体験プロジェクトが充実! 食と真剣に向き合う“食育”

体験プロジェクトが充実! 食と真剣に向き合う“食育”

inter-edu’s eye

淑徳SC中等部・高等部(以下、淑徳SC)ではキャリア教育の一環として、2018年度から「食と農業プロジェクト学習」を開始。食に対して興味を持ち、健康的な食事と向き合ってほしいという願いから、食育に力を注いできました。「第13回キャリア教育に関する文部科学大臣表彰」を受賞した、淑徳SC自慢の食育プロジェクトに迫ります。

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ユネスコスクール加盟校として行う「食と農業プロジェクト学習」

淑徳SCはユネスコスクールに加盟しており、ESD(持続可能な開発のための教育)の8つの項目のうち「環境教育」にフォーカスした「食と農業」を通じた取り組みを行っています。
生徒たちは中学1年生から高校1年生にかけて多彩な体験プログラムにより、下記図のような食の循環の項目をさまざまな教科で学んでいきます。

ユネスコスクール加盟校として行う「食と農業プロジェクト学習」
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食料農業大学と連帯! 2019年度の食育プロジェクト

2019年度からは、日本で唯一の食の総合大学として知られる新潟県の食料農業大学と連帯をした「米」の食育プロジェクトが始動。プロジェクトの肝となる1泊2日の新潟宿泊研修には、中学1年生から高校1年生が参加をして「田植え体験」や大学の研究室、圃場(ほじょう・農産物を栽培する場所)の見学などを行います。その後プロジェクトの成果発表として、収穫した米でつくったおにぎりを学校説明会やオープンキャンパスで来場者に振る舞うなど、学んだ食育の情報を生徒自ら発信しました。

中学2年生は学校のベランダで「ブルーベリーの栽培」に挑戦。栽培を通して農薬の利点や人体と環境への影響なども掘り下げて学習します。

ブルーベリーの収穫をする生徒。ブルーベリーは無農薬で栽培をして、環境や体によい食品づくりを学びます。
ブルーベリーの収穫をする生徒。ブルーベリーは無農薬で栽培をして、環境や体によい食品づくりを学びます。
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家庭科の授業でブルーベリーパイづくりに挑戦!

今年度は、生徒が育てたブルーベリーと収穫した米を使って中学2年生がブルーベリーパイづくりにチャレンジ。家庭科の白鳥めぐみ先生にお話をうかがいました。

インターエデュ(以下、エデュ):ブルーベリーパイづくりをする生徒のようすはいかがでしたか。

白鳥先生:米は米粉にしてパイ生地に使用したのですが、生徒たちは「米も小麦粉みたいに粉になるんだ!」と驚いていました。ブルーベリーのジャムづくりに苦戦をしながらも、「パイを誰にあげようかな?」と話す生徒たちはとても楽しそうでした。食品加工の面白さはもちろん、自分がつくったものを食べてもらう喜びも学ぶことができたと思います。

エデュ:学年によってどのような食育のプログラムがあるのでしょうか。

白鳥先生:中学1年生は理科で肥料や農薬などの作物の生物学的な仕組みについて学び、中学2年生は家庭科で食品加工や食料自給率について学習します。そして、中学3年生は食の流通・マーケティングの知識を深め、高校1年生は中学3年間のまとめというプログラム構成です。このように長期にわたって食育に触れることができるのは、淑徳SCならではの魅力ですね。

エデュ:食育プロジェクトの今後の展望を教えてください。

白鳥先生:食品のパッケージやポスターデザインを生徒自ら手掛ける、商品企画のような学習ができたらよいなと考えています。

収穫したブルーベリーでジャムづくり。普段食べているジャムがどのように加工されているのかを実際に調理して学びました。
収穫したブルーベリーでジャムづくり。普段食べているジャムがどのように加工されているのかを実際に調理して学びました。
一口サイズのブルーベリーパイが完成! ジャムはハート型などにトッピングして、見た目もかわいく仕上がりました。
一口サイズのブルーベリーパイが完成! ジャムはハート型などにトッピングして、見た目もかわいく仕上がりました。

理科では校内の土を使った“土壌の実験”

理科の中井美由紀先生に中学1年生の食育学習についてお話をうかがいました。

エデュ:中学1年生の理科で行っている食育学習では、具体的にどのようなことをしていますか。

中井先生:最近行ったのは、土壌の性質を学ぶ実験です。校内の土を何種類か採取して、土の保水力を調査しました。実験方法は採取した土に一斉に水を注いで水の落下するスピードを見比べるというもので、土の性質によって違いがはっきりと出ます。「土の種類でこんなに違いが出るんだ!」と生徒たちは驚きと発見があったようです。

エデュ:今年度の1学期に行われた食育プログラムの取り組みと、2学期以降の予定を教えてください。

中井先生:1学期は「特別授業」という枠組みで、農業をテーマにした授業を実施しました。
中学1年生では、植物に必要な栄養素や土壌の性質について学び、生物学的な知識を深めることを重視しています。2学期は1学期に学んだことを踏まえて、探求学習として考えを深めてもらう予定です。

エデュ:中学生の食育プロジェクトで大切にしていることは何ですか。

中井先生:中等部では3年間を通して食育を学習しますが、理科や家庭科、国語や社会科といった各教科の分野からアプローチしていきます。教科の壁を越えた教科横断的な学習で、生徒たちが食育をより身近に感じられるように努めています。

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編集者から見たポイント

田植え体験や調理実習など食育を楽しく学べる環境が整っていて、生徒の好奇心ややる気を引き出す仕掛けがたくさんあると感じました。学校の信頼から成り立つ食料農業大学との強固な連帯を活かした体験プロジェクトは淑徳SCならでは。これからますますパワーアップする食育プロジェクトに期待大です。

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イベント日程

イベント名 日時
学校説明会 2020年10月25日(日)
11:00~
学校説明会・小学生対象GSCコース体験授業 2020年10月31日(土)
14:00~
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