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リハビリ職で働く&目指す先輩のインタビュー

大学卒業後、夢をかなえリハビリ職の専門家として活躍中の先輩や、現在、リハビリ職を目指して大学で学んでいる在校生にインタビュー。仕事のやりがいや、この進路を選んだ理由、学校選びのポイントなどをうかがいました。
「先輩たち」の生の声を進路選びの参考にしてください。

リハビリ職の夢をかなえた社会人インタビュー 作業療法士編

大津 みいな先輩

幅広い領域で活躍できる可能性を秘めた職業患者さんの個性を尊重したリハビリを提供していきたい

国際医療福祉大学
小田原保健医療学部
作業療法学科(2022年3月卒業)
国際医療福祉大学熱海病院 リハビリテーション部勤務 大津 みいな先輩

就労や趣味活動もサポート
多彩な仕事内容が作業療法士の魅力

「リハビリ」にはどのようなイメージを持っていますか?以前の私は、けがや病気で歩けなくなった患者さんが運動機能を取り戻すために行う治療のことだと思っていました。しかし、祖母が足を悪くして入院したことをきっかけに、リハビリは食事・更衣・トイレ動作など日常生活のさまざまな作業や、就労支援、趣味活動にまでおよぶことを知り、中でも作業療法士の仕事に興味を持ちました。

作業療法士が理学療法士と異なるのは、目に見える身体機能回復だけでなく、心の健康回復につながるサポートも行う点です。専門性が高く、1つの資格で患者さんの生活を幅広く支援できること、高齢化の進行に伴い注目度の高い職業であることなど、多くの魅力があることに気づきました。

作業療法士を目指す私が、この大学を進学先に選んだ一番の理由は、国家試験合格率や就職率の高さです。国家試験対策講座や個別指導、模擬試験などきめ細やかなサポートがあり、合格率は全国トップクラス。私が卒業した2022年は、作業療法士国家試験を受験した全員が合格しました。国家試験直前には先生と後輩が壮行会を開催してくださり、後輩たちが考えた面白い企画や、先生方からの歌のプレゼント、応援メッセージに励まされ、勉強ばかりで辛くなっていた気持ちが明るくなりました。作業療法学科は1学年40人の少人数制ということもあり、アットホームで、先生方に気軽に相談できる雰囲気が良いところだと思います。

大学では多くのことを座学や実習で学びましたが、特に印象に残っているのは「総合実習」です。病院や施設の利用者に、今の身体の状態や普段はどのような生活環境にあるかについて情報収集し、リハビリのメニューを立てることから始めました。学内での座学や実技だけでは得難い貴重な経験となり、作業療法士の仕事のイメージがより明確になりました。患者さん一人ひとりの症状、治療への考え方、回復後の生活は大きく異なります。同じ作業を訓練するときでも、サポートの仕方が異なることをこの実習の中で学びました。

急性期病棟で奮闘する日々
大切なのは臨機応変な対応

昨年3月に大学を卒業し、長期実習でお世話になった国際医療福祉大学熱海病院リハビリテーション部に就職しました。働く前から職場の環境を知っていたので、大きな不安を感じることなく、社会人生活をスタートすることができました。また、定期的に大学の先生方が訪問されているので、一緒に患者さんを診てもらうことがあります。卒業後も指導を受けることができて、大変心強いです。

現在は急性期病棟で、脳卒中で後遺症のある患者さん、整形外科の患者さん、呼吸器・消化器に疾患のある患者さんのリハビリを担当しています。この病棟は病気を発症したばかりの患者さんがほとんどなので、リスク管理をしながら治療と並行してリハビリを行うことが必要です。寝たきりの方、歩く・座るといった簡単な動作はできても、日常生活に不便を感じている方もいらっしゃいます。その日ごとに患者さんの状態やリハビリの目標も異なるため、患者さんの身体と心に寄り添いながら、臨機応変な治療を行うことが何よりも大切だと考えています。そのため、医師や看護師など他職種のスタッフと定期的にカンファレンスを行い、情報を共有しながら治療の方向性を決めるようにしています。

