養士の資格を取得した学生に人気なのは受託給食会社です。いろいろな現場に派遣され、さまざまな経験が積めるのが魅力なのだと思います。そのほかには、病院や学校給食、さらにドラッグストアなどを選択するケースも多いです。また、食に関する仕事として、食品メーカーへの就職も増えています。商品開発に携わりたいという学生が多いですね。

「食品の商品開発に携わるためには、食に対する多くの知識や技術が必要です。本学では4年間の学びを通して、それらの力もしっかりと磨きます」と話す伊吹さん
「食品の商品開発に携わるためには、食に対する多くの知識や技術が必要です。本学では4年間の学びを通して、それらの力もしっかりと磨きます」と話す伊吹さん
メディカルテクノロジークラスをもっと詳しく見る ≫

高大連携でハイレベルな探究学習とフィールドワークを実現

続いて、実際に行われている高大連携の内容やその成果について語っていただきました。

芦澤先生高大連携を結ぶ大学の皆さまには、探究学習やフィールドワークでお世話になっています。本学では「ニコルプロジェクト(NCL)」と題した探究学習を行っており、中学1年生から高校2年生が参加します。「Nature(自然)」「Culture(文化)」「Life(生命)」の3つの分野設定の中から、自分の好きなテーマを決め、論文形式でまとめたり、プレゼンテーションで発表をしたりするのですが、高校生の成果発表は専門的な内容になってくるので、高大連携を結ぶ大学の先生方をお招きして、生徒へのアドバイスや評価をいただいているのです。今後、栄養学などの発表があれば、ぜひお力をお借りしたいと思っています。

伊吹さん「ニコルプロジェクト」はまるで大学の講義のようでレベルが高いですね。大学に直結する学びであると感じます。

神田女学園の探究学習「ニコルプロジェクト」の記事はこちら ≫

芦澤先生今年の6月には本校が毎年行うフィールドワークに早速ご協力いただきありがとうございました。全校生徒が自分の興味のある場所に行くシステムなので、何人かでグループになり、女子栄養大学さんに訪問させていただき、大変お世話になりました。

伊吹さん神田女学園さんの生徒はグローバルな思考に長けているので、フィールドワークでは国際色のある話が良いと考え、国際食コミュニケーションが専門の教員の講義を行いました。そして、食を通して視野の広がりを得てほしいという思いから、講義では、世界における日本の食料自給率の低さや海外の食文化の違い、国ごとのフードバランスの違いなど取り上げました。

芦澤先生楽しい講義をしていただきありがとうございます。生徒はフィールドワークでとても刺激を受けたようで、姫竹祭(文化祭)で「世界の料理」をテーマに調べ、展示していました。

伊吹さんそれは良かったです。本学ではこれまでに台湾やベトナム、フランスを中心としたヨーロッパ、オーストラリアなどに学生を派遣し、世界の食文化を学ぶ機会を設けるなど、グローバルな視点での活動も行ってきたので、海外で学びたいという学生の入学もお待ちしています。現在はコロナ禍で海外での活動が難しい部分もありますが、来年度からまた再開できるように準備を進めています。

フィールドワークで女子栄養大学を訪れた神田女学園の生徒
フィールドワークで女子栄養大学を訪れた神田女学園の生徒
世界の食文化について講義を受ける生徒の様子
世界の食文化について講義を受ける生徒の様子
国によって異なる食事の仕方に生徒は興味津々
国によって異なる食事の仕方に生徒は興味津々
神田女学園の最新ニュース ≫

中高と大学をつなぐ高大連携のさまざまな活動

家庭科教諭や養護教諭を目指す教育実習生の受け入れや、進路ガイダンスでの交流など、高大連携のメリットは多岐にわたります。具体的にどのような活動を行っているのか教えていただきました。

伊吹さん大変ありがたいのが教育実習生の受け入れです。本学では実学教育を重視しており、1年生から現場に行く教育を行っていて、例えば養護教諭を目指す学生ならば、保健室だけでなく、中高の生徒のコミュニティを知るために保健室以外での経験も積極的に体験することを大切にしています。今回も養護教諭を目指す学生が神田女学園さんにお世話になっていて、貴重な機会をいただいています。

芦澤先生女子栄養大学さんのすばらしいところは、現場を知るために早い段階から学生に何でも体験させるところですよね。現在お預かりしている学生は養護教諭が志望ですが、家庭科の授業の補助や掃除も生徒と一緒にしたりと、3週間たっぷりと生徒との時間を過ごしています。本校の生徒の刺激にもなり、女子栄養大学を目指す生徒が相談をしたりしています。お互いに良い交流が生まれていると感じます。

女子栄養大学は来年で創立90周年を迎える伝統と歴史ある大学です
女子栄養大学は来年で創立90周年を迎える伝統と歴史ある大学です
女子栄養大学の学生が食品化学の実験をしている様子。体験型の学びで知識を深めます
女子栄養大学の学生が食品化学の実験をしている様子。体験型の学びで知識を深めます
女子栄養大学の西洋調理実習。世界の食文化を肌で感じられる講義です
女子栄養大学の西洋調理実習。世界の食文化を肌で感じられる講義です

