東大へ、海外大へ―さらなる飛躍を目指して新コース始動
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桜丘中学・高等学校(以下、桜丘)は2021年度、高校で新しいコース制をスタートしました。希望進路別の編成となっており、「東大をはじめとする最難関大学を目指す」「海外大を視野に英語力を伸ばす」「現実社会を深く学び、キャリア形成に向けて個性を磨く」というように各コースが多彩な教育活動を展開しています。気になるカリキュラムや生徒の様子について、担当の先生方から詳しくうかがいました。
東大・旧帝大・早慶を目指す!スーパーアカデミックコース
今回、新たに誕生したコースの中で、最難関大学合格を目指すのがスーパーアカデミックコース(以下、Sコース)です。国公立大学合格者を多数輩出している桜丘ですが、今後もさらなる飛躍が期待されます。
インターエデュ(以下、エデュ):Sコースの特色を教えてください。
広井先生:東大・旧帝大・早慶などの最難関大学を目指すコースです。学力向上にはもちろん全力を尽くしますが、ただ知識を教え込むだけでなく、アウトプットの訓練、学問を楽しむ経験を積み重ねていくカリキュラムを用意しています。
エデュ:アウトプットする訓練とはどのようなものですか。
広井先生:最難関大学では記述力が合否を分けるポイントになっています。そこで、普段の授業で文章を書く場面を多く設け、夏休みにも構成力や論理性を磨く特別講座を行います。また、英語に関しても、実力を伸ばすには発信力強化が欠かせません。週3回10分間のオンライン英会話の時間を設けています。
エデュ:生徒はどのように学問を楽しむ経験を積んでいますか。
広井先生:現在、「高大接続探究ゼミ」と銘打って、早稲田大学名誉教授の樋口清秀先生から土曜日5・6時間に探究学習の指導を受けています。生徒自らが取り組む創作・文献調査についてアドバイスをしていただくという内容です。少人数のグループごとに大学の先生から直接指導を受ける貴重な機会となっています。
エデュ:学問を楽しむ意義を教えてください。
広井先生:生徒一人ひとりがより善い人生を生きるために、自身が興味がある学問分野を明確にして欲しいですね。大学に合格することを目標とするのではなく、大学に入ってから何を学びたいかという事について明確なイメージを持てれば、学習意欲は高まります。本コースでは「東大スタディクラブ」という東大生による放課後講座を開き、最難関大学合格に向けた勉強法を学ぶ場もつくっています。生徒が積極的に東大生に質問する姿が印象的でした。
エデュ:Sコースの生徒にどう向き合っていきたいですか。
広井先生:わずかな差で下位になる生徒が出てしまうことも予想されますので、一人ひとりをしっかりケアしていきたいです。
海外大も視野に!グローバルスタディーズコース
グローバルスタディーズコース(以下、Gコース)は、卒業後に海外で活躍できる生徒を育てることを目標に開設されました。海外協定大学推薦制度(UPAA)が適用されるため、日本国内の大学と併願しながら海外大学に挑戦することも可能です。
エデュ:Gコースの特色を教えてください。
岩元先生:英語の授業が週8時間あり、そのうちの5時間はネイティブの先生による少人数制指導を受けることができます。授業以外でも、ネイティブの先生が副担任を務めるので、ホームルームも基本は英語です。
エデュ:語学学習以外に力を入れることはありますか。
岩元先生:高校2年生から中国語とフランス語の体験講座を行いますが、こちらは文化や価値観に触れることを重視した指導内容です。また、「探究」に関して、週に2時間の「グローバルイシューズ」では世界規模の課題を解決する方法を考えていきます。グローバル社会に向けて生徒の視野を広げていきたいです。
エデュ:Gコースの雰囲気を教えてください。
岩元先生:英語でコミュニケーションをとる生徒を見ていると、間違うことを怖がる気持ちよりも伝えようとする積極性が強く伝わります。文法が苦手という生徒もいますが「英語が好き」を「英語に自信が持てる」に変えていけるように指導していきたいです。
「自分だけの強みを磨いて、大学へ」キャリアデザインコース