STEF(簡易上肢機能検査)
STEF(簡易上肢機能検査)とは、障がいのある腕の機能を評価する検査です。臨床現場でよく使われています
スプリングバランサー
スプリングバランサーは装着することで腕を使いやすくします。福祉用具の提案・導入も重要な作業療法の一つです

患者さんの回復が大きな喜び
専門分野を見つけることが今後の目標

仕事ではまだまだ悩む場面が多いです。急変のリスクが高い方や身体に点滴やドレーンなどの治療器具を常時つけている方も多く、リスクを考慮しながらリハビリをしなければなりません。また、患者さんやそのご家族の希望と見込まれる回復状態が乖離した際、どのように目標を設定すれば良いか、難しい判断を迫られることもあります。患者さんそれぞれの価値観が違うことを心に留めて、最適なリハビリを提供したいと思っています。作業療法士が中心となって患者さんができない動作をすべてできるようにしようとするのではなく、あくまで患者さんを中心に考え、生活するうえでどのようなことに困っているのか、どの作業に重きをおいているのかを考慮し、サポートできるような作業療法士になりたいです。

そんな無我夢中の毎日ですが、患者さんのできる作業が増えたり、寝たきりだった患者さんの自分一人でできる生活動作が増えてきたり、良い変化を目の当たりにしたときに、やりがいを感じます。また、患者さんから直接感謝の言葉をいただけたときは、とてもうれしいです。これからの目標は、自分の得意分野や興味のある分野を見いだし、その分野のプロフェッショナルとなれるように作業療法の質を向上させることです。そして、急性期病棟で働く中でさまざまな病態を経験し、技術や知識の幅を広げていきたいと思っています。

大津 みいな先輩

文系・理系にこだわらずに進路選択を!
本当に自分の目指したい道を進もう

これから自分の進路を選ぶ皆さんは、理系・文系などの枠組みで職種を選ぶことも多いと思います。しかし、「自分の本当に目指したい道」を選んでほしいです。作業療法士に限って言えば、理系・文系の枠を越えて一から勉強する内容が多いので、どちらの知識も必要になります。

作業療法士は身体障がい、精神疾患、発達障がい、老年期など、幅広い分野で活躍ができる可能性を秘めた職種です。領域が広い分、学ぶことが多くて大変ですが、得られる知識、患者さんや他職種のスタッフとの関わりを通して身につくこと、仕事のやりがいはとても大きいです。誰かの役に立ちたい、生活を支える仕事に就きたいという気持ちがあるなら、ぜひ作業療法士を目指してみてください。

1日のタイムスケジュール

8:30 出勤、カルテ確認、朝礼
勤務するリハビリテーション部には医師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士なども所属。それぞれ担当患者さんのカルテ確認、朝礼などを行います。

9:00 午前のリハビリを開始
作業療法では病気の進行に合わせて、障がいのある部分だけでなく、健康な部分も最大限に活用してリハビリを行っています。

休憩

13:00 午後のリハビリを開始
作品づくりや趣味活動で心へ働きかけたり、日常生活に必要な動作を訓練したり、患者さん一人ひとりに寄り添ったリハビリを実践しています。

17:00 カルテ記載、カンファレンス
最適なリハビリを実践するためには、スタッフ同士の連携が大切。リハビリの進め方について相談することもあります。

17:30 終業

勤務先

国際医療福祉大学熱海病院

国際医療福祉大学熱海病院のリハビリテーション室です。ここで毎日患者さんのケアを行います。検査・評価やリハビリテーションに必要な設備が整っています。

国際医療福祉大学 小田原保健医療学部

国際医療福祉大学 小田原保健医療学部

住所:〒250-8588 神奈川県小田原市城山1-2-25(本校舎)
〒250-0013 神奈川県小田原市南町1-6-34(城内校舎)
電話番号:0465-21-0361(入試事務室)
募集定員:作業療法学科 40名/理学療法学科 80名

