「理数系4分野+芸術」で発想を広げるSTEAM教育! 未来の社会問題を探る特別授業

「理数系4分野+芸術」で発想を広げるSTEAM教育! 未来の社会問題を探る特別授業

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駒込中学校・高等学校(以下、駒込)は科学・技術・工学・数学の4分野を総合的に学ぶSTEM教育を実践していることで知られています。以前から高校生対象のSTEM教育が注目されてきましたが、そうした新しい理数教育が中学生にも広がっていることをご存じでしょうか。今年10月には中1・中2が参加して「大学の教員・大学生から指導を受けつつ、オリジナルのSFストーリーを創作する」という特別授業を開講。STEM教育にさらに「A(Art=芸術)」の要素を加えた最先端の「STEAM教育」を生徒たちが体験する機会となりました。

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「人工知能が反乱を起こしたら…」東工大助教授と考察

特別授業にはゲスト講師として、東京工業大学の山崎詩郎助教授が招かれました。生徒たちは本物の科学者からSF作品の読み解き方、科学の最先端の知識を学びながら、丸1日かけてストーリーづくりに挑戦します。この授業で育てる力は「未来社会をイメージする力」です。現在、さまざまな研究機関・企業が「イノベーションを起こす人材に必要な資質」として重視しているものでもあります。「地球外知的生命体」「人工知能」「時間(タイムスリップなど)」といった中学1年生でも親しみやすいテーマから各クラスが1つを選択し、グループに分かれて活発に議論しながら創作に打ち込みました。

ストーリーを創作するため議論する生徒たち。
ストーリーを創作するため議論する生徒たち。
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発想が広がるグループワーク! 大学生メンターが手厚くサポート

生徒たちが創作したストーリーは多種多彩。例えば、中学1年生による「人工知能」をテーマとするものだけでも、「ロボットがロボットを増産し、人類を脅かす」「人工知能に頼りすぎたせいで人類の知能が下がってしまう」「ロボットが感情を持った自律的な存在になり、人間に共存を持ちかける」などバリエーション豊かな発想が広がったのです。

創作したストーリーのイメージ図を作成している様子。
創作したストーリーのイメージ図を作成している様子。人工知能を搭載したロボットのイラストを描いています。

それもそのはず、生徒たちはストーリーを組み立てる各手順について非常に丁寧な指導を受けています。この特別授業には連携先の株式会社トモノカイから大勢の大学生がメンターとして派遣され、積極的に活動できるようサポートにあたりました。また、授業の最後には「プロの小説家からSF小説の添削が受けられる講座」を開講するという、生徒たちに嬉しい発表がありました。生徒の創作意欲を高めるプログラムなど、駒込のSTEAM教育はさらなる発展をしていきます。

メンターから助言を受ける生徒たち
メンターから助言を受ける生徒たち。
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「表現することの難しさ」に気づく生徒たち

2020年、コロナ禍で人と人との交流機会が減る中で、今回の特別授業は生徒の心に残る貴重な体験となったに違いありません。今回の授業を振り返ってのお話を中学1年生の2人にインタビュー。大きな気づきがあったことがうかがえました。

白井隆佳くん(左)、織田智秋くん(右)
白井隆佳くん(左)、織田智秋くん(右)。

インターエデュ(以下、エデュ):2人が創作したストーリーを教えてください。

白井くん:「人間はどのようにロボットを使うべきか」を考えさせるストーリーをつくりました。ある子どもが病気の母親を助けたい一心で、お金のために盗みを働いてしまうところからスタートします。子どもには不幸な事情がありますが、ロボットの警察官は凶悪犯と同じように容赦なく対応してしまいます。ロボットは決められたようにしか動けないからです。最後は「この事件を知った技術者が、もっと人の気持ちに寄り添えるようにロボットのプログラムを書き換える」という結末を迎えます。ロボットに仕事を任せるには工夫が必要だということを伝えたかったです。

織田くん:僕のグループがつくったのは「タイムマシンを奪い合う大戦争が起きてしまう」というストーリーです。僕はタイムマシンの設定づくりを頑張りました。タイムマシンの理論について調べると、過去に行くことはできるけれど未来には行けないということが分かりました。そこを踏まえてストーリーについて提案していく役割でした。

インタビュー中の白井くん
今回の特別授業で「ロボットには人間の感情が分かりません。だから向く仕事、向かない仕事があるはず」と気づいたという白井くん。

エデュ:ストーリーをつくるときに悩んだこと、難しかったことは何ですか。

白井くん:人の感情に訴える場面をどうつくるかがとても難しかったです。今まで観た映画、読んだ小説のすごさに気づきました。また、あまり科学的におかしな部分が生まれないようにチェックするのも大変でした。最初小さいドローンを警察官として登場させたのですが「ちゃんとしたコンピューターを搭載できない」と考えて、ロボットの警察官に変更しました。

織田くん:科学的な裏付けもそうですが、読み手の気持ちを考えてつくるのも大変でしたね。また、グループのひとりが面白いと思っても、みんなの意見が合わないこともありました。「みんな考え方、感じ方が違う」と改めて思いました。

織田くん
「みんなが納得できる創作物をつくるにはたくさんのことに気をつけないといけませんでした」と話す織田くん。
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理科好きなら駒込! プログラミング教育も対象広がる

インタビューの締めくくりに「駒込の魅力は何ですか?」とうかがったところ、2人とも「理科の実験が多いこと」を挙げてくれました。駒込は実験の回数が多く、中学の3年間で約100回にも上ります。しかし、理科教育の先進性はここだけに留まりません。プログラミング教育も、希望者向けの講座が全学年に拡大されるなどさらなる盛り上がりを見せています。理科好きのお子さまがいらっしゃる保護者の方はぜひ一度、足を運んでみてはいかがでしょうか。

編集者から見たポイント

駒込は「330年以上の歴史を誇る伝統校」のイメージが強い一方、こうした未来志向の教育活動も積極的に取り入れています。仏教の精神に基づく確かな人間教育を受けながら、明日の人材として成長できる学校なのです。

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イベント日程

イベント名 日時
第7回 説明会 在校生による学校説明会 2020年11月21日(土) 14:00~15:30
第8回 説明会 【私立型】過去問体験&解説 2020年12月13日(日) 10:00~12:00
第8回 説明会 【適性検査型】過去問体験&解説 2020年12月13日(日) 14:00~16:00
第9回 説明会 合格力UP入試トライアル 2021年1月10日(日) 10:00~12:30
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