人生を想像する力をつける“新キャリア教育”

人生を想像する力をつける“新キャリア教育”

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自律した女性を育むことを目指す淑徳SC中等部・高等部(以下、淑徳SC)では、次世代ハイブリット構想を掲げ、今年からキャリア教育を一新しました。今回は高校1年生が対象となる職場取材とWebマガジン作成を軸にしたプロジェクトについてご紹介します。

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自分の人生に興味を持ってじっくり考える

淑徳SCでは進路決定時期になっても将来やりたいことが見つからないと悩む生徒が多いと感じたことから、生徒が人生に向き合う時間をつくろうと、新キャリア教育をスタートしました。そこで高校1年生が挑戦するのは、クラス混合のグループで興味のある職場に取材を行い、プレゼンテーションやWebマガジンで成果を発表する一大プロジェクトです。

~新キャリア教育プロジェクトの流れ~
4月 オリエンテーション  noteのディレクター・水野圭輔さん講義
6月 フリーライター・長尾康子さん講義&ワークショップ
7月 夏季休暇中に各グループで職場取材
8月 サマースクールにて取材の中間報告
9月 ウェブサービスnoteでWebマガジン作成
10月 Webマガジン発表会

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取材・プレゼンテーション・Webマガジン作成で人間力を磨く

淑徳SCの強みは、外部講師を招くことができる広い人脈や地域との強い繋がりにあります。新プロジェクトも多くの方々に支えられて実現しているのです。

プロの講義で生徒の好奇心とやる気を引き出す

Webマガジン作成に向けては『ウェブサービスnote』のディレクターである水野圭輔さんが講義を行い、“発信することの魅力”を生徒たちに伝えます。また、取材におけるコミュニケーションや相手の話を引き出す方法を学ぶため、フリーライター・長尾康子さんがワークショップを実施し、取材する側とされる側をどちらも体験。実践に向けての知識や技を身につけます。

初チャレンジの取材体験は緊張の連続

取材先は地域の協力によって地元の銀行や企業、フラワーショップ、薬局、飲食店などで行われ、生徒たちは取材のアポイントから挑戦します。
「アポイント取りは緊張しているようすでしたが取材に行くと優しく対応してもらったようで、ワークショップで学んだ取材術も発揮できたと笑顔で帰ってきました」と先生方も手ごたえを感じたようです。

事前に準備した取材シートを使って、仕事内容やどんな想いで働いているかなどの話を深掘り! 最後にはお店の人たちと写真をパシャリ。
事前に準備した取材シートを使って、仕事内容やどんな想いで働いているかなどの話を深掘り! 最後にはお店の人たちと写真をパシャリ。

サマースクールで学ぶ“プレゼンテーション力”

2泊3日のサマースクールでは、職場取材の中間報告会を開催し、各グループがプレゼンテーションを行いました。ワークショップでアイコンタクトや間の置き方、ジェスチャーなど表現の仕方を学んだ後、グループごとに取材報告の発表に挑戦。地域活性化事業で活躍する大宮透さんがゲストで登場して評価を行うという緊張感のあるなか、取材のようすを劇で再現するなどオリジナリティある発表が行われました。

緊張した面持ちで職場取材のプレゼンテーションを行う生徒たち。
緊張した面持ちで職場取材のプレゼンテーションを行う生徒たち。
プレゼンテーションの改善点を指摘する大宮透さん。ここで指摘を受けた内容は10月の発表会の課題になりました。
プレゼンテーションの改善点を指摘する大宮透さん。ここで指摘を受けた内容は10月の発表会の課題になりました。

集大成となるWebマガジン制作と10月の発表会

9月には、いよいよプロジェクトの集大成といえるウェブサービスnoteでWebマガジンを作成します。生徒たちは放課後に何度も集まったり、タブレットを使って自宅で制作したりと熱心に取り組みました。そして10月の発表会では、サマースクールでの学びから発表内容を改善して学年全員がグループごとに堂々と成果を披露しました。
そして、文化祭では来校者に発表会の動画やWebマガジンを公開しました。

学校は社会に出るための道場 失敗を繰り返して成長する場

キャリア教育のプロジェクトチームに所属する先生方に、新プロジェクトの狙いや成果についてお話をうかがいました。

「ただ指示を待っている傾向があった生徒たちが、自分からアクションを起こすようになってきました」と話す保延今日子先生(左)と安藤佑太先生(右)。
「ただ指示を待っている傾向があった生徒たちが、自分からアクションを起こすようになってきました」と話す保延今日子先生(左)と安藤佑太先生(右)。

安藤先生
新キャリアプロジェクトは、生徒が自分の人生を他人事として捉えるのではなく、主体的に考えられるように「積極性・判断力・問題提起力」を伸ばすことが狙いです。イメージは「社会に出るための道場」。取材体験やプレゼンテーションなどでたくさん失敗をしながら課題を乗り越えてほしいと思っています。実際にこうした経験を通して自信がつき、積極的に質問や提案をする生徒が増えました。今後は高校2年生で個人取材を実施するなど計画を練っています。

保延先生
4月のオリエンテーションでクラスの枠組みを取っ払ってコミュニケーションを取ったことで、これまでにはない学年の一体感を感じます。また外部講師の講義では少人数制のため、生徒一人ひとりにしっかり熱が届くのがよいですね。
淑徳SCではもともとDFL(Design the Future for Ladies)という教育があり、女性ならではの将来設計を大切にしていますが、中学ではこのDFLの土台をつくり、そして高校ではこの新プロジェクトで人生をさらに広い視野で見る力を養うことができるのです。

淑徳SCが誇る女子教育の詳細はこちら ≫

編集者から見たポイント

今回の新キャリア教育もしかり、淑徳SCは新しく生まれ変わる大きな分岐点へ差し掛かっていると感じます。生徒のよりよい学校生活や将来を考える先生たちが立ち上がり、熱意を持って改革を行う淑徳SCに期待大です。

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イベント日程

イベント名 日程
中学校説明会 2020年 1月11日(土)
高学校説明会 2020年 1月11日(土)
詳細とお申し込みはこちら ≫

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