inter-edu’s eye

奥ゆかしく芯の強い「自律する女性」の教育を目指す淑徳SC中等部・高等部。その背景には、120年間続く女性教育への信念がありました。日本の伝統を学ぶ「日本学」で培われる、日本女性のあるべき姿について、理事長校長の麻生諦善先生に語っていただきました。

明治時代からこだわってきた女子教育

女子教育

本校は、文京区小石川で、600年の歴史を受け継いだ格式ある寺・傳通院ゆかりの学校です。境内で生徒5人から始まった「寺子屋」をもとに、女性教育の必要性を感じた校祖 輪島聞声(もんじょう)先生によって、明治25年に創設された「淑徳女学校」が、その起源となります。

そして、寺子屋時代から受け継ぐ「少人数教育」で、仏教の伝統的な道徳を重んじながらも、常に時代の先端を行く女子教育を目指してきました。それは、輪島先生が説いた「進みゆく世に後れずに、有為な女性となれ」という校訓のもと、明治時代から120年の時を経た現代にも受け継がれています。

一人ひとりと向き合った思いやりのある教育で、いつの世も変わらない、日本女性としての柔らかさ、優しさ、そして「信」・「忍」を備え、凛とした生き方ができる女性を、これからも育みたいと願っています。

女性ならではの役割を考えたキャリア教育

「SC」に込められたキャリア教育への思い

学校名の「SC」には、「Successful Career」=「女性として『よりよく生きる』」という願いが込められています。本校では、輪島先生の意志を受け継ぎ、生徒たちが社会へ進出した時に、「選択する力」、「考える力」を持って活躍できるよう、「DFL」(Design the Future for Ladies)という女性ならではのキャリア教育を行っています。

女性ならではの人生設計を学ぶ「DFL」

DFLの授業の様子

DFLの授業の様子

社会における女性の活躍が目覚ましい昨今ですが、女性は結婚・妊娠・出産・育児・家事など、男性とは異なる多くの役割を担っています。女性として、どのような人生設計をすればよいのか、「DFL」を通して、生徒は仕事や家庭に対する自分自身の考え方を持つのです。

自分自身を律することができる女性へ

しかし、自分だけの自立や仕事に対する意欲だけを持てばよい、というわけではありません。女性は男性を支え、男性の助けを得て、共存共栄することで、結婚、家庭生活、出産、仕事に対し積極的になれます。生徒たちには、自分自身を律することができる芯の強さと優しさを備えた、豊かな人生を歩んでもらいたいと思います。

日本の伝統文化を通して日本人らしさを学ぶ

日本初の料理学校が指導する食育

国際化する社会において、日本人としての自覚と誇りを養い、多様な文化を尊重できる資質を育む本校独自の授業が「日本学」です。日本の伝統文化・芸能を中心として、現在は能楽(観世流)・茶道(裏千家)・華道(池坊)・食育などの特別講座を開講しています。

この日本学の中で、特に力を入れているのが、食育です。食育では、「赤堀料理学園」の校長に指導いただいております。赤堀料理学園は、明治15年に創立した日本で最初の料理学校です。創立者は、「割烹着」を考案したことでも知られています。大正14年に現在の小石川に移られて以来、本校は赤堀料理学園から指導いただいており、生徒も当時から変わらず、割烹着を使用しています。

日本料理を通して女性のたしなみを学ぶ

日本の食文化

さて、次年度の食育では、近年忘れられつつある、日本人らしい奥ゆかしさ、芯の強さ、そして、女性が女性らしくある、柔らかで優しい感性を養ってもらいたいという願いから、「日本の食文化」をテーマに、日本料理の料理人の指導を受け、本格的な日本料理に挑戦します。

授業では、日本料理を和室でいただくマナーや、日本的な食文化、材料について学び、歳時記にちなんだ展開を考えています。

生徒たちには、授業を通して、立ち居振る舞いの美しさ、たしなみやマナー、人に対するホスピタリティなどを身につけてほしいです。これからも、歴史的伝統文化の香りが漂う環境だからこそできる日本学を目指していきます。

編集者が見たポイント

麻生先生のお言葉からは、時代をリードする女性を育てながらも、日本女性が受け継ぐ美しい精神を大切にしていることが、しっかりと伝わってきました。この日本人らしさを学ぶ教育は、明治時代から女性教育を貫いてきた伝統校だからこそ、できるものだと感じます。お子さまを奥ゆかしく芯の強い、女性らしい女性に育てたいと考えているお母さまには、またとない学校ではないでしょうか。