リハビリ職を目指す学生インタビュー 作業療法士編

石橋 裕子先輩

作業療法士は一人の患者さんに長く関わる職業
勉強していくほどこの仕事に魅了されています

植草学園大学
保健医療学部
リハビリテーション学科
作業療法学専攻3年 石橋 裕子先輩

お手玉を使った訓練に衝撃!
両親や先生からの応援で作業療法士を志す

中学生のとき骨折してしまい、理学療法士さんにリハビリをしていただいたことがきっかけで、リハビリに関わる職業があることを知りました。その頃から病院で働くことに憧れを持ち始めたのですが、高校2年生になって改めて将来について進路を決めないといけないという時期に、病院の職業見学会に参加して理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の方々のお仕事を拝見する機会がありました。

もともとは理学療法に興味があったのですが、作業療法を見学した際にお手玉を使った訓練の様子を見せてもらい、遊びの道具としか思っていなかったお手玉で機能改善できることに驚き、今でも忘れられないくらいの衝撃を受けました。それから作業療法に興味を持ち、資格を取るためにはどうしたら良いか調べ始めました。同時に両親や学校の先生にも相談したところ、「需要の高い職業だと思うよ」と言ってくれたことが励みにもなり、作業療法士になろうと決意しました。

オープンキャンパスに参加し好印象
1期生という不安も先生からの励みで払拭

大学を選ぶ際には、候補にしていた大学のオープンキャンパスにいくつか参加しました。植草学園大学もその一つで、ちょうど私が入学する2020年に作業療法学専攻が開設するというタイミングでした。オープンキャンパスでは、学校での学びや将来について、先生方にとても親身に相談に乗っていただきました。また新設学科ということで設備も新しく、家からも通いやすいことからこの大学に行きたいと思いましが、入学したら私たちの代が1期生。先輩方がいない、実績もまだない、という不安があったことも事実です。でも高校の先生は「だからこそ逆に手厚くサポートしてくれるのでは」と後押ししてくれました。

もう一つ、指定校推薦があったことも魅力でした。通っていた高校には、もともと理学療法学専攻の指定校推薦枠はあったのですが、作業療法学専攻の推薦枠も新しく設置されたことも弾みとなりました。推薦はやはり面接と志望動機が肝になります。志望動機を書いているうちに、作業療法士に対しての思いがどんどんあふれてきて、先生にご確認いただきながら何度も、何度も書き直して完成させました。

音楽療法の授業
音楽療法の授業ではピアノのほかウクレレや太鼓など、さまざまな楽器を使っています
歩行を介助する機具
歩行を介助する機具を実際に使いながら、患者さんの立場になって学びます

難しい勉強でも仲間同士で助け合い
先生からも手厚いサポート

最初の頃は不安もありましたが、今は植草学園大学を選んで本当に良かったと思っています。もともと少人数で学ぶ学科ではありますが、私たち1期生は22名と少人数だったこともあり、全員と仲が良くアットホームな雰囲気です。勉強は覚えることがとても多く、特に1年次に習った解剖学や生理学は、初めて学ぶことばかりで大変でした。そのような難しい勉強でもみんなで助け合いながら行っています。先生方も、授業で分からないところや評価(対象者がどんな人か、どんな援助を必要としているかを知る作業)で気になったところ、実技テストの練習など、空いた時間を使って私たちが理解するまで教えてくださり、とても手厚くサポートしていただいています。尊敬している先生方に少しでも近づけるように、早くレベルアップしたいという思いで勉強しています。

とはいえ、やはり勉強で疲れるときもあるので、ときどき友達と大学構内にある「共生の森」に行って息抜きをしています。自然がいっぱいで、私たちの”癒やしスポット”なんですよ。

