- インターエデュ TOP
- まだ早い!もう必要? 未就学児と自立の関係
- 先輩ママが語る「幼少期の経験と我が子の成長」
ケンカやケガをして泣くのは悲しい出来事ですが、「どんなことをしたらケンカになるのか」「ケガをしたらどんな痛みを伴うのか」を知る大切な経験ともいえます。経験は発見を生み、視野を広げるきっかけになります。幼い頃の経験が、時を経て活かされることもあります。“何事も経験”と頭では分かっていても、我が子のことになると心配ゆえに手を離さず、石橋を叩いて渡っていませんか。
こどもがリアルな仕事体験をするエデュテインメント施設「キッザニア」では、我が子の体験を通して親が思わぬ気づきに遭遇するといいます。未就学児と自立の関係について何かヒントが得られるかも!? と、キッザニアのリピーターであり、小中学生の子を持つママに集まってもらいました。未就学児の頃から親子で施設を訪れてきたママ達は、キッザニアでどんな気づきを得て、そして幼少期の経験はこどもの成長にどう影響しているのでしょうか。
※体験記事のため、変更となっているパビリオンやアクティビティ(体験)もございます。
企画・編集:インターエデュ・ドットコム
プロフィール
Hさん
お子様:小5・10歳女子
キッザニア歴:初体験は年長。訪問5回。
私立校受験歴:来年の中学受験本番に向け、勉強に励む日々。
Aさん
お子様:(長男)中1・12歳/(長女)小2・8歳
キッザニア歴:(長男)初体験は年中。訪問2回/(長女)初体験は小1。訪問2回。
私立校受験歴:長女が女子校に憧れており、中学受験を検討中。
Sさん
お子様:中1・13歳女子
キッザニア歴:初体験は年長。訪問9回(東京8・甲子園1)。
私立校受験歴:中学受験を経験。合格し、現在は私立中学校に在籍。
初めてのキッザニアで、お子様はどんな仕事を体験しましたか。
Hさん警察官、消防士、キャビンアテンダント、パン職人などです。幼い自分でも知っている職業を選んでいました。
Aさん長男は作ったものを食べられる仕事と、科学者だったと思います。初めてのキッザニアは友達親子と一緒で、私は生後半年の長女を連れていたのでベンチで待機し、ママ友達がこどもに同行してくれました。
Sさん「科学研究所」の菌研究者です。
当時は何を心配しましたか。
Hさんこどもだけで何かに参加させたことがなかったので、説明を理解して行動できるだろうかと。あと、小さい子は飽きっぽいので、グループで仕事をしているとき、娘だけ途中で辞めてしまわないか心配でした。ところが、娘は平然と最後までやり通し、私に仕事内容をしっかり説明してくれたので驚きました。
Aさん長男は早生まれで、保育園のお遊戯会では保育士にくっついているようなこどもだったので、親と離れて大丈夫かなと気を揉みました。でも、パビリオンでの体験を楽しみ、仕事の合間をぬっては私に報告に来てくれました。「自分がしたことでお金をもらえる!」という成功体験を重ね、笑顔で次のパビリオンへ駆けていく息子の姿に「一人でもできるんだ」と胸が熱くなりました。
Sさん菌研究者の仕事は顕微鏡で菌を観察し、研究レポートを書くこと。文字がやっと書ける程度の娘には難しい内容なのでは……と不安に感じていました。
ですが、親の心配をよそに娘は担当した菌の研究結果をみんなの前で堂々と発表し、大満足の結果に。発表を終えた後の娘のほっとしたような、そしてちょっと自慢気な顔は忘れられません。
我が子の仕事体験を通して、どのような気づきがありましたか。
Aさん一緒に回っていた友達とやりたい仕事が分かれたとき、「さっきは●●くんが行きたい場所にしたから、今度は■■ちゃんの行きたいところにしよう」と、こども同士で解決したとママ友達から聞いて、譲り合いができるようになったんだと感心しました。
Sさん一人っ子で常に私のそばにいた娘を客観的に見ることができ、親が無理だと思うハードルをこどもは意外と簡単に乗り越えることを思い知らされました。つないだ手を離す勇気がなかったのは私のほうだったんです。
Hさん道路で宅配車を見ると、「あの車には荷物が積んであって、たくさんの家に運んでいるんだよ」と私に説明するなど、仕事体験を通して日常生活のあれこれに興味を持ち、たくさん話すようになりました。
Aさん華やかな衣装でダンスを披露する「街時計」に参加したときは、大きな拍手をもらった長女が”どや顔”をしていました。他人から褒められたり、通りすがりの大人から拍手をもらったり、そんな経験ができるのはキッザニアだからこそ。仕事体験を重ねるたびに、自信をつけていきますよね。
Sさんそうですね。達成感を得て、ひとまわり大きく成長していく気がします。キッザニアが教えてくれたのは、一生懸命何かに取り組む娘を見守るひとときは、親としてとても幸せな時間だということ。半年前、1年前と比べて「あれもできるようになった」「これもできるようになった」と気づくことができます。
Hさん遊園地は受け身でアトラクションを楽しみますが、キッザニアはこどもが主体的に動くので、ほかの施設では見られない発見がありますよね。未就学児でも各パビリオンで新しいことを覚え、1日で複数の仕事をできるようになっているところがすごいと思います。それはパビリオンにいるスタッフの皆さんのおかげ。プロとして、幼いこどものようすをちゃんと見てくれるし、年齢に合った役割を与えてくれます。
