inter-edu’s eye

豊かな自然環境の中で、社会で活躍する女性を育てている共立女子第二中学校高等学校(以下、共立女子第二)では、中学生を対象に「ファーム教育」を行っています。広大な農園を活用して、さまざまな野菜を栽培。理科、家庭科、そして食育の教科横断型の学びを展開しています。今回は、ファーム教育にスポットを当て、作業に汗を流す生徒と、それを見守る校長にお話をうかがいました。

体験を重視した共立女子第二のファーム教育とは?

緑豊かな恵まれた環境

緑豊かな恵まれた環境にある共立女子第二にとって、自然は教科書。学校全体を教材として充実した理科教育を行っています。その一つがファーム教育。中学生を対象に野菜づくりを通して、土と触れ合い、生命の大切さや食材に対する感謝の気持ちをはぐくみます。

充実したプログラム

300㎡の広大な畑で、1学期はトマトやナスなどの夏野菜、2学期は大根やさつまいもなどを栽培。収穫した作物は調理実習で使うなど、家庭科の授業に役立てます。また、食べ物の旬を学んだり、収穫した作物を自宅に持ち帰り、家庭で食す機会を作ったりするなど、食育とも連動し、充実したプログラムを進めています。

ファームって楽しい!生徒インタビュー

実際に生徒たちは、ファーム教育の野菜作り体験をどう感じているのでしょうか。作業を終えたばかりの中1生の2人にお話を聞きました。

後本恵利葉(のちもとえりは)さん

後本恵利葉(のちもとえりは)さん
趣味はカエルの図鑑を読むこと

戸部栞奈(とべかんな)さん

戸部栞奈(とべかんな)さん
果物を食べるのが大好き!

インターエデュ(以下、エデュ):ファームでの授業お疲れさまでした!座学での勉強もある中、外に出て作業をするのは大変ではないですか?

戸部さん:畑に入って自分で作物を収穫することができるので、とても楽しいです!

後本さん:作業は自分の力でやらなくてはいけないので、大変な部分もありますが、その分、食べ物に対してありがたいと感じられるようになりました。

エデュ:まだ始まったばかりのファームでの授業ですが、作業にはもう慣れましたか?

後本さん:小学生のころに朝顔を育てたりした経験はあるのですが、土を作ったり、苗を植えたりなどの本格的な栽培は初めてでした。少しずつ作業にも慣れてきて、前向きに楽しくできています。

戸部さん:苗を植えた経験はあるのですが、まだ作業には慣れていません。でも、とても良い経験になっていると思います。先日は学校の裏庭で、たけのこ掘りもしました!

ファーム教育の野菜作り体験

エデュ:野菜作りで勉強になったことや新しい発見はありますか?

後本さん:前回、腐葉土の作り方を学び、とても勉強になりました。ほかの土の作り方も学びたいと思いました。先生から収穫した野菜のレシピを教えてもらえるのも、すごく勉強になります。

戸部さん:前回の作業で、野菜のほかにコットンの種を植えました。コットンがどのように育つのか今から楽しみです!

エデュ:ファームでの作業の魅力を教えてください。

後本さん:作物を一から育てて、自分の手で収穫できるのが魅力だと思います。前回植えたキュウリを収穫まで大事に育てていきたいです。

戸部さん:花が咲いていたり、虫がいたり、都会の中でも自然と触れ合えるのは大きな魅力だと思います。私は、米ナスと枝豆とコットンを植えました。収穫の日がとても楽しみです。

校長メッセージ「体験をきっかけに学びの幅を広げてほしい」

晴山 誠也 校長

晴山 誠也 校長

この地で野菜の栽培を始めてから6年目になります。土の香りがする現場で、収穫する喜びを味わうことで、生徒たちはたくさんの発見をしています。虫が苦手な生徒がいれば、平気で手に取る生徒もいる。苦手な生徒は、平気で虫をつかむ生徒の姿に驚くと同時に、友だちの新たな一面を知ることができます。トマトが苦手な生徒は、収穫したばかりのトマトをおいしそうにほおばる生徒を見て、食べてみる。すると、「意外とおいしい」と野菜に対する先入観も薄れていくのです。このように、生徒は五感を使った学びが得られるのです。

野菜の栽培を始めてから6年目

スーパーマーケットには、お行儀のよい野菜が並んでいます。しかし、畑で育てる野菜は、曲がったキュウリがあり、虫の食ったトマトもあります。姿形の良い野菜がすべてではないことを知り、虫が食べるほど安全でおいしいということを知ってもらえたらと思っています。形が悪いから食べないのではなく、「形が悪くてもおいしい」と生徒に思ってもらえたらうれしいですね。

ファーム教育では理科だけでなく、家庭科、食育など教科横断型の学びが可能になります。教科書や座学の授業では得られない、「見えない学力」をはぐくむのに役立っていると実感しています。風のにおいや色とりどりの花、土の手触りなど五感を使った総合的な学びができるのは、ファーム教育の魅力でもあります。友だちとの共同作業、驚き、発見などの体験を根幹にして、学びの幅を広げてほしいと考えています。

編集者から見たポイント

青空の下、豊かな自然が広がる畑で作業に汗を流す生徒たちの、活き活きとした姿がとても印象的でした。こうした体験が生命の大切さを実感する機会になるだけでなく、好奇心をはぐくみ、学習意欲の向上へとつながっているのでしょう。活気あふれる共立女子第二の良い雰囲気はファーム教育で作られているのだと目の当たりにした取材となりました。

注目のイベント日程

イベント名 日時 概要
白亜祭 9月16日(土)・17日(日) 本校の文化祭は生徒会が主催します。受験生と保護者の方は自由にご覧いただけます。学校紹介・入試相談コーナーを設置、さらにミニ説明会も実施します。
入試問題研究会【1】 10月7日(土)
11:00~12:30
受験生の皆さんには過去の問題を使った入試問題研究会を実施、同時間帯に保護者の方には学校説明会を実施します。
ナイト説明会 10月13日(月)
18:00~19:30
夜の説明会。天文教室を実施、土星の輪などを観察します。ハロウィン企画も予定しています。
入試問題研究会【2】 11月11日(土)
11:00~12:30
受験生の皆さんには過去の問題を使った入試問題研究会を実施、同時間帯に保護者の方には学校説明会を実施します。入試問題研究会は、第1回とは異なる問題で行います。