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リハビリ職のすすめ2022

リハビリ職 徹底研究

高齢化と医療技術の進歩による救命率の向上によって、リハビリテーション関連の職業(リハビリ職)は、ますます必要性が高まり、活躍のフィールドが広がっています。
このページでは、リハビリ職の具体的な仕事内容や資格取得までのプロセスを解説。必要な国家資格を目指せる「関東地方でおすすめの養成校(大学や専門学校)」も紹介します。
リハビリ職で働く&目指す先輩のインタビューでは、仕事のやりがいや、この職業を目指した理由もうかがいました。

国家試験の受験者数 合格率の推移は?

国家試験の受験者数推移一覧表

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※2017〜2021年の受験者数と合格率を編集部がまとめたものです。

リハビリ職に関する資格の国家試験は、例年2月から3月にかけて実施され、3月下旬に合格者が発表されます。リハビリ職は社会的なニーズが高まっているといわれますが、これらの職業を目指す受験者は増加しているのでしょうか。そして、合格率にはどのような傾向があるのでしょうか。

今回取り上げた9つの職業のうち、受験者数が最も多いのは理学療法士です。毎年12,000人前後が受験し、うち約10,000人が合格しています。一方で、義肢装具士の受験者数は多い年でも260人程度。将来性の高い職業ですが、受験資格を取得できる大学や専門学校の数が限られていることもあり、大幅な増加にはつながっていないようです。

合格率を見てみると、毎年合格者の割合が高いのが視能訓練士です。例年90%を越える合格率となっています。これとは対照的にやや低いのが柔道整復師。過去5年間の平均合格率は約63%です。合格率には違いがあるものの、どの職業も養成校でしっかり学んで国家試験対策を行えば、十分に合格を手にすることができる難易度といえるでしょう。

複数の資格を取得してリハビリ職をさらに極めよう

リハビリ職イメージ写真

リハビリ職の国家資格は、知識や技能が一定水準以上であることの証明になります。合格すれば、一つだけでも十分活躍することができますが、複数の資格取得を目指す人もいます。リハビリのプロとしてさらに知識や技術を深めたい人、働き方の幅を広げたい人は、複数の資格に挑戦してみるのも良いでしょう。

患者さんを多面的に支援
質の高いリハビリを提供

リハビリが必要となる病状はさまざまですが、例えば脳出血になった患者さんは身体や言葉に障がいが出る場合があります。このような患者さんに対し、身体の基本的な機能回復を支援する理学療法士、「話す、聞く、食べる」の専門家である言語聴覚士、両方の資格を持つ医療者であれば、それぞれの知識を活かし質の高いリハビリを提供することが可能です。患者さんの症状全体を把握して多面的な視点からケアできる医療者は、現場で高く評価されています。

複数受験で共通の科目は免除
学習期間が短縮できる

国家資格を複数取得する場合、関連性が高いリハビリ職であれば共通する科目は免除となり、学習期間を短縮できるメリットがあります。例えばはり師、きゅう師は別々の国家資格ですが、科目の大部分が共通で同時に学ぶことができます。併せて柔道整復師の資格を取得する人も多く、別々なら最短でも6年かかりますが、同時に学べば最短3年で3つの資格を得られます。また、理学療法士と作業療法士はどちらかの国家資格に合格した後、もう一方の資格を取得する場合、共通科目は免除となります。本来は最短で3年かかりますが、勉強期間が2年に短縮されます。

継続的な関わり方が可能に
働き方の幅も広がる

病院で作業療法士として働きながら専門学校の夜間部に通い、はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師の資格を取得して開業した方もいます。現在は治療院を経営するかたわら、訪問専門のクリニックに所属し、患者さんの家に出向いてリハビリにあたっています。複数の資格を取得したことで「病後の患者さんだけでなく、未病の段階やターミナル期のケアなど、幅広い患者さんに長く関われるようになった」と話します。このように、独立開業が可能な資格もあるので、働き方の幅を広げることもできます。

介護の資格を併せて取得
生活に即したサポートを実践

介護分野で働くリハビリ職の中には、介護支援専門員(ケアマネージャー)を取得する人もいます。身体をケアするだけでなく、介護保険の利用、ケアプランについても患者さんと一緒に考え、実生活に即したサポートを行っています。また最近は、介護や医療の現場で、「チーム医療」の重要性に目が向けられています。複数の資格を持つ医療者はさまざまな視点から患者さんにアプローチできるため、「チーム医療」に貢献できます。ますます重宝される存在となっていくでしょう。

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