生徒が始めた「被災地復興」石巻絆プロジェクト

生徒が始めた「被災地復興」石巻絆プロジェクト

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茗溪学園中学校高等学校(以下、茗溪学園)では、東日本大震災の復興を支援する「石巻絆プロジェクト」が2012年に発足し、以降、毎年有志の生徒たちが石巻市を訪れています。活動8期目(8年目)を迎えた今年は、代表となった生徒がマレーシアの高校で活動報告をしました。茗溪学園の持ち味である「生徒主導」で、地域と世界の架け橋として活動の幅を広げるプロジェクトについて、担当の先生と在校生メンバーのお二人にインタビューしました。

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本物を見て触れるプロジェクト

発足時からプロジェクトに関わってきた内窪誠先生が、活動の経緯を語ってくださいました。

内窪誠先生・川部さん

左:内窪誠先生 右:川部さん

震災後、石巻の中学校に吹奏楽部の楽器を寄贈したことがきっかけで、プロジェクトが始動しました。当初の目的は、現地のさまざまな施設を回りながら、復興のようすを継続調査すること。プロジェクトは毎年期間限定で行われ、中1から高2の希望者30~40人で縦割り班を作り、高校生自らが中心となって進行します。現地のようすを伝えるべく活動していたら、いつしか生徒にとって石巻は「支援する街」から「行きたい街」へ変化していったんです。第5期では石巻の魅力を伝える「観興マップ」を作り、直近の第8期では、そのデジタル版を制作中です。

ただでさえ季節毎の行事が多く、やるべきことの多い本校で、生徒たちは部活動や委員会活動も同時にこなしています。しかし、生徒たちは「自分のためになる」と知っているから頑張れるし、長らく関係性を築いてきた現地の方に歓迎されれば嬉しくなるし、校内外への活動報告による“振り返り”で自分たちの行いに充実感を感じられる。プロジェクトから生徒は多くのものを得て、そのようすを見た保護者の方は応援してくださっています。本校は“本物に触れる教育”を大切にしており、石巻絆プロジェクトでも生徒は現地で本物に触れ、成長していると思います。

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内向的だった自分が大きく成長

第5期~第8期までプロジェクトに参加し、8期ではプロジェクトの会長として他の生徒たちを率いてきた高校2年生の川部萌々香さんが活動内容について語ります(※インタビューはマレーシアでの発表前に行われました)。

石巻市のお祭り

石巻市のお祭りには、準備段階から地元の方々と一緒に参加しています。

事前研修・本研修・事後研修

私がプロジェクトに参加した理由は、現地の人たちの声を聞いてみたいと思ったからです。活動は11月末から始まり、「事前研修・本研修・事後研修」に大別されます。事前研修では縦割り班で下調べをし、2月半ばに本研修として現地へ。事後研修では活動報告をします。

活動報告は、つくば市内近隣の小学校と茗溪学園の校内で行われます。小学校訪問では、震災を知らない小学生が飽きないようにクイズを盛り込んだり、「想像してみよう」といった参加型のコーナーを作って工夫しますね。校内では文化祭やオープンキャンパス、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)の個人課題研究で、外部の方に向けてポスタープレゼンをします。4月には、私を含む選抜された5人がマレーシアの高校で活動報告をする機会に恵まれ、今ちょうどPowerPointで資料を作成しています。発表は全編が英語です。海外の方の視点を意識しながら伝える内容を考えるとき、茗溪学園でたくさんの留学生と接してきた経験が役立っています。

被災地の様子

テレビの中でしか見たことの無い被災地に訪れた生徒たちは、現地で何を知り、感じたのでしょうか。

将来の夢につながる活動

プロジェクトの活動とは別に、吹奏楽部・サッカー部のマネージャー・文化祭実行委員にも参加しています。忙しいけれど、すべて自分がやりたくてやっていることです。こうした日々のおかげで計画して行動する力がついたし、内向的だった自分がたくましく成長したと実感しています。以前、プロジェクトの副会長をしていた先輩も文化祭実行委員をしながら東大に合格しました。たとえ忙しくても、1つひとつのことに集中して取り組めるのが茗溪生の特徴なのだと思います。

プロジェクトを通してPowerPointが人一倍得意になりましたし、学内に限らず発表会などでも外部の方とスムーズに接することができるようになりました。自分で動き、考えや研究結果を発信することが好きなので、将来はアナウンサーになって社会に働きかけていきたいです。茗溪学園での活動は、自分の夢につながっていると思います。

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OB・OGがもたらす在校生への刺激

今後のプロジェクトについて、再び内窪先生にうかがいます。

プロジェクトの様子

たくさんの茗溪生たちが、プロジェクトに参加した経験を社会に還元しています。

活動が第8期まで続き、大学に進学しても被災地の支援活動を続ける卒業生が出てきました。彼らは本校を訪れて現地で学んだことを教えてくれたり、後輩のプレゼンを指導してくれたりしています。大学で経済を学ぶ卒業生は「学校近隣の企業と一緒に支援できないだろうか」といったアイデアを投げかけてくれました。実現こそしませんでしたが、そうした動きを面白いと思いましたね。今後はOB・OGとの交流によってプロジェクトに変化が生まれることを期待しています。

編集者から見たポイント

石巻絆プロジェクトでは、生徒が毎年自分たちで訪問先を考え、アポイントメントを取ります。また、現地施設や活動報告先の小学校では、生徒たち自らが作詞・作曲したオリジナルソング「KIZUNA」を歌います。どこを切り取っても一貫していたのは「生徒主導」のスタイルであり、茗溪学園が築いてきた主体的な学びがしっかりと浸透していることを感じました。

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イベント日程

イベント名 日時 備考
オープンキャンパス 2019年5月25日(土) ※要予約 ※小学6年生対象
茗溪学園文化祭 2019年6月8日(土)・9日(日)
海外生・帰国生説明会 2019年6月22日(土) ※要予約 ※海外生・帰国生対象
高校学園説明会 2019年7月6日(土) ※要予約 ※中学生対象
吹奏楽部 定期演奏会 2019年7月27日(土)