「算数選抜」で問う力は!? 巣鴨が入試改革に込めた思い

「算数選抜」で問う力は!? 巣鴨が入試改革に込めた思い

inter-edu’s eye

堅調な進学実績を上げている伝統校でありつつ、グローバル教育などの先進性も注目される巣鴨中学校・高等学校(以下、巣鴨)。受験の難易度が高いことで知られますが、近年は試験日程も増え、「挑戦しやすくなった」と話題になっています。特に2018年2月からは算数1教科のみの「算数選抜」をスタート! 今回は、こちらの試験形式をはじめ、入試改革に込めた思いを特集します。4・5年生のお子さまがいる保護者も必見です。

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受験機会は4回に! 「志望度の高い受験生への優遇措置」もご紹介

巣鴨の入試改革の経緯について、入試広報部部長の大山聡先生にうかがいました。

入試広報部部長の大山聡先生
入試広報部部長の大山聡先生。

インターエデュ(以下、エデュ):巣鴨の入試が過去と比べてどう変わったか教えてください。

大山先生:巣鴨は2018年度入学者選抜から、試験日を2月1日、2日、4日の3日程に設定しています。翌2019年度入学者選抜にスタートした「算数選抜」は2月1日午後に実施し、受験機会は計4回となりました。以前は1・2日の2回しか受験機会がなかったため、他校を第一志望とする受験生にも挑戦しやすくなったと考えております。ぜひ受験をご検討ください。

エデュ:入試改革の目的を教えてください。

大山先生:より幅広い多くの方に受験していただくことです。現在、第一志望が他校に決まっている受験生にも是非、巣鴨の教育について知ってもらいたいと思っています。「厳しい伝統校」のイメージで語られがちですが、グローバル教育などに関しても優れたプログラムを展開しています。もちろん、東京大学をはじめとする最難関大学を狙えるカリキュラムも用意しています。将来の夢を叶えられる環境です。

オールイングリッシュでイギリス文化などを学べる「Sugamo Summer School(SSS)」のようす
巣鴨のグローバル教育プログラムといえば「Sugamo Summer School(SSS)」。オールイングリッシュでイギリス文化などを学び、人生経験豊かな講師たちから刺激を受けます。

エデュ:第一志望とする受験生への配慮はありますか。

大山先生:複数回、巣鴨を受験した方に対しては、点数がボーダーライン上にあった場合、優先的に合格させる措置を取っています。繰り上げ合格も同様です。ただ、ボーダーライン近くには多くの受験生が集まるため、得点が大きく足りないと対象外となってしまいます。その点はご理解ください。

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「算数選抜」実質倍率は約3倍、でも「簡単ではない」

より多くの受験生にチャンスを広げた巣鴨。ここからは、気になる「算数選抜」について詳しく伺いました。

エデュ:算数選抜を行う目的を教えてください。

大山先生:算数は「論理的思考力が純粋に表れる教科」だからです。国語、社会などは生育環境などが成績に影響しやすい一方で、算数は受験生の資質が比較的測りやすく、たとえ1教科のテストであっても入試に取り入れられると判断しています。1教科60分と短時間の受験形式になるので、2月1日午前に他校を受けてきた方も挑戦してくださればと思います。

エデュ:算数の実力のみで巣鴨に入学することに不安はありませんか。

大山先生:巣鴨では算数で培った力を他教科にも広げることができます。中学3年生と高校1年生を対象に、数学を中心とした成績優秀者を集めた「数学クラス」を設置していますが、ここから最難関大合格者が続々と出ています。

数学クラスの授業のようす
数学クラスの授業のようす。他クラスとカリキュラムが進むスピードは同じですが、指導内容は一歩進んだものになります。

エデュ:「算数選抜」の難易度を教えてください。

大山先生:正直に言いますと、決して簡単な試験ではありません。ただ、昨年度は募集人数20人に対して235人の合格者を出しています。受験者数は701人なので実質倍率は約3倍です。

