演技に表れる人間性 楽しさと人を大事にする桜華のダンス

演技に表れる人間性 楽しさと人を大事にする桜華のダンス

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「心・技・体」を徹底して鍛え、学業と同等に部活動にも力を入れている日本体育大学桜華中学校・高等学校(以下、日体大桜華)。生徒たちは部活動を通して何を学び、どのように成長しているのでしょうか。今回はダンス部にスポットを当て、コーチと部員にインタビューします。

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好きの集まりから全国大会へ

ダンスパフォーマンスが身近な存在になった昨今、学校で必修化されたことも追い風となり、幼い頃からダンスに親しむ子どもは増えています。そんな中、ダンス好きの集まりだった日体大桜華のダンス部は、2名のコーチを迎えるとわずか2年で全国大会への切符を手にしました。生徒の成長をつぶさに見てきた渡辺コーチと、OGでもある岡コーチにお話をうかがいます。

ダンスよりも人間性

渡辺コーチ
指導する渡辺コーチ。米国 American Dance/Drill Team 2014 in USA HIPHOP部門優勝/総合優勝の経験がある

インターエデュ(以下、エデュ):2年前に着任してから、どのような指導を行ってきましたか。

渡辺コーチ:最初に教えたのは人間性の重要さです。人間性はその人自身に一生関わるものであり、礼節を知らず、人間性が劣ったままダンスが上手くなっても将来何の役にも立たないからです。ダンスを通して育んだ人間性は、やがて表現にもにじみ出てきます。
また、ダンス指導の面ではダンスに対する視野が狭かったので、多様なジャンルのダンスに触れさせました。好きなジャンル以外でも踊ってみると意外にもそれがとても上手だったりする。そうした発見があると面白いですよね。

エデュ:日々の指導で意識していることはありますか。

渡辺コーチ:ダンスは楽しいものだということを常に伝えるよう心掛けています。できない振りを嫌々やるのではなく、もう少し頑張って踊ったら楽しいかもしれないよ、やっていないのに「できない」はだめだよと。そうして心からダンスを楽しいと思うようになれば、部全体の雰囲気がよくなると思っています。
ダンスの構成についてもまずは彼女たちにやらせてみる。そしてもっとよくなると思えばアドバイスをして、部員がやりたいことをこれからもやらせてあげたいですね。

ダンスといえば桜華と言われる存在に

岡コーチ
OGでもある岡コーチ。最近ではWORLD HIP HOP DANCE CHAMPIONSHIP 2017 優勝の経験も

エデュ:日体大桜華の卒業生として、今のダンス部をどう思いますか。

岡コーチ:指導者が不在だった時代と比べると、今のほうが熱心だと思います。今は渡辺さんが主に振り付けを担当し、私は部員の基礎技術を上げるサポートをしています。

エデュ:ダンス部の目標と、岡さんご自身の目標を教えてください。

岡コーチ:ダンスといえば日体大桜華と言われるくらい名を上げたいですね。私自身は在学中からダンスができる体育教師になりたいと思っていて、授業でダンスを学ぶこともできる日体大に進学しました。今もなお、同じ夢を目指しているところです。

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人として得られたものが大きい部活動だった

高校3年次は生徒が各々の進路に合わせて引退のタイミングを決め、それまで精いっぱい部活動に励むのが桜華式。自分で決めた最後のステージまでダンスを楽しむ2人の高校3年生にお話をうかがいます。

(左から)S.Sさん、Y.Mさん
お話をうかがった(左から)S.Sさん、Y.Mさん

エデュ:日体大桜華に入学したきっかけと、ダンス部に入部した理由を教えてください。

Y.Mさん:体育大学の併設校なら規律正しい学校生活を送れると思ったからです。ダンス部には軽い気持ちで入部しました。

S.Sさん:高校2年生からの選択コースに「総合スポーツコース」があったことが志望理由です。ダンサーになることが夢なので、ダンス部に入部しました。

エデュ:部活動を通して何を学びましたか。

S.Sさん:コーチからダンスの基礎や人間性の重要さについて教わり、人として成長できました。また、向上心も強くなったので気持ちの面ですごく変わったと思います。

Y.Mさん:私生活でも学校生活でも規則正しく過ごすようになりました。コーチが来て部員の意識が180度変わり、ダンス部であることに責任感を持つようになったからだと思います。

エデュ:これからの目標を教えてください。

S.Sさん:自分の踊りを見た人がダンスに興味を持ち、ダンスを楽しいと思ってくれるようなダンサーになりたいです。

Y.Mさん:保育士に憧れています。子どもを相手にする職業なので、ダンス部で磨いた表現力を活かせると思っています。

ダンス部の今 ≫

真剣に好きに向き合う活動

活動のようす1

取材当日、ダンス部は文化祭のステージに向けて練習の真っ最中でした。約50人の部員が異なるジャンルのダンスをチームごとに披露するため、椅子を使って踊る部員たちがいれば、身体をくねらせて踊る部員たちもいて、体育館は生徒の熱気で満ちていました。

活動のようす2

コーチは声に出して指導することもあれば、自身の動きを見せてアドバイスすることもあります。生徒はコーチの動きを注視し、指示されたことを考えながら体の端々まで神経を行きわたらせて踊っていました。練習の成果は9月の文化祭で披露されます!
一方、大編成部門で出場する全国大会は9月16日に開催。メンバーの中にはダンス未経験で入部した高校1年生もいるそうです。どちらのステージでも日体大桜華らしいパフォーマンスを見せてくれることでしょう。

文化祭についてはこちら ≫

編集者から見たポイント

今回の取材では、ダンス部員であることに誇りを持ち、人間性を育みながらダンスに打ち込む桜華生の姿を見ることができました。来年度には、いよいよダンスパフォーマンス専攻が新設されます。ダンス部員の中には、高校2年次からダンスパフォーマンス専攻で学ぶために入学した高校1年生が複数いるそうです。意欲ある生徒がすでに集まってきていることから、他校にはないダンスパフォーマンス専攻への注目度の高さを感じました。

ダンスパフォーマンス専攻とは ≫

これからのイベント

イベント名 日時
文化祭 1日目 9月22日(土) 11:00~14:30
文化祭 2日目 9月23日(日・祝) 9:00~14:30
第1回 学校説明会 10月6日(土) 14:30~
部活動体験会 10月20日(土) 14:30~17:00
第2回 学校説明会 10月27日(土) 14:30~
第3回 学校説明会 11月3日(土・祝) 10:00~

詳しくは学校公式サイトから ≫


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