特徴的な学びとしては、作業療法の勉強をしながら音楽療法士の資格が取れることが挙げられると思います。音楽療法の授業は選択制で、養成課程の46単位を修学すれば卒業時に資格が取得でき、私も受講しています。もともとピアノを習っていましたし、在学中に資格を取れるだけ取ろうという思いがあったのですが、授業では保育の勉強をしている他学部の学生も一緒に勉強するので、違う学部生と交流することもでき、とても刺激になっています。

石橋 裕子先輩

災害時のリハビリに興味
将来は災害拠点病院の就職を目指す

3年次になり、今度は私がオープンキャンパスで授業内容を紹介するという立場になりました。高次脳機能障がいについて学んだことを実技で紹介したところ、高校生たちから「すごいですね!」と言ってもらえて、作業療法の魅力にこれまで以上に気がついた瞬間でした。

一方、義肢装具学の授業では、患者さんの手や肩の状態に合わせて装具を調整する実習で、なかなかうまくできないことがありました。ゼミの先生からはよく「評価を見るのではなく患者さんを見るように」と言われていますが、これまで以上に患者さんの状態を見る大切さを実感しました。そして勉強が進むにつれて、目指した頃よりも作業療法士という仕事にどんどん魅了されているように思います。

もうすぐ4年次になりますが、今は災害時のリハビリにも興味を持っています。近年、避難所で過ごすうちに筋力が落ちてしまい、それがもとになって誤嚥性肺炎になるなど、せっかく避難して命が助かっても、自宅で亡くなられてしまうという災害関連死が増えているそうです。そうした状況を知り、せめて災害前の健康な状態で自宅に帰って、元通りの生活を送ってもらえるようにしたいと思い、将来はそういった勉強もできる災害拠点病院に就職して、もっと知識を深めていきたいと考えています。

作業療法士は医療従事者の中でも、一人の患者さんと関わる時間が長く、生活自体を支援していくとても誇らしい職業です。その分勉強量も多くて大変ですが、作業療法学専攻では2021年から学修チューター制度が始まり、教員チューター(指導者)と先輩学生チューターが新入生の学修を継続的に支援するので、安心して勉強できます。作業療法士という仕事に興味がわいたら、ぜひ目指してほしいですね。

キャンパスおすすめスポット

生活空間実習室

実際の生活空間さながらの環境で、自助具や障がい体験グッズを用いた演習ができます

生活空間実習室

アートラボ

作業療法士と音楽療法士(2種)の同時取得が可能な関東で唯一の大学です

アートラボ

ドライビングシミュレータ

さまざまな運転補助装置が装備され、障がいのある方や高齢者の運転能力を評価できます

ドライビングシミュレータ

植草学園大学 保健医療学部 リハビリテーション学科

植草学園大学 保健医療学部 リハビリテーション学科

住所:〒264-0007 千葉県千葉市若葉区小倉町1639番3
電話番号:043-233-9031(代表)
募集定員:作業療法学専攻 40名/理学療法学専攻 40名

佐々木 拓杜先輩

急性期のリハビリに関わりたい
患者さんに寄り添うことのプロを目指して

昭和大学
保健医療学部
作業療法学科(2023年度よりリハビリテーション学科に編成)4年 佐々木 拓杜先輩

手と指の専門職に惹かれて
バスケの経験が今につながる

私は小学校から高校までバスケットボールに打ち込んできたのですが、その中で何度もけがに泣かされてきました。重要な試合の前に指を骨折してしまい欠場したことも、入試の前にペンが持てなくなり利き手でないほうの手で文字を書く練習をしたこともあります。そんなときにリハビリ職の方のお世話になり、自分の将来の仕事として興味を持つようになりました。

数あるリハビリ職の中でも作業療法士を選んだ理由は、手や指のリハビリに特化して機能回復をサポートできるからです。自分自身が手のけがで困る経験をしてきたので、患者さんの気持ちに寄り添っていきたい。その思いで自分の進路を決めました。もともと私は人と向き合って話すこと、自分の体を動かすことが好きなので、仕事内容も向いているのではないかと感じています。