Sさん未就学児の娘が病院の医師の仕事体験をしたとき、周りはお姉さんばかりでした。スタッフの方が仕事を割り当ててくれて、お姉さんは手術を、娘は手術のサポートを担当しました。異年齢のこどもと1つのことに取り組む体験は素晴らしいと思ったし、娘は担当の仕事をやり遂げながらも、「私も手術ができるようになりたい」と新たな目標に意欲を燃やしていました。
Aさん一度パビリオンを訪れただけで長男の名前を憶えてくれて、次に会ったときに「●●くん、また来てくれたの」とスタッフの方が声をかけてくれたときは感動しました。こどもが仕事に興味を持てないときや、うまくいかずにへそを曲げそうなときには、こどもの目線に立って上手に誘導してやる気にさせてくれます。褒め上手で、明らかな失敗に対しても即座にいいところを見出して励ましてくれる。そうした対応を見て、「私も叱るより褒めるところを探そう」と意識が変わりました。
Hさん・Sさん成長していたのは親の方かも。
幼いお子様の経験は、たくさんの発見をもたらしてくれたんですね。小学生になると、どのような変化が見られるようになりましたか。
Hさん小学生になるとお金や職業を含め、幅広いことに関心を持つようになりました。お菓子工場でお菓子を作る立場を体験した後は、日常生活で関わるものに「これはどうやって作るんだろう」「このお店の場合はどうなっているんだろう」と、それまでとは違う視点で疑問を口にするようになりました。
Sさん娘はキッザニアを満喫するため、事前に計画を立てるようになりました。ガイドブックを読んでパビリオンや仕事内容をチェックし、館内のマップをコピーして回る順番を書き入れ、効率よく仕事ができるよう頭をひねっていました。そうした計画性は中学受験でも発揮され、ホワイトボードにやることを書き出して順番に消していくなど、効率を考えて勉強していました。いま思えば、キッザニアでの経験が活かされたのかなと。
Hさん分かります。振り返ってみると、「計画を立てて動く」という体験を初めて実践したのがキッザニアでした。いま娘は中学受験に向けて勉強していて、受験勉強はもちろん、この先もずっと「計画を立てて動く」ことは必要で、その大事なことを幼い頃に学んでいたんだなと思います。
Aさん長男も長女も、キッゾを効率よく稼ぐために時計を見て行動するようになりました。次の仕事体験まで時間があると、スタッフの方にJOBスケジュールカードを見せて「次の仕事までに、ここで体験できますか」と聞き、体験できないと言われたら「じゃあ、さっき空いていたパビリオンに行こう」と臨機応変に、“時間とお金と段取り”を意識して動いていました。この3つは将来どんな職業に就こうとも外せない重要事項で、受験すら飛び越えて長い人生の根底に流れる大切なことを、こどもはそうとは知らずに経験していたんだなと感じます。
キッザニア未経験の保護者の方に向けて、リピーターママからのアドバイスをお願いします。
Hさんキッザニアは、訪れるたびに「自分がこどもの頃にもあればよかったのに」と強く感じる施設です。手を動かすものや、作る・食べるなど分かりやすい職業であれば小さいこどもでも興味を持って取り組むと思いますよ。体験した職業の役割について娘と話をしたことは、かけがえのない思い出です。
Aさん経験はこどもの財産になります。我が子を心配する気持ちは理解できますが、早生まれでのんびり屋の年中児でも全く問題ありませんでした。スタッフの皆さんはプロなので、幼稚園の先生や保育士にこどもを預けるように、大船に乗ったつもりで送り出してあげてください。
Sさん医療系の研究者を目指している中1の娘は、年長のときの仕事体験の楽しさや達成感を鮮明に覚えていると言います。菌研究者の後も医療関係のパビリオンを好んで巡り、その体験が娘の夢につながったようです。さまざまな仕事について知り、将来の夢を見つけることもできたキッザニアを、娘を一緒に育ててくれた場所のように思っています。こどもの成長を感じながら、“見守る楽しさ”をぜひ味わってみてください。
先輩ママおすすめの未就学児でも楽しめるパビリオン
Hさん警察官を体験すると警察手帳がもらえます。家では「警察です」と手帳をしょっちゅう見せられました。特定の職業の人しか持てない道具を「私も持っている」という満足感たるやすごいものだと感じましたね。
同じ理由で、銀行で口座を開設してキャッシュカードを受け取り、ATMを操作したときも感動の余韻に浸っていました。リアリティを感じる体験はこどもにとってたまらないようです。
- パビリオンソフトクリームショップ
- アクティビティお客さん
Aさん食いしん坊のこどもが好きだったのはソフトクリームショップ。自分でソフトクリームを作れるので、小さいこどもが満足感を得られます。また、パビリオンの成果物は記念になるし、帰宅してからも楽しめるので、石けん工場もおすすめです。娘が作った石けんは家族みんなで使いました。
- パビリオンメガネショップ
- アクティビティメガネショップの店員
Sさん娘は病院の仕事(医師、看護師 、救命救急士、薬剤師)を多く体験しましたが、絵の具屋や石けん工場など成果物を持ち帰れるパビリオンも大好きでした。頑張ったことを形にして持って帰れることは、小さなこどもには分かりやすく、嬉しいようです。娘はおじいちゃんの家に行くとき、メガネショップで作ったサングラスをかけ、おじいちゃんとおばあちゃんに仕事体験を語っていました。当日だけでなく、時間が経っても楽しさが続くところがキッザニアの魅力だなと感じます。