伊吹さん神田女学園さんの校内で11月5日に行われた「進路ガイダンス」に、今回初めて参加させていただきました。中高の生徒が保護者と一緒に気になる大学のブースを回る形式で、たくさんの大学が参加をしていましたね。高大連携を結ぶ大学は講堂でのプレゼンテーションの時間があり、本学も大学紹介を兼ねて学びの特色について講演を行いました。生徒や保護者に興味を持ってもらえたかと思います。

芦澤先生ご参加いただきありがとうございました。高校2~3年生になると具体的な相談が多いと思うのですが、中学生に関しては大学でどのような学びが行われているかもまだ理解に乏しい部分があるので、丁寧に説明をしてくださる大学の皆さまには大変感謝しています。

11月5日に実施された「進路ガイダンス」。約100校が参加をする大規模なガイダンスは、生徒や保護者にとても好評です
11月5日に実施された「進路ガイダンス」。約100校が参加をする大規模なガイダンスは、生徒や保護者にとても好評です
神田女学園の進路に関わる取り組みをチェック ≫

スポーツ栄養×部活動の新たな取り組み

高大連携で新たに行いたい活動についてうかがいました。

芦澤先生今後ぜひお願いしたいと考えているのが、運動部のサポートです。特にソフトボール部は中高ともに栄養への意識が高い部員が集まっていて、保護者からも食事はどのようなものが良いかと相談を受けます。女子栄養大学さんには、スポーツ栄養の専門性を活かした食事のアドバイスをいただきたいと思っています。

伊吹さん本学では高校や大学の運動部と連携を結び、学生自らが食事の献立を考えるなどのサポートをしているので、ぜひ、神田女学園さんのお力にもなれたらと思います。スポーツ栄養の分野は、今とても注目を集めています。興味がある学生も多く、東京オリンピックの選手村の食堂でボランティアに参加するなど、活動の場を広げています。

今年、神田女学園の中学校ソフトボール部は全国大会で2位、高校ソフトボール部はインターハイでベスト8に輝きました
今年、神田女学園の中学校ソフトボール部は全国大会で2位、高校ソフトボール部はインターハイでベスト8に輝きました
ソフトボール部の強豪校として知られる神田女学園。女子栄養大学との高大連携で、チームのさらなる強化を目指します
ソフトボール部の強豪校として知られる神田女学園。女子栄養大学との高大連携で、チームのさらなる強化を目指します

芦澤先生今後は、より密な連携により、双方の情報共有ができればと思います。高校から大学へ生徒を送り出すときには生徒の情報をしっかり共有し、また、その生徒が大学を卒業するときには、どのような進路を選択したかを共有いただく。そうすることで、中高と大学がそれぞれの教育機関で一人の未来ある若者を一緒に育てていくことができると考えています。

伊吹さんそうですね。大学としても中高とのつながりは大切にしていきたいです。中高の現場でどのような指導があり、どんな学生が入学してくるのかを把握できるのはありがたいです。

芦澤先生女子栄養大学さんとは率直にお話ができる関係を築けており、こちらの相談にもいつも迅速に対応をしてくださるので、大変感謝しています。これからもぜひ、生徒の深い学びのために、お力をお借りできればうれしいです。

伊吹さん神田女学園さんと連携が取れているのは、学びに対する教育方針や考え方に通ずるところがあってこそだと思います。こちらこそ、これからもよろしくお願いします。

神田女学園の部活動を知る ≫

編集後記

スペシャリストを育成する女子教育という共通項のある学校だからこそ、指定校推薦枠だけではない、さまざまな連携が生まれるのだと思います。女子栄養大学では実践教育により、栄養、医療保健および、さまざまな食の現場で活躍する多くの卒業生を輩出しています。神田女学園の目指す「世界で広く活躍する女性」に通ずる教育であると感じます。新たにどのような連携が生まれていくのかとても楽しみです。

学校公式サイト ≫

イベント日程

イベント名 日時
高等学校授業見学会 2022年11月19日(土) 10:00~
中学校授業見学会 2022年11月26日(土) 10:00~
高等学校教育内容説明会 2022年11月26日(土) 14:00~
高等学校個別相談会 2022年12月3日(土) 10:00~16:00
中学校新思考力入試体験会 2022年12月4日(日) 14:00~
中学校授業見学会 2022年12月10日(土) 14:00~
高等学校出題傾向解説会 2022年12月17日(土) 14:00~
中学校出題傾向解説会 2022年12月18日(日) 9:00~
中学校出題傾向解説会 2023年1月14日(土) 14:00~
高等学校出題傾向解説会 2023年1月15日(日) 10:00~

このページをシェアする

連載コンテンツ

ダブルディプロマプログラム2期生が語る留学体験談

帰国中のDDP2期生に留学でのさまざまな体験談を話してもらいました記事を読む≫

生徒の知的好奇心を刺激する「ニコルプロジェクト」

生徒が熱意をもって行う探究学習「ニコルプロジェクト」についてご紹介します記事を読む≫

国公立・早慶へ!大学入試の振り返りと卒業生の喜びの声

神田女学園の2022年度の大学入試の振り返りと、卒業生が語る受験期に良かったと感じた学校のサポートについて詳しくお届けします記事を読む≫

スペシャル動画