生徒想いの進路指導! 共立女子第二の「針路プログラム」とは?

生徒想いの進路指導! 共立女子第二の「針路プログラム」とは?

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社会に貢献できる自立した女性、「しなやかで芯の強い女性」を育てている共立女子第二中学校高等学校(以下、共立女子第二)。「針路プログラム」と呼ばれる進路指導をはじめとした教育は、単なる進学先・職業選びにとどまらず、生徒一人ひとりが人生の羅針盤を見つける行程のようでもあります。
130年前の設立当初から「女性の社会的自立」を目指してきた伝統校の実態を探るべく、進路指導部主任の小池先生と、この春見事に慶應義塾大学経済学部に合格し、充実したキャンパスライフを送っている卒業生の浜本さんにインタビューしました。

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その子らしさを見出す「針路プログラム」と手厚い指導体制

インターエデュ(以下、エデュ):「進路」ではなく「“針”路」プログラムという名称にはどんな意味が込められているのでしょうか。

小池先生:本校では10年以上前からこの呼び名を使っています。単なる「進む道」ではなく、卒業後、人生という航海に出て、悩んだり迷ったりしたときに、舵をどんな方向に切っていくのか、その羅針盤となるようなものを生徒一人ひとりの中に育んでほしいという思いが込められています。
女性の人生には、進学・就職の先にもさまざまな転機が訪れます。加えて、今の世の中では先を読むのが本当に難しい。そんな中でも「自分はこれ!」といったものをもち、20年後、30年後も自立できるようになってほしいと願っています。

生徒主体の職場体験を実施

エデュ:10代の生徒たちに「20年後の自分の姿」と言ってもイメージしにくいのでは?と思うのですが、どのような工夫をされているのでしょうか。

小池先生:先が見えない時代でも、「こんな学問があるよ」と視野を広げ、刺激を受けてもらうことを目指した「適学適職診断」を実施しています。また、職場体験も特徴的だと思います。
本校では、中3の秋に2日間の職場体験を行うのですが、この準備は中2の3学期から始まります。どうしてこんなに準備期間が長いのかというと、職場体験を受け入れてくれる事業所探しから生徒たち自身に取り組ませるからです。

エデュ:先生方が用意されたリストなどから職場体験先を選ぶケースが多いなか、それは画期的ですね。

小池先生:もちろん、電話のかけ方などは指導しますし、受け入れ事業所が決まったら学校から正式な依頼文書を発行して送ります。また、いざという時には受け入れてくれるOGの職場なども確保しています。ですが、保護者の皆さんにも「自分で探させてください」とアナウンスし、事前の打ち合わせまですべて生徒自身にまかせています。

エデュ:その職場体験を通じて、生徒たちに強く伝えたいことはどんなことでしょうか。

小池先生:仕事を体験すると、それまでは見えなかった裏方の部分も目にします。そして、異なる視座を持てるようになり、大人にも近づけるのではないかと考えています。

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学習面もしっかりサポート!

エデュ:学習面では、入学直後から、かなりショートタームで学力推移調査を継続されていますね。

小池先生:各学年の学業成績の傾向を過年度と比較できるので、それぞれの学年の得意・不得意に合わせた指導ができます。また、本校では最近英語を4技能型の授業に変えたのですが、英語がよい結果になったので、確信を持って指導に取り組めるようになったということもありました。

エデュ:針路プログラムの今後の展望をお聞かせください。

小池先生:先を読むのが難しいこれからの世の中。女性の生き方にもこれといったスタンダードモデルを提示しにくい時代になると思います。そんな中でも、様々な刺激や選択肢、そのための情報を生徒たちに提示していきたいですね。大学進学だけではなく、そのずっと先まで見通し、予測していかなければならないので、私たちも常にアンテナを張っています。

「今後も進路指導を発展させたい」と語る小池先生
「今後も進路指導を発展させたい」と語る小池先生。
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懐の深い共立女子第二の6年間で育んだ自分らしさ

現在、慶応大学経済学部に通う浜本さん
現在、慶応大学経済学部に通う浜本さん。

エデュ:共立女子第二に入学したきっかけを教えてください。

浜本さん:受験は母の勧めがきっかけでした。入学を決めたのは、綺麗な校舎や自宅からのアクセスの良さなどに惹かれたからです。

エデュ:共立女子第二での学びは現在も活きていますか。

浜本さん:異性の目を気にせず、のびのびと自分らしく過ごせる環境と、包容力のある先生方のおかげで、自分がどんな人間で、何をやりたいのか?といったことがよく分かるようになりました。今、私は経済学部に通っていますが、実は高3の7月までは理系で、経営工学部志望でした。でも、「自分は一つのことを突き詰めるよりも、幅広く考えて行く方が好きだ」と気づき、お金を切り口にさまざまなことにアプローチできる経済学に志望を変えました。高3の夏の文系への転換はリスキーですが、先生たちは私の決断を応援し、背中を押してくれました。
それから、共立女子第二の生徒にはおっとりしていて優しい性格の子が多いので、いつの間にか「自分の意思はしっかり伝えつつも相手に気を遣う」ということができるようになり、大学生活で活かせています。

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エデュ:針路プログラムや学習指導について、印象に強く残っていることはありますか?

浜本さん:職場体験では、飲食店を希望していましたが、何店も電話しては断られて…なかなか思い通りにはいかないなと思いました。最終的に本屋さんで職場体験をしたのですが、接客業ということもあり仕事の大変さが分かりました。1冊の本が買う人の手に届くまでにも、思った以上に多くの人の仕事が関わっているのだということを知って、勉強になりました。
共立女子第二では、先生がみんなとても面倒見がよくて、大事にしてもらえました。数学の先生に記述問題の添削をお願いしたら、コメント入りの付箋がものすごくたくさんついて戻ってきたことがありました。塾の先生の何倍も丁寧で、感動しました。

エデュ:最後に、受験生やその保護者へメッセージをお願いします。

浜本さん:先生たちが生徒の個性を認めて、ある程度好きにやらせてくれるので、のびのびと過ごし、自分のやりたいことができた6年間でした。心に余裕をもった学校生活を送りたい人には本当におすすめの学校です!

小池先生:生徒を型にはめたいタイプの教師がいないので、どんなタイプの子にも居場所が見つかる学校です。安心できる環境でのびのびとした学校生活を送ってもらい、可能性を広げてもらいたいと思っています。

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当時テニス部の顧問と生徒という関係性だったおふたり
当時テニス部の顧問と生徒という関係性だったおふたり。

編集者から見たポイント

大学では優秀な友人に囲まれ、毎日が刺激的だという浜本さん。「もっともっとお互いを高め合える人に出会い、自分の世界を広げたいです!」と目を輝かせて将来への想いを語る姿に、「しなやかで芯の強い女性」を見たような気がしました。

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イベント日程

公開行事・体験型イベント

イベント 日時
入試問題研究会 2/中学校説明会 2019年11月30日(土) 10:30〜12:00
適性検査型入試体験/入試説明会 2019年12月7日(土) 14:00〜15:30
国算2科型入試体験/入試説明会 2019年12月22日(日) 9:30〜12:00

学校説明会

イベント 日時
中学校説明会+授業公開 2019年10月31日(木) 10:30〜12:00
中学校ナイト説明会 2019年11月1日(金) 18:00〜19:10
中学校説明会/入試問題研究会 2 2019年11月30日(土) 10:30〜12:00
入試説明会/適性検査型入試体験 2019年12月7日(土) 14:00〜15:30
中学校説明会/国算2科型入試体験 2019年12月22日(日) 9:30〜12:00
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