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創造性を問う試験! 「深く考える学習を積み重ねて」

「算数選抜」の出題傾向や作問意図について、数学科の爲貝基文先生にお聞きしました。

「算数選抜」作問の責任者を務める数学科の爲貝基文先生
「算数選抜」作問の責任者を務める数学科の爲貝基文先生。

エデュ:「算数選抜」のご紹介をお願いします。

爲貝先生:大きな特徴が3つあります。①「読解力を測る」大問3問を出題していますが、そのうち2問は文章題です。問題文は算数の試験としてはかなり長く、精読できるかが問われます。②「努力主義」旅人算や鶴亀算といった中学入試に頻出する典型問題は必ず出します。これまでどの程度勉強してきたかをチェックし、頑張ってきた受験生を評価します。③「計算式、解法について説明させる問題を出す」暗記した公式に数値を当てはめるだけでは解答できない問題があります。

エデュ:計算式、解法について説明させる問題を出すのはなぜですか。

爲貝先生:「暗記した解法に頼らず、自らの創造性を発揮して解法を組み立てたか」を見ることができるからです。また、答えにたどり着くまでの考え方をしっかりと理詰めで説明してもらうことで、ただ答えを出させるより厳密に思考力を測ることができます。

グループワークのようす
授業中のグループワーク。主体的に考えることを生徒に求める巣鴨の特色が表れています。

エデュ:創造性を問う理由を教えてください。

爲貝先生:巣鴨の数学科で丸暗記やマニュアル的な受験対策に留まらない教育活動を展開するため、そこに適性があるかを見極めたいからです。そもそも、数学は「答えにつながる道筋を発見する」という創造性が求められる学問です。最難関大学でもそうした数学の本質的な力を測る問題を出していて、「発想力豊かで、創造性のある学生が大学に求められている」と強く感じてきました。巣鴨ではこうした状況を踏まえ、大学入試、入学後の研究活動を見据えた生徒育成に努めています。そこで、「算数選抜」ではその可能性を見る、というわけです。

エデュ:「算数選抜」で合格するためには、どのような学習をすればよいでしょうか。

爲貝先生:「暗記した公式に数値を当てはめて答えを出す」という学習方法ではなく、一つひとつの問題を、筋道を立ててしっかりと考えて解く習慣をつけてください。みなさんはたくさんの公式を覚えていると思いますが、まずは「どうしてその公式を使うと効率的に答えが出るのか」と考えてみましょう。そうした積み重ねがあれば、「算数選抜」は太刀打ちできる試験です。

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モチベーションが高い「算数選抜」入学者たち

エデュ:これまで「算数選抜」で入学した生徒たちは巣鴨でどのように過ごしていますか。

大山先生:「算数選抜」が読解力を問う試験ということもあり、国語・社会・理科・英語の実力も順調に伸びています。成績上位層に食い込んでいる生徒も多数います。実施日が2月1日午後ということで、他校を第一志望としていた生徒ももちろんいますが、学習のモチベーションは高く保てています。

爲貝先生:巣鴨を第二、第三志望として入学した生徒には最初に「巣鴨に入学した今の自分を否定しないでほしい」と伝えました。本校も東京大学をはじめとする最難関大学を狙えるカリキュラムがあるので、そうした生徒も新しい目標意識をもって前向きに学習するようになっています。多くの生徒が希望者向けの応用的な学習内容を扱う講習に参加しており、真剣に学んでいる姿が印象的でした。

大山先生、爲貝先生

エデュ:最後に受験生へのメッセージをお願いします。

大山先生:中学受験では合格・不合格という結果は必ず出ます。しかし、結果はどうあれ、みなさんが大きな成長をとげていることは間違いありません。「努力は裏切らない」ということを胸に、最後までやりぬいてほしいと思います。

爲貝先生:「算数選抜」の問題は算数の奥深さ、面白さを大切にして作っています。「いい問題つくるなあ」と思ってもらえたら嬉しいですね。

編集者から見たポイント

伝統校のイメージで語られがちな巣鴨ですが、受験生のニーズを柔軟に捉えて入試改革を進めてきたことをぜひ知ってもらいたいと思います。グローバル教育やアクティブ・ラーニングの取り組みにもご注目ください。

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イベント日程・2021年度中学入試日程

イベント名・入試区分 日時
中学校説明会 2020年12月5日(土)
10:00~
【中学入試】第I期 2021年2月1日(月)
【中学入試】算数選抜 2021年2月1日(月)
【中学入試】第II期 2021年2月2日(火)
【中学入試】第III期 2021年2月4日(木)
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