入学前、昭和大学に対して「医療系に特化した学校」というイメージを持っていました。実際に入学してみて、まさにその通りでした。一般大学に比べて、やらなければいけないことはとても多いです。しかし自分の将来に活かせる学びができているという実感があります。

寮生活で身につくチームワーク
それは現場でも活かせる力

入学して1年間は、全学部の学生全員が山梨県の富士吉田市にある寮で生活するのですが、自分にとってとても意義のある時間でした。医学部・薬学部などの学生との交流の機会が多く、ほかの職種と連携して仕事をしていく準備ができたと思います。この経験は、2年次以降の実習にも活かせました。他大学に進んでいたとしたら、他学部の人とあまりコミュニケーションが取れず、現場でのチームワークに影響が出ていたかもしれません。

横浜キャンパスについても設備が充実していることをぜひ知っていただきたいです。作業療法のリハビリでは、手を使う作業を訓練するために、工作や陶芸などの道具が用いられます。患者さんの容態に合わせて選択するため、多種多様な道具があるのですが、それが教室に一式用意されています。病院にある道具と同質なので、実習に行く前にしっかり練習できました。また、日常動作などに関するリハビリ全般のシミュレーションに使う施設も充実しています。

学習自体ももちろん理解しやすく実践的な内容になっています。「Problem Based Learning(PBL:問題解決型学習)」という言葉が示すように、ただ知識を詰め込むのではなく、具体的な一つの症例を挙げて、どう治療を進めていくかを考える授業が多いです。1年次は全学部が一緒に寮生活をしているので、医・歯・薬・看護・理学療法の学生とチームを組み、他職種との連携について検討する場面も頻繁にありました。

補助動作の学習
患者さんに見立てた人形を使ってベッドから起きる際の補助動作を学習します
作業療法で用いる器具
実際に作業療法で用いる器具を使い、手先の細かな操作練習の方法を学びます

学習の積み重ねが
4年次の実習のヒントになる

病院に実習に行くようになってみて気づいたのですが、リハビリ職の視点だけだと、どうしても見えないことがあります。患者さんにはそれぞれ個性があり、たくさんの目線から丁寧に見ていくことで、適切な対応が分かってくることを実感しました。

4年次になってからの実習は、簡単な内容ではありません。現場では時間的な制約の中で行動することも求められます。カルテに馴染みのない専門用語が書かれていることもあります。しかし、困ったときには他職種とのチームで学習した経験がヒントになります。受け身ではなく、チームの中で自分が何をすべきかを考えながら動けているのも、実践的な学習の積み重ねがあるからかもしれません。1年次から他職種を目指す学生と共同生活をしながら学び、その後も多様な演習に挑戦してきました。そのおかげで現場に行ってから多くのことを身につける足掛かりができたように思います。

これまでの学習を振り返ると、ある症例をどう治療していくか考えるときに、自分で調べ物をして知識を得て、それをもとに検討を進めるということが中心でした。大変ではあったのですが、先生が丁寧に面倒を見てくださって分からないことはすぐにメールで質問できたので乗り越えられたと思います。先生はとても近い距離で気軽に教わりに行ける存在。学生同士も心を許せる間柄です。やはり寮で1年間一緒に過ごしたことが大きいのだと思います。楽しく過ごす時間もあり、真剣になるときはお互いに真剣になれる。昭和大学にはそんな雰囲気の学生が集まっています。

佐々木 拓杜先輩

急性期のリハビリに関わりたい
仲間と挑む国家試験

現在は国家試験の勉強を頑張っています。4~5名のグループで教え合いながら、過去問を一緒に解いて知識を定着させています。高校生の皆さんも感じることだと思いますが勉強でつまずいたとき、煮詰まってしまったとき、とてもつらいですよね。しかし得意分野が違う仲間がいれば、案外乗り越えられるように思います。国家試験合格という同じ目標を持つ仲間がいるのはとても心強いです。

