体験を通して視野の広い女性を育成
淑徳SCの総合学習「日本学」

体験を通して視野の広い女性を育成 淑徳SCの総合学習「日本学」

inter-edu’s eye

キャリア教育を通してグローバルに活躍できる女性を育成する淑徳SC中等部・高等部(以下、淑徳SC)。海外で活躍するためにまずは日本の文化を学んでほしいと総合学習で「日本学」を展開しています。日本学では「華道」「茶道」、そして中高生では珍しい「能楽」を学び日本の伝統文化への理解を深めています。今回は、能楽を学んでいる高1の生徒にインタビュー。体験を重んじる淑徳SCの総合学習に迫ります。

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「体験」を通して視野を広げる淑徳SCの総合学習

淑徳SCでは、女性のキャリア教育に力を注いでいます。その中でさまざまな文化に触れて視野を広げてほしいという目的から、総合学習の時間に「日本学(Japanology)」という授業を行っています。高1担当の久保拓雄先生は「グローバル社会と言われる中、本校でもニュージーランドへ海外研修を行っていますが、同時に日本を理解することも大事だと考えています」とその狙いを語ります。

世界に飛び立つ前に、自国である日本を知る。それが「日本学」の出発点だといいます。まず中1で華道、中2では茶道を学びます。そのほか、能楽など週2時間の中でさまざまなことを学び、高1では能楽を実際の舞台で体験します。授業では能楽の基本となる独特な節回しの謡(うたい)や物語の背景を学び、8月に軽井沢で行われる「サマースクール」などではその学習の成果を発表します。この夏2泊3日で実施されたサマースクールでは、歴史的な建造物や自然を鑑賞して親睦を深めるほか、これまで授業で学んだ内容を本物の舞台「能楽堂」で披露しました。

久保先生:本校には120年以上の歴史があり、その長年のつながりでこれらの貴重な体験ができています。総合学習を通して日本の文化への理解を深めるだけでなく、たくさんのものに触れ、さまざまな価値観に出会って、一人ひとり自分の考えを形成してほしいと願っています。

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ここでしかできない貴重な経験

実際に日本学で茶道や華道、能楽を体験した生徒たちは何を感じ、何を学んだのでしょうか。高1の3人に話を聞きました。

インターエデュ(以下、エデュ):日本学を勉強することについて、最初はどう思っていましたか。

K.Oさん

K.Oさん:最初は分からないことばかりで大変だなと感じました。

H.Mさん:能楽を学ぶ前まではあまり興味がなかったです。

エデュ:初めはあまり興味がなかったようですが、授業ではとても楽しそうに学んでいましたよね。実際に学んでみていかがですか。

Y.Oさん

Y.Oさん:見た目とか形式だけで苦手に思ってしまっていましたが、実際に学ぶと楽しかったよね。

K.Oさん:そうだね。中学校で茶道と華道を体験して、日本と海外の文化の違いに興味を持つようになりました。華道とフラワーアレンジメントの違いとか。能楽は、ひのきで作られた舞台や舞台での作法など初めて知ることばかりでした。

池坊の大嶋晴月先生から生け花を教わるようす
池坊の大嶋晴月先生から生け花を教わるようす

Y.Oさん:能楽の授業では型や謡を学んだのですが、謡は独特の発声で声を大きく出すのが大変でした。

H.Mさん

H.Mさん:私はサマースクールで能楽の衣装である装束を身につけて舞を披露したのですが、わずかな時間でも舞の動きをするには体力が必要だと分かりました。日本人でもあまり体験することのないことですし、装束を身につけて舞うことはお弟子さんでもなかなかできないことと聞いて、本当に貴重な体験をしたと思います。

エデュ:舞台ではどのような演目を披露したのですか。

羽衣の謡を披露するようす
羽衣の謡を披露するようす

K.Oさん:羽衣伝説を基にした「羽衣」という演目で謡をクラスごとに披露しました。先生が1音1音をはっきり発音していたので、練習のときから私も先生のようにできるよう努力しました。

Y.Oさん:私も謡を担当したのですが、観客に伝わるように大きな声を出すことを心掛けました。本番はとても緊張しました。

H.Mさん:舞ったのは「吉野静」という演目で、教えられた型を間違えないようにすることに注意して、感情を込めて舞を披露しました。能楽師の先生に4か月間ご指導いただいて練習したので、能楽の奥深さを少しでも知ることができたのではないかと思います。

観世流能楽師の清水義也先生にご指導いただいた「吉野静」の舞を披露するようす
観世流能楽師の清水義也先生にご指導いただいた「吉野静」の舞を披露するようす

エデュ:淑徳SCでしかできない貴重な体験ですね。日本学を経験してご自身の考えに変化はありましたか。また、この経験を今後どう活かしたいと思いますか。

Y.Oさん:華道や茶道の話を祖母とするようになりました。祖母から教えてもらうことも多く、より深い学びにつながったと思います。

K.Oさん:海外で生まれ育った親戚がいるので、この経験と学んだことを話したいです。

H.Mさん:お弟子さんも高齢と聞いて能は何歳でもできると思いました。将来、また能を学びたいです。

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応援メッセージ

最後に3人から受験生のみなさんに向けてメッセージをいただきました。

インタビューに答えてくれた高1の3人(左からY.Oさん、K.Oさん、H.Mさん)
インタビューに答えてくれた高1の3人(左からY.Oさん、K.Oさん、H.Mさん)

能楽堂の舞台に立つことができたり、芸術鑑賞会があったり、ほかの学校では学べない貴重な経験ができるのが淑徳SCの魅力だと思います。淑徳SCに入学してぜひ楽しんでほしいです!

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編集者から見たポイント

能楽堂の舞台に立ち謡や舞を披露した生徒たち。普段なかなかできない貴重な経験ができるのは120年以上の歴史を誇る淑徳SCだからこそ。海外で日本文化が注目されている中、生徒たちの経験が役に立つ日が必ず来るのではないでしょうか。海外だけでなく自分の国のことを知るといった足元をしっかり見つめた教育ができるのが淑徳SCの魅力です。

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