inter-edu’s eye

日本で初めての広域通信制高等学校として、50年以上の歴史を誇るNHK学園高等学校。普段は自分に合ったスタイルで学んでいる生徒が一同に会し、盛り上がるのが学園祭です。生徒たちは、どのような思いで学園祭に臨んでいるのでしょうか。その裏側を取材しました。

テーマはsmile! 生徒が笑顔で集う学園祭

訪れた人たちの笑顔があふれる学園祭。その様子をレポートします。

学園祭はなかなか会えない友との交流の場

開会式

開会式では、校長の賀澤恵二先生より、開会あいさつが述べられました。

「全国三千数百人の地域も年齢も違う生徒が、この学校に集まる学園祭。普段はなかなか会えない生徒同士が集い、通信制高校でありながら、寸暇を惜しんで準備してきました。学園祭は、全国各地の遠方の友、曜日、時間帯の異なる友との交流の場であり、一人ひとりが、学校を自分の居場所として再認識する場でもあります。生徒には、交流第一で楽しんでもらいたいです。」

学校に登校して授業を受ける“スクーリング”の曜日が異なる生徒同士が顔を合わせる機会は、学園祭の他には、運動会と卒業式しかないそうです。校長の言葉からも、学園祭は生徒にとって特別な日であることが伝わってきました。

クラスや部活の出し物が盛りだくさん!

活気ある学園祭の様子をお届けします。

専門学校体験(進路指導部)

◆専門学校体験(進路指導部)
おしゃれなネイルチップ作成や、より専門的な歯科技工など、専門学校の授業を体験できるコーナーで、生徒たちも興味あるコーナーに積極的に参加。

トロンボーンとピアノのコンサート

◆トロンボーンとピアノのコンサート(生徒自主企画)
音楽室には多くの来校者が詰めかけ、トロンボーンとピアノのアンサンブルに聴き入る様子が見られました。

縁日)

◆縁日(月曜日スクーリングクラス)
3つのゲームの獲得ポイントに応じて景品をGET! 小さい子どもたちが集まり、楽しんでいました。

古本市・喫茶店

◆古本市・喫茶店(図書委員会)
古本市には喫茶店も併設。喫茶店は地元の公民館からの出店です。地域との関わり合いもうかがえました。

車いすに乗ってみよう&高齢者疑似体験

◆車いすに乗ってみよう&高齢者疑似体験(介護福祉士専攻科)
長年福祉教育に携わってきたNHK学園。学園祭名物の「車いす体験」では安全な乗り方などを体験。

全国の協力校

◆全国の協力校
全国のスクーリング協力校も参加。アートや地域の特色をまとめたカルタや、体育館ステージでは新潟市立明鏡高校による合唱発表も行われました。

もみじの木

◆もみじの木(生徒会企画)
生徒のメッセージを集めて作ったもみじの木には、学園祭や運動会などの思い出が書かれていました。

手作り年賀状&展示

◆手作り年賀状&展示(同窓会)
これまでの同窓会の写真などが展示され、卒業してからも絆が続くNHK学園の温かさを感じました。

模擬店の数々

◆模擬店の数々(各クラス)
グラウンドに出店されている模擬店では、焼きそばやチョコバナナの他、毎年学園祭に参加している協力校「千葉黎明高校」による黎明餃子も大人気。午後早くには売り切れの模擬店が続出しました。

調理室

◆調理室(模擬店準備)
模擬店で販売する料理を作る生徒たちで大忙し。みんな一体となって、和気あいあいとしていました。

個性を認め合うからこそ、みんながまとまる!

NHK学園の一大イベントとして盛り上がる学園祭。生徒たちの裏側について、学園祭実行委員長のOさんに話をうかがいました。

学園祭実行委員長

“頼れるお兄さん”的な役割を担っている、学園祭実行委員長のOさん

インターエデュ(以下、エデュ):学園祭実行委員になったきっかけを教えてください。

Oさん:NHK学園に入学する生徒の年齢はさまざまなのですが、僕ら30代はちょうどその中でも真ん中くらいにあたります。実は、入学式でのあいさつを任されたのを機に、みんなと学校行事を楽しくやりたいと思い、自分のできる範囲でできることをしようと決めたんです。それで実行委員になりました。

エデュ:みんなをまとめる上で苦労した点はありますか?

Oさん:実行委員といっても、みんなが楽しめるように見て回るくらいで…(近くではしゃいでいた生徒たちに向かって)おーい、取材中だから静かに! …と、こんな感じで、僕がこういうポジションにいれば、10代、20代の子たちも面白く楽しめるのかなと思います。

エントランス広場

3階までの開放感ある吹き抜けが特徴的なエントランス広場

エデュ:兄貴分みたいな存在なのですね。

Oさん:先生たちも、生徒が困っている時に、先生がみてあげられない部分をみてほしいというのがあるのかもしれません。同年代だとぶつかってしまうことも、年代が違うからこそ、正面からぶつからずに交流できるのだと思います。みんな年齢に関係なく一緒に遊んだり、勉強も教えあったりしていますよ。

気になる学校生活を生徒会が教えます!

生徒会

生徒たちの楽しむ様子が伝わってきた学園祭ですが、普段の学校の様子も気になるところ。生徒会のみなさんに、スクーリングの様子を教えてもらいました。

Q1.友だちはできますか?
A1.会える日数が少ないからこそ、相手をより思いやることができ、みんな仲良く学校生活を送れます。

生徒会

Q2.困ったことがあった時は?
A2.誰かに何かがあったら周りのみんなが心配して、支えようとしてくれます。優しい人たちばかりです。

Q3.みんなにとってNHK学園とは?
A3.緊張や心配のない、心が安らぐ場所です。学校に通うことで、自分の活動場所を得られました。

編集者が見たポイント

普段はなかなか会えない年齢も異なる生徒たちですが、会う回数が少なかったり、年齢が違ったりするからこその絆が生まれ、学園祭も盛り上がるのだと実感しました。次回は卒業生にインタビュー。NHK学園で希望する進路を実現させた秘密に迫ります!