将来の目標は急性期のリハビリに関わる作業療法士です。病気になって間もない時期は、患者さんは不安な気持ちで、分からないことだらけだと思います。そのときにそばにいて、気軽に話してもらえる存在になりたいです。しっかり相手の話を受け止めて、リラックスできるようにゆっくりと近づいていけるような医療者が私の理想です。

今、高校生でリハビリ職を考えている方は、医療に関して難しいことを学ばなくてはならないというイメージをお持ちかもしれません。私も大変なこと、悩んでしまうことがたくさんありました。しかし、患者さんと関わるのはとても楽しいし、勉強したことが現場で活かせたときには達成感があります。こうしたプラスの面に目を向けながら受験に挑んでほしいです。

キャンパスおすすめスポット

作業活動実習室

日常生活動作練習に必要な物品を配置。学生同士で体験しながら学習を積みます

作業活動実習室

スキルスラボ

実際の病室を完全再現したラボ室。患者さんに見立てた人形を使って実践的に学びます

スキルスラボ

ADL実習室・在宅看護実習室

実習室内に作られた居住空間。日常生活動作の検証や在宅介護の体験ができます

ADL実習室・在宅看護実習室

昭和大学 保健医療学部 リハビリテーション学科

昭和大学 保健医療学部 リハビリテーション学科

住所:〒226-8555 神奈川県横浜市緑区十日市場町1865
電話番号:045-985-6500(代表)
募集定員:作業療法学専攻 25名/理学療法学専攻 35名

山口 鴻之介先輩

作業療法士を目指すなら最先端の教育を受けたい!早くから臨床で使える知識が身につくのも魅力です

東京工科大学
医療保健学部
リハビリテーション学科
作業療法学専攻2年 山口 鴻之介先輩

陸上競技の経験からスポーツ系に興味
介護士の母親がきっかけで作業療法士の道へ

中学から高校まで陸上競技をやっていました。練習を続けていると、どうしても足の炎症や肉離れなどスポーツ障がいの症状が出てくることがあります。幸い、私の場合は治療が必要なほど重い症状ではなかったのですが、その経験がもとでスポーツ系に携わる仕事がしたいと思うようになり、理学療法士という仕事を知りました。ですから、最初は理学療法士になろうと思っていました。

そんな私が作業療法士を目指すことになったのは、介護士をしている母親から、「介護の現場で作業療法士さんたちが楽しそうに仕事をしている」と聞いたのがきっかけです。どんな仕事なのかを調べていくうちにどんどん興味がわき、作業療法士になろうと思いました。

東京工科大学を受験したのは、学ぶのであればレベルの高い教育を受けたいと考えたからです。候補にしていた大学はほかにも4校ほどありましたが、オープンキャンパスに参加したり、授業内容を調べたりする中で、最先端を意識した教育だけでなく、先生方が実際に多様なリハビリの現場に深く関わっているということも、絞り込んで行くうえで大きなポイントとなりました。

作業療法士になろう、大学はここにしよう、と決めたときは、親に少し相談した程度で、迷いなく決めたように記憶しています。大学は総合型選抜で受験し、志望動機などを考えていく中で、作業療法士になる決意が固まっていきました。

チームワークが試されたグループワーク
深く考えアイデアを出す作業にやりがい

大学の授業は高校の授業とは全く異なります。入学当初は医療に関する知識はもちろん、リハビリに関する知識もありませんでした。なので、1年次の後期で学んだ「解剖学」は、筋肉の組織や骨の種類など、初めて覚えることばかりで難しかったです。

2年次で学んだ「認知機能評価学」という授業は、また違った難しさがありました。この授業では、高次脳機能障がいの症状、例えば記憶障がいや注意障がいなどを評価することを学んでいきます。評価をどのように行えば良いのか、検査道具はどのように使えば良いのか、最初にマニュアルを熟読するところから始めないと授業についていけないので、準備段階から大変でした。さらに4人1組のグループ学習という形式だったため、それぞれに分担された役割をきちんとこなしたうえで、話し合って1つのレポートにまとめなければならず、誰がどの役割を担うのか、最終的にはチームワークが試される授業でもありました。最初のうちはうまくいかないこともありましたが、日を追うごとにスムーズに進められるようになり、みんなと協力して「結構うまくいったな」と思えるような授業になりました。

