ソーシャルデザインキャンプ 高1生インタビュー

ソーシャルデザインキャンプ 高1生インタビュー

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人間力・思考力・国際力の育成を教育の3本柱とする聖学院中学校・高等学校(以下、聖学院)。中1から高2まで毎年行われる体験学習は、段階を踏んで人間力を高めていける内容になっています。そこで連載第2回は、高1生対象の体験学習「ソーシャルデザインキャンプ」を通して生徒の成長を見つめます。

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ソーシャルデザインキャンプとは

高1生のグループワーク

ソーシャルデザインキャンプとは、クラス混合のチームで取り組む2泊3日のフィールドワークです。各チームは「農業・漁業・伝統工芸ビジネス・観光・コミュニティ活性化・耕作放棄地」からテーマを選択。宿泊場所となる神奈川県湯河原町からほど近い地域で、テーマに沿って調査したことをまとめ、最終日にプレゼンをします。

ソーシャルデザインキャンプのようす
ソーシャルデザインキャンプのようす
最終日にはプレゼンで優勝チームが決まります
最終日にはプレゼンで優勝チームが決まります

体験学習の狙い 広報ご担当・児浦良裕先生インタビュー

広報部 部長であり21教育企画部の部長でもある 児浦 良裕 先生

広報部 部長であり21教育企画部の部長でもある 児浦 良裕 先生

児浦先生:大学を卒業するとき、国際的な課題を解決できる存在に成長している人間は、大学1・2年生のときに豊富な自主活動をしているものです。そうした人材を育てるために中高6年で何をすべきかを考え、体験学習のプログラムを組んでいます。中学1・2年次では自己肯定感を高め、他者と協働できるようになることに重点を置き、3年次から社会に目を向けていきます。糸魚川で農村体験をし、社会の授業では中高生対象のビジネスコンテスト「クエストカップ」に参加。高校1年次でソーシャルデザインキャンプを経験するころには、生徒はだいぶ自主的に動けるようになっていますね。今年度の高1生は例年に比べて活動量が多いので、驚かされています。

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高1生インタビュー

児浦先生を驚かせた高1生たちは、ソーシャルデザインキャンプでどんな活動・発見をし、最終日にどのようなプレゼンをしたのでしょうか。

高瀬くん

高瀬くん
【テーマ/場所】観光、真鶴町
【課題】知名度を上げる
【プレゼン内容】
「町を歩いてみて、真鶴には美しい景色がたくさんあることが分かりました。このため、観光客と人口を増やすために、町が運営しているSNSの更新頻度を上げて美しい景観を発信することと、東京・真鶴間のクルーズ船を運航し、景色や町民との交流を楽しむツアーの実施を提案しました」

内村くん

内村くん
【テーマ/場所】観光、真鶴町
【課題】知名度を上げる
【プレゼン内容】
「現地では、東京では感じられない人と人とのつながりの強さを感じました。真鶴町には有名なYouTuberがいて、その方も人とのつながりを大切にしていることが分かったので、メディアを利用して一緒に町の存在を世界中にアピールしていくべきだとまとめました」

車くん

車くん
【テーマ/場所】観光、真鶴町
【課題】観光客と人口を増やす
【プレゼン内容】
「事前学習では、墓石に使う石が伝統的な地場産業であることを知りました。町役場や真鶴出版社の方から話を聞いたり、町案内をしてもらったりして気づいたことは、町が“ありのままの美”を残そうとしていること、高齢者の健康寿命が長いこと、歩いていて滑りやすい場所があったことです。調べを進めると、公園が少ないことも分かったので、空き家を活用して子どもの遊び場を作り、地場産業の石を使って“ありのままの美”が損なわれないように道を整備するべきだとプレゼンしました」

由本くん

由本くん
【テーマ/場所】伝統工芸、箱根町
【課題】伝統工芸品の人気を高め、売れるものにする
【プレゼン内容】
「どこも人手不足や後継者不足に悩んでいると思っていたけれど、僕たちが訪ねた寄木細工の工房には後継者の息子さんがいれば若いスタッフもいました。『一概には言えない』と感じたので、課題を人手不足ではなく、工芸品の人気を高めることにしました。そして、持ち手の部分に寄木細工を使っているナイフがあったことから、寄木細工と何かを合わせて機能的なものを作るのはどうかと提案しました」

奥田くん

奥田くん
【テーマ/場所】農業、三島市
【課題】農業人口を増やす
【プレゼン内容】
「三島の青果市場の方が『安定した野菜の供給が農家の使命』だと語っていて、この言葉がディベートやプレゼンをするときのキーワードになりました。“安定した供給”と“農業の衰退”という、理想と現状を隔てる壁を“人口減少”だと考えました。そして、農業に興味のある市外在住の若者に農業を体験してもらうことや、農業シッターを生み出すこと、また、JAに協力してもらい、農業のライセンス取得のための講座を開いてもらうことなどの解決案を提示しました」

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行動力と思考力を兼ね備えた聖学院生

体験学習が済んだら終わり、とはならないのが聖学院生のすごいところ。クエストカップや体験学習で身につけた人間力や思考パターンを糧に、学外の高校生と連携し学生団体を立ち上げて、SDGs普及プロジェクトや、若者と政治家の交流イベントの企画、校内に留学生を招いて異文化交流をする「留学生協働ラボ」など、授業を離れても多様な自主活動に勤しんでいました。

生徒たち
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編集者から見たポイント

奥田くんが語った「ソーシャルデザインキャンプで覚えた段取りは頭から抜けない」という言葉から、体験学習の有効性が強く伝わった今回の取材。活動量やその内容を聞く限り、5人の生徒は先生方が目指す段階を容易に超えているように感じられました。そして、高い思考力を活かした自主活動の内容はもちろん、活動について語る生き生きとした生徒の表情や論理的な語り口を多くの人に直接見て、聞いてほしいと思いました。秋には説明会や記念祭(文化祭)があるので、ぜひ生徒に会いに行ってみてください。

イベント日程

イベント名 日時 概要
第3回 学校説明会 2019年9月21日(土) 10:30~12:30 2020年度入試について
授業見学会② 2019年9月27日(金) 10:30~12:00 授業見学ツアー学校紹介
第4回 学校説明会 2019年10月12日(土) 10:30~12:00 学校紹介
第5回 学校説明会 2019年11月30日(土) 10:00~13:30 入試過去問体験(2科目・思考力)理科実験体験学食体験2020年度入試出題傾向
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