キャリアデザインコース(以下、Cコース)は「生徒の得意なこと、興味があることを最大限伸ばし、進路を開く」を目標に、学校の内外でさまざまな学びに挑戦します。激変する社会を見据えて、お子さまの新しい可能性を探り、総合型選抜(旧AO)や学校推薦型選抜へと背中を押します。
エデュ:他コースにはないCコースならではの教育活動を教えてください。
寺澤先生:まず一つ挙げるとすれば、継続的な企業体験です。千葉県のピーナッツバター製造業者と連携して行うもので、畑に豆を植え付けるところから製品を消費者の手に渡すところまでを体験し、その後にオリジナル商品の企画立案にもチャレンジしてもらいます。こうした体験を、学校に帰ってから振り返ることで、社会の課題への気づきにつなげます。
寺澤先生:この他にも、企業によるキャリア教育プログラムや鹿児島県鹿屋市の地域課題を解決するプランを公募するコンテストをはじめ、さまざまな教育活動を展開しています。生徒がこうしたことに挑むうえで糧になるのが、社会で活躍する方々を招く講演会です。起業家から独創的な事業運営について聞くなどして、生徒たちは大きな刺激を受けていました。
エデュ:Cコースの雰囲気を教えてください。
寺澤先生:これまで自分が取り組んできた学習や習い事などを活かして自分のキャリアを構想している生徒もいれば、他とは違った発想がある生徒もいて、個性豊かな生徒が集まっているコースです。幅広いことに興味を持てるように導きながら、自分の意志でキャリアを築けるように応援していきます。
「1校で4校分の教育を実践したい」桜丘の目標
最後に新コース制全体についてご紹介いただきます。
エデュ:新コース制で桜丘の教育はどのように変わりますか。
中野先生:桜丘は1学年8クラスありますが、上記の3コースがその中に1クラスずつ開設され、希望進路別の指導ができるようになりました。残りの5クラスはアカデミックコースとして、これまでの桜丘の教育を引き継ぎます。あたかも「高校進学時に、4種類の学校から選べる」と感じられるかのような、多彩な学びをデザインします。
エデュ:新コース制が始まったことで、中学校への影響はありますか。
中野先生:Sコースを目指す生徒のための特進クラスを中学3年生から1クラス設けます。様々な経験をした生徒たちに合った進路の提供をしていく事が可能となりました。
エデュ:受験生へのメッセージをお願いします。
中野先生:桜丘は時代の変化にスピーディーに対応している学校です。皆さんが大人になる頃、2030年以降に必要な力を見極めながら最新の教育を実践してきます。ぜひ、学びの多い6年間を桜丘で送ってほしいです。
編集者から見たポイント
桜丘では、最難関大学を目指すSコースでも、たくさんの生徒が部活動に熱中しています。そのことについて、中野先生から「好きなことで失敗すること、挫折することは将来につながります。部活動で上手くいかない体験をすることも大切にしてほしいです」というお話がありました。桜丘は学業以外にも全力で打ち込める学校だと感じました。ぜひアクティブな生徒の姿を学校説明会などでご覧になっていただきたいです。
学校公式サイトへ ≫イベント日程
イベント名 | 日時 |
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学校説明会(中学校) | 10月17日(日)10:00~12:00、10月31日(日)10:00~12:00、 11月14日(日)10:00~12:00 |
学校説明会(高校) | 9月18日(土)14:00~15:30、 9月20日(月・祝)10:00~11:30、14:00〜15:30、 10月9日(土)14:00~15:30、10月16日(土)14:00~15:30、 10月23日(土)14:00~15:30、10月24日(日)10:00~11:30、 10月30日(土)14:00~15:30、11月6日(土)14:00~15:30 |
ナイト説明会(中学校) | 10月22日(金)18:30~19:30 |
連載コンテンツ
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