楽しかった授業は、1年次後期の「基礎作業学実習」で、化粧や運動、音楽といった作業活動などを深く学びます。中でも印象的だったのは、身体機能に障がいのある子どもが楽しく遊べるような道具をグループで作っていく授業なのですが、ただ作るだけではありません。授業ではあらかじめ「こういうものを作りなさい」と大まかな指定はありますが、それをどのように作ったら良いのか、材料を何にすれば良いのかというところから話し合う必要がありました。しかも、子どもの年齢を考慮して、けがをせず安全に作業できるか、さらにこの作業だったらこのような体の動きが見られる、といったことまで考えて取り組まなければなりません。みんなで「こうしたら良いんじゃないか」と話し合い、アイデアを出し合う中でいろいろな発見があった授業でした。

実習
腕を上げたり、曲げたりと、関節がどの程度まで動くかを測る実習も行っています
脳出血等で上半身の機能にどの程度の障がいがあるかを測る器具
脳出血等で上半身の機能にどの程度の障がいがあるかを測る器具。扱いにも慣れてきました

先生が開発したアプリを使った授業も
開発者本人に直接質問できる!

先端の教育を受けたいと思って入学したのですが、実際、先生方は最先端の研究を進めていて、学生もその知見に触れることができます。中でも「ADOC」というアプリは、東京工科大の先生が研究開発したもので、対象者さんの希望を引き出してくれるものなのですが、開発者である先生から、直にレクチャーいただくことができました。

学生と教員の距離がとても近いので、先生方には分からないことがあったら気軽に相談できています。それに、実際に医療・介護現場でも活躍されていた方々ということもあり、そのつてで、先生がリハビリを行った対象者の方が大学に来てくれて、ご自身の症状や現在の体の状況などをお話しいただく機会もあり、早くから臨床で使える知識が身につくのも、この大学ならではの特長であり魅力だと思います。また、作業療法学専攻は1学年40名と、ほかの学科と比べても少人数ということもありますが、学生同士でコミュニケーションをとる機会も多く、先輩との関係性も良好です。授業の補助で3年次の先輩方がサポートしてくれたり、実技テストに向けてレクチャーしてくれることもあります。「こうやればうまく行くよ」と自分たちの経験をもとにアドバイスしてくださるので、大変助かっています。

山口 鴻之介先輩

対象者一人ひとりに最適なリハビリを実現
目指したい作業療法士像

先生からは「作業に焦点を当てて、何をやるのか、なぜそれをやる必要があるのか、つながりを持って考えること」が大切だとよく言われています。3年次になると本格的な臨床実習が始まるので、この言葉を忘れずに対象者の方との信頼関係が築けるよう、勉強に力を入れていきたいです。

そして将来は、対象者一人ひとりに最適なリハビリができるよう、信頼関係を築き、一緒になって作業療法を組み立てられる作業療法士になりたいと思っています。

大学に入ったら勉強面は高校以上に大変になると思います。でも、それを乗り越えた先に自分がなりたい将来像や、本当にやりたいことが見つかると思うので、皆さんも諦めずに夢を追ってほしいです。

キャンパスおすすめスポット

レクリエーション室

多種多様な遊びを体験し、作業療法への応用を学びます

レクリエーション室

学生ラウンジ

夕陽がきれいに見える場所。みんなでご飯を食べて過ごすこともあります

学生ラウンジ

図書館

自習室があり集中できるので、一人で勉強したいときによく利用しています

図書館

東京工科大学 医療保健学部 リハビリテーション学科

東京工科大学 医療保健学部 リハビリテーション学科

住所:〒144-8535 東京都大田区西蒲田5-23-22
電話番号:0120-444-925(広報課)
募集定員:作業療法学専攻 40名/言語聴覚学専攻 40名/ 理学療法学専攻 80名

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