探究学習と進路指導を両立させるアカデミアクラス

探究学習と進路指導を両立させるアカデミアクラス

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建学の理念に「世界的日本人」の育成を掲げ、創立以来の伝統として創造的思考力に富む生徒を社会に送り出してきた茗溪学園中学校高等学校(以下、茗溪学園)では、2021年度から入学する中学生を対象としたアカデミアクラス(以下、ACクラス)が開設されます。真の学びとは何かを追究するACクラスの立ち上げに深く携わっている先生方へのインタビュー取材から、最新情報をお届けします。

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2021年度新設のACクラス

クラス編成

2021年度の中学入試では70名程度の募集人数となり、2クラス編成となります。2024年度の高校入試で1クラス募集し、高校のACクラスは全3クラス編成となります。

クラスが求める学生像

中高の6年間を通した学びを習得して、大学卒業後も社会でクリエイティブな仕事に就き、知性に基づきながら世界の諸問題に取り組む意思と能力を持つことが求められます。

カリキュラム方針

本当に正しいことを十分に吟味できる批判的思考力、知識や知恵を総合して問題解決方法を打ち出す創造的思考力、築かれた方法論や理論を社会のさまざまな場面に適用できる実装・実践力を伸ばしていきながら、教養を重んじる学究的教育による深みを持った教科指導と選択肢を狭めないための進路指導との両立を実現していきます。

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ACクラスで始まる新たな学び

設立委員として携わってきた3名の先生方から、ACクラスに関する最新情報をお聞かせいただきました。

谷田部先生、勝田先生、新妻先生
(左から順に)谷田部先生、勝田先生、新妻先生。

ACクラス設立の背景についてお聞かせください。

谷田部先生:クラス担任である中2生からは、「なぜ」「どうして」といった質問を多くもらっており、物事の本質を追究したいという向学心が強い生徒が多いと感じてきました。今まで、個人課題研究による論文作成や、帰国生・交換留学生との国際交流を含め、幅広い取り組みを行ってきており、授業の中だけでは収まらない継続的な学びへのニーズに答えたいという思いが強くありました。
私は数学の授業を担当していますが、中学生であっても大学レベルの証明問題にチャレンジすることはできます。そのような掘り下げた授業展開を望む生徒がいる一方で、部活動や行事に集中したい生徒もいます。みんなが納得した学びを実現するためには、新たなクラス編成が必要だと考えるに至りました。

勝田先生:私が担当している国語の授業を例にすると、教科書を読むことは道徳の授業とイコールではなく、登場人物の立場をイメージしながら心情を読み取ることを求めています。そのためには、一場面を切り取って読むだけでなく、一冊を読み通すことが必要になるのですが、通常の授業にはコマ数の制限があるので、そこまで時間をかけることが推奨されていません。ACクラスでは、従来型の効率を重視した授業を超えて、遠回りをしながらでも真の知性を磨くことを目的としています。

新妻先生:現代社会には答えの無い問題が山積していますが、解決方法を生み出すために必要とされる学問の姿勢と言い換えられる「哲学」を、ACクラスでの学びを表すキーワードとしました。教員間でも教科ごとに議論を重ねており、時には他教科の会議に持ち寄ってカリキュラムの具体的な方針を築いています。我々教員と生徒が共に、新しい授業形式にチャレンジすることになるのが楽しみです。

具体的な授業イメージをお聞かせください。

谷田部先生:中学の数学で学ぶ幾何学の証明問題では、そもそも定規やコンパスを使った証明ができるのか、教科書に載っている公式をなぜ証明しなければいけないのかといった根本的な壁に突き当たる場合もあります。学力として必要とされる論証力を身につけるために、従来と異なるアプローチをしていく授業をイメージしています。

勝田先生:専門性を深めるだけでなく、複合的な学びから生徒の才能を伸ばしていきたいと考えています。したがって、基本となる5教科すべてを網羅することで、どのような問題でも最適解を導くことのできる知識を増やす学びを実践していきます。
従来はテストの点数で生徒の学力を評価してきましたが、これからはレポートなど多様な形式での評価を採り入れていく予定なので、それに合わせた授業が必要になってくるでしょう。

展示パネルの前に立つ生徒たち

Meikei Academic Projectという新たな学びを始めるそうですね。

新妻先生:略してMAPと呼ばれるプロジェクトになりますが、総合的探究の時間を利用して、普段の授業で取り組まないエッセイの執筆などを計画しています。あらゆるテーマを扱うことで生徒の関心を深めつつ、論理的に表現する力を伸ばしていきます。さらに、姉妹校の多いアジア諸国の学校と連携しながら、社会問題についてチーム毎に研究をすすめることも予定しています。いずれは現地でのディスカッションを行いつつ、生徒間の交流を深めるようになるでしょう。

留学生との交流のようす

ACクラスの入試形態についてお聞かせください。

勝田先生:思考力や読解力を試す問題が多く、丸暗記だけでは対応できない受験生もいるかもしれません。勉強のアドバイスになりますが、問題に正解したとしても、なぜそうなったのかを理解することが必要です。今まで勉強してきた成果を十分に発揮できれば、入試の結果もついてくると思います。

IBクラスやMGクラスの違いについてお聞かせください。

新妻先生:クラスが異なっても、同学年として行事には一緒に参加しますので、生徒間の繋がりは変わりません。教員もそれぞれのクラスで授業を担当するため、違いを意識するよりも多様な授業が展開されるようになるとイメージしてもらいたいですね。

勝田先生:これまでの国際教育を通して、教員全体がIBマインドを身につけています。これは既にMGクラスでの指導に活かされているので、ACクラスでも同様に国際社会で活躍するための知識や教養を伸ばすことができるようになります。

姉妹校との交流のようす

ACクラスに期待を寄せる保護者・受験生へのメッセージをお願いいたします。

新妻先生:MAPでの授業を通して、キャリア教育に力を入れていくつもりです。特別な学習内容や行事と連動させて、ビジネスプランを立ち上げるようなユニークな活動を検討しており、校外の方々にも協力を仰ぎ、革新的な教育を進めていきます。

勝田先生:新たな授業の進め方や学習目標といった、新しい学びを築き上げていく段階にあるので、学校全体が活気に満ちています。来年はどんな年になるのか、目を離さずに注目していただきたいと思います。

谷田部先生:中高時代で学んだことの大切さを、大人になってから初めて実感することは多々あります。学生の段階から将来を意識して学問の本質を掘り下げる経験は、生徒の一生に大きな意味を残すことになるでしょう。そんな学びを実践するACクラスのこれからにご期待ください。

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編集者から見たポイント

留学生や帰国生を受け入れてきた伝統をIB教育の実践に昇華させた茗溪学園は、さらなる一歩として、学問に必要とされる哲学の思想を採り入れたACクラスを立ち上げるに至りました。大学進学実績が学校選びの指針となっていた昨今ですが、これからの時代はどのようにして何を学ぶのかを評価することが重要になりました。わが子を大きく成長させる可能性に満ちたACクラスの今後にご注目ください。

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