親心を込めて 体も心もあたたかくなる寮の食事

親心を込めて 体も心もあたたかくなる寮の食事

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全寮制で時間を有効に使い成績を伸ばす秀明中学校・高等学校(以下、秀明)。育ち盛りの生徒を支えるのが寮での食事です。「美味しくて満足」と生徒から好評の食事には、栄養士や調理師の方々の親心が込められています。今回は、生徒の食生活をサポートするみなさんにお話をうかがいました。

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秀明の寮の食事

夏休みや冬休みも生徒が滞在することができる秀明の寮では毎日、調理師の方々が工夫を凝らした手作りの料理が並びます。温かいものは温かく、冷たいものは冷たいうちに。いつでも出来たてを素早く提供できるように厨房は1つではなく、2学年ずつ3か所に分かれています。メニューは2人の栄養士によって必要な栄養素をバランスよく摂れるよう細かく考えられたもの。1食の給食ではなく毎日3食、6年間続く生徒たちの楽しみな瞬間ということもあり、栄養面以外でも勉強のモチベーションとなるよう多くの工夫がなされています。

親の気持ちで 毎日3食、6年間を支える

調理師の青柳さん、田中さん、栄養士の佐々木さん、田島さんにお話をうかがいました。

青柳さん:ご家庭から大切なお子さまを預かっているので、私たちも親心を持って調理にあたっています。

佐々木さん:やはり毎日3食ですから、メニューが偏ったり栄養が不足したりしないように、きめ細やかな献立作りが求められます。野菜をたっぷり使用して旬の食材も多く取り入れています。ボリューム感や季節感にも気を遣いますね。

田島さん:もちろん、衛生面も徹底しています。ご覧いただければ分かると思いますが、厨房はいつもピカピカ。不純物の混入がないように、下処理の段階では葉野菜なども1枚ずつ確認しています。

栄養管理されている献立
佐々木さん、田島さんのダブルチェックで3食きっちり栄養管理されている献立

毎日の食事には生徒たちによろこんでもらいたいという思いから、さまざまな工夫が凝らされています。朝食は、ホテルのようなバイキング形式。好きなものを選んで食べることができると生徒からも好評です。クリスマスやひなまつりなどの行事には、特別メニューを提供するほか、月1回の誕生会では、ケーキを食べながらレクリエーションをして楽しむ時間もあります。
そのほかにも全国から生徒が集まる秀明では生徒の郷土料理を出したり、生徒のリクエストによってメニューを考えたりすることも。創立者川島寛士先生の意向で実現したラーメンは北海道から麺を取り寄せ、調理師たちが鶏や豚からダシを取るなどこだわって作っているそうです。

田島さん:いつもラーメンが食べたいと言っていたので、メニューにできるよう考えました。ラーメンが出ると言ったら歓声がわき起こりましたよ。

田中さん:生徒たちがいつも帰りがけに「美味しかった」と声をかけてくれます。ありがたいですね。

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「毎日美味しいご飯をありがとう」自然に出る感謝の気持ち

食事のようす
食事のようす。好きなメニューは? と聞くとたくさん答えてくれました

毎日食べている寮での食事。生徒から感想を聞くと「チョコケーキやホットケーキ、ヨーグルトなど朝食が豊富」「ハヤシライス、カツカレーが美味しい」と好きなメニューが次々と飛び出してきます。そして、生徒からは自然と感謝の言葉が出てきます。最初は野菜を残していた生徒も共同生活をしていくうちに残さず食べるようになるといいます。生徒たちから評判の食事は保護者にも好評。秀明では父母会で寮での食事を提供する機会を設け、メニューやこだわりの味に理解を得ているそうです。

また、秀明にはセンター試験当日、高3生を寮から送り出すときに持たせる「合格弁当」があります。毎日夜遅くまで勉強した成果を発揮できるよう、6年間見てきた調理師たちが心を込めて、縁起を担いだメニューを弁当箱に詰め込みます。生徒たちは食べ終わった空の弁当箱に「今まで6年間ありがとうございました」とメッセージを入れるのが伝統だそうです。「メッセージをいただいたときはうれしかったです。感謝の気持ちを伝えることも秀明の伝統になっていますね」と田島さんはいいます。

心に安らぎを与えられる食堂に

寮生活もはじめのうちは親元から離れて不安になってしまう生徒も少なくはありません。そんな生徒たちも食堂で調理師のみなさんと話しているときは、まるで自宅に帰って両親と会話しているようです。

青柳さん:試験でも部活動でもどんなことでも話をしています。調理師は6年間同じ学年の食事を担当するので、生徒の顔も名前も覚えます。思春期の生徒たちが親ではない私たちにこんなに素直に話しかけてくれて毎日美味しいと言ってくれる。本当に可愛い子どもたちです。

田中さん:中1から見ていますから、ズボンの丈が短くなったとか、食べて大きくなっていく姿は感慨深いです。生徒たちは毎日勉強で大変ですから、食堂は息抜きの場にしてほしいですね。

佐々木さん:家から離れて寂しいと感じることもあるでしょうから、食堂が生徒たちの帰る家のように、あたたかい食堂であり続けたいですね。

青柳さん、佐々木さん、田中さん
これから夕食の準備に取りかかる3人。(左から)青柳さん、佐々木さん、田中さん

編集者から見たポイント

「他の学校でもあんなに声をかけてくれる生徒はいない」というほど食堂では生徒と調理師がひんぱんに会話を交わしているそうです。また、取材中には、授業を終えた生徒たちが田島さんを慕って健康相談室にやってきていました。教員だけではなくさまざまな大人が生徒の成長を見守りサポートする環境が秀明にあります。希望する大学に数多く進学している秀明の魅力がまた1つ分かりました。

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これからのイベント

イベント 日程
第2回中学校学校説明会・個別相談 9月23日(日) 12:00~
体験寮泊会 10月6日(土)〜10月7日(日)
第3回中学校学校説明会・個別相談 11月11日(日) 12:00~

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