inter-edu’s eye

連載第1回でご紹介した「日駒新教育構想」の続報として、学校生活を心地よく過ごせるようにリニューアルした校舎の完成風景や、進学校としての進化の基盤となる「4つの重点分野」、新たな入試制度導入の取り組みを通して、日本工業大学駒場中学校(以下、日駒)の魅力をご紹介します。

校舎を全リニューアルした、新しい日駒での生活がはじまる!

学校生活は、登校から下校まで時間の経過とともに、するべきことがどんどん変わっていきます。学習の時間、お弁当の時間、部活動の時間、友だちと楽しく話す時間、そして自習をする時間。快適に使いやすく、リラックスできる環境の創出が、リニューアルの目的です。日駒の学園創立110周年に向けた、校舎の全リニューアルがついに完成した現在の風景をご紹介します。

重厚な石造りとなった正門の門柱

重厚な石造りとなった正門の門柱

正門と玄関の間のくつろぎ空間となる前庭

正門と玄関の間のくつろぎ空間となる前庭

木のぬくもりを大切にした温かい雰囲気の玄関

木のぬくもりを大切にした温かい雰囲気の玄関

昼休みに集いの場となる人工芝の屋上庭園

昼休みや放課後に集いの場となる人工芝の屋上庭園

女子生徒が会話や着替えに使用する女子ラウンジ

女子生徒が会話や着替えに使用する女子ラウンジ

海外の家庭を再現したコミュニケーションラボ

海外の家庭を再現したコミュニケーションラボ

成長の基盤となる4つの重点分野

魅力ある進学校をめざして、これまでの経緯を大切にしながら、教育の大切な部分は一層強固にし、少しでも高い学びの場所、未知の世界に生徒を導きます。4つの重点分野となる教育・研修・体験が、最終的に生徒のキャリア教育・コミュニケーション教育につながることを目的としています。

国語教育

①国語教育

「読む・書く・話す・聞く」の4技能を鍛え、知的活動の基礎となる思考と情緒を育みます。

これまで日本語で知識を吸収し、日本語で考え、日本語で表現し、発信し、文化を学び、コミュニケーションをしてきました。あらゆる勉強も、国語、つまり日本語を基礎にしています。国語の力を高めることは知識を深め、人を理解し、人柄を育てる基になる、日駒の教育の中核に据えられています。

理数教育

②理数教育

「本物」との出会いを通じて未知の世界への扉を開き、論理的思考力と探究力を伸ばします。

理数分野は領域が奥深い世界です。理数分野に触れる機会を多くつくることによって、皆さんが持っている未だ気づかない新たな潜在能力を、自ら見いだす機会になります。日駒は長い間、工学を大切にしてきましたが、その根源は理数教育にあります。実験と論考を大切にする理数教育を実現します。

英語教育・海外研修

③英語教育・海外研修

「体験」を通じて自己表現力を培い、学園で養われる「温かさ」を基礎とした異文化理解を促します。

日駒では、独自のカナダ長期・短期留学プログラムを20年間にわたって育ててきました。これからも海外研修の運営に力を入れ、また学園が培ってきた【温かさ】【体験の大切さ】を英語の授業でも活かし、4技能の基礎の定着を徹底しながら、世界の人々と心の触れ合いができる真の国際人を目標に取り組みます。

もの創り体験

④もの創り体験

もの創りの感動体験を通じて、変化の激しい時代に必要な「実践的知性」と「柔軟な感性」を養います。

ものを創る、という行為はものに対してばかりでなく、あらゆる場面で限りなく現れます。頭の中の活動はすべて創り出す作業です。具体的にものを創りだすこと、事象を抽象化するための構想など“創る喜びの感動体験”をたくさんして欲しいと考えています。創る喜びは、日駒生だけに与えられた大きな才能であり、将来の成長にも必ず役立ちます。

まとめ

●キャリア教育・コミュニケーション教育

これから国際化・多様化が一層進み、価値観もひとそれぞれ随分違ってくることが予想されます。まず自分の良さを知り、自信をもつこと(自己肯定感の醸成)が求められます。さらに周りの人を大切にする心を持ち、その上で自らの具体的将来像を描けるように、キャリア教育、コミュニケーション教育の充実を図ります。

実力を発揮できる入試の数々

中学入試の多様な方式

従来の2科/4科に加えて、得意な2科目を組み合わせたり、公立校と出題傾向(解答における発想法)が同じ適性検査型や、塾通いの経験が無くてもチャレンジできる自己アピール型入試など、受験生のみなさんが持っている個性や得意科目を大切にした入試の数々をご紹介します。

●2科/4科型 入試

国算の2科、もしくは国算社理の4科いずれかを選ぶ一般入試です。各教科別に、日頃の学習の成果が試される学力検査となります。

●得意2科選択型 入試

科目の組み合わせは、国語、算数いずれかを選び、残りの3科の中から得意科目を選ぶ2科選択型の入試です。(国算、国社、国理、算社、算理のいずれかとなります。)

●適性検査型 入試

都立一貫校が採用している適性検査と同じ傾向の入試です。私立校での採用が増えたことで、併願のしやすさで注目を浴びています。教科横断的な総合力が試される問題が出題されます。

●自己アピール型 入試

従来型の入試では測れない、受験生が持っている力、受験生の思い・考えを見ようという入試です。国語、算数、英語の3科から入試当日に1科を選びます。英語は、英検3級程度で「筆記・リスニング」を行います。また、作文は400字程度で、今までの経験を通して、感動したこと、教訓になったことなど、心に残ったことを自由に記述します。最後に、10分程度で日頃の生活の様子を説明してもらいます。

特待生制度の適用範囲拡大

一定の正解率を上回った成績優秀者が対象になる特待生制度では、A特待が全ての入試回に適用されるようになりました。

◆特待生制度

全ての入試回で、4通りの特待生が選抜されます。
・A特待 入学金+授業料6年間免除(中学3年間免除、高校3年間授業料相当額給付)
・B特待 入学金+授業料3年間免除
・C特待 授業料2年間免除
・D特待 授業料1年間免除

編集部から見たポイント

連載第1回の「日駒新教育構想」から、日駒の進学校化に向けた新たな取り組みを取り上げてきました。平成20年度に新たなスタートをした日駒ですが、来年以降は高校の普通科募集定員を拡大するだけでなく、学科・コースを再編成するという大きな改革が実施されます。時代の要望に合わせて、魅力ある学校に進化することを止めない日駒のこれからに注目してください。