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難関大にも合格!志共育で進化を続ける足立学園の探究コース

inter-edu’s eye

1929年の創立当時から足立区に根を下ろし、近接する北千住駅の再開発と歩調を合わせるように著しい発展を遂げてきた足立学園中学校・高等学校(以下、足立学園)。首都圏有数の男子校として多くの卒業生を送り出してきた足立学園では、校長である井上実先生が提唱した志共育(こころざしきょういく)による新たな「私学ならではの教育体制」が実現しようとしています。

4年目の志共育から得られた手応え

相手を思いやる人間力や目標実現に向けて努力する姿勢を「志」とし、学友との生活を通して自らを見つめ直し主体的な行動力や使命感を引き出す学びを「共育」とする志共育がスタートして4年。足立学園はどのように変わってきたのか、学校長の井上実先生にうかがいました。

井上校長

一般的な教科学習の枠にとどまらない体験型学習や学校行事などを通して、全教員が工夫をこらしながら志共育の実践に取り組んできた結果、生徒たちが早い段階で将来の目標を考えるようになりました。そうした校内の雰囲気が、大学合格率といった数値だけに限らず生徒の言動にも表れ始めました。今では、さまざまなアイデアが教員間で話し合われており、世のためになる「志」を実現する手段としての企画が生まれています。それは、障がい者教育やアフリカスタディツアーなど本校独自の学びへと発展してきました。

学校長 井上実先生
学校長 井上実先生

高校からの選択制となる3つのコース「探究コース」「文理コース」「総合コース」を用意したことには、将来を見越した自立・自律のために自己決定をするという意味合いが含まれています。コース選択は簡単なことではありませんが、中学受験へのチャレンジと同様に、人生を考える重要なタイミングと位置付けています。なかでも、探究コースは答えのない問いに対して創意工夫をもって挑むという学びを実践します。

教科学習以外の授業コマ数が多いにもかかわらず、難関大学の総合型選抜入試で実績を残した卒業生たちがいる点は注目に値するでしょう。文理コース・総合コースには指定校推薦の枠が350名以上、大学数で言えば130校が揃っています。自ら選択したコースで学校生活を充実させながら進路を実現することが可能です。

探究ゼミの様子
探究ゼミの様子

人口減少が進む日本社会では、新たな創意工夫を生むための能力が求められています。探究コースではそうした能力の育成を目指しており、階段を一歩一歩上り詰めるような男子ならではの成長曲線を見守り続けてきました。当然ながら、そうした教育方針が保護者の皆さまにご理解をいただいています。

人間として成長するためには知識と同じように体験を重ねることも大切です。前述のアフリカスタディツアーは、英語圏ではない国で2週間現地で様々な体験をし、教育内容や物質的な豊かさの違いだけでなく、多様な人間性を肌で感じる貴重な機会としています。また、土曜日に開催している自主参加制のジャンプアップ講座は、約20名の卒業生から勉強法や大学生活の魅力を学びます。こうした場には塾とは異なる付加価値があり、これからの人生について気づきを得ることもあります。

このように、生徒個人の「志」に合わせて選択できる学び方が、本校独自の強みとなっています。子どもは一人で勝手に育つわけではありません。友と切磋琢磨する姿を、我々も教員の立場から応援することで「共育」を実践しています。本校の学校説明会では在校生が司会を務めているので、その様子からわが子が成長したイメージを読み取ってみてはいかがでしょうか。

上級生からアドバイスを聞く場面も
上級生からアドバイスを聞く場面も
学年を越えた縦のつながりの深さも足立学園の生徒らしさの一つです
学年を越えた縦のつながりの深さも
足立学園の生徒らしさの一つです

探究コース3期生を送り出した先生の視点

導入をきっかけに進学傾向が多様化した探究コースの現状について、創設から深く関わり続けている授業研究係・探究コース主任・高2学年主任の飯山泰介先生からうかがいました。

飯山先生

他校に先駆けてICT環境を導入した際に、知識集約型の授業に取り組む時代は終わったと感じ、学校に足を運んで学ぶことの意義を再検討する必要性がありました。新機軸として探究学習に目を向けたことで、本校が掲げる志共育の理念が生まれたタイミングに合わせて、学びのプロセスそのものを尊重する環境として探究コースが生まれました。
テストの成績に一喜一憂することなく、数値に見えにくい部分を伸ばすといった教育姿勢は、探究コースと同時に中学で2/1志入試(自己アピール入試)がスタートしたことにも表れています。

授業研究係・探究コース主任・高2学年主任の飯山泰介先生
授業研究係・探究コース主任・
高2学年主任の飯山泰介先生

探究コースの5期生となる高校2年生は、大学進学の先を見据えて進路を考え、自分の将来を探究する進路探究に取り組みます。彼らは先輩たちが残した探究論文を読み、どのようにゼミや論文作成に取り組むのかを理解して、与えられる課題をこなすのではなく、自ら学びたいという欲求を呼び覚ますようになりました。
こうした進化は3年以上が経過して一巡した探究コースの真価にほかなりません。さまざまな体験には成功だけでなく失敗もあることでしょう。やってみて初めて分かる適性もあります。自らの強みだけでなく、弱みまで知ることをできるのが探究コースの魅力の一つです。

紙で作ったプロテクターで卵を包み、いかに早く・垂直に落とすかを考える「エッグドロップの実験」
紙で作ったプロテクターで卵を包み、
いかに早く・垂直に落とすかを考える
「エッグドロップの実験」
卵が割れないよう円錐型やパラシュート型などさまざまな形で実験し試行錯誤を繰り返します
卵が割れないよう円錐型やパラシュー
ト型などさまざまな形で実験し試行錯
誤を繰り返します

既存の知識を活用して新たな創造を実現する課題探究や、前述の進路探究などに取り組んだ証として探究論文を作成します。この際に得られた知見が大学の総合型選抜にも活用され、早稲田大学や東京工業大学への合格実績につながりました。
今後は、探究学習を通して他校と連携の輪を広げつつ、近隣地域の大学と高大接続を強化していきます。
そうした社会への還元こそが、本校の校訓にある「有為敢闘(世のために最後まで力を尽くすこと)」につながります。

最後に、探究コースからは国公立大学に9名の進学実績があります。しかしながら、本校は評価を上げるために進学させるのではなく、生徒本人の未来を第一にしている点をご理解ください。大学合格実績の数値には表れない「志」の実現が私たち教員の願いであります。

個人探究発表の様子
個人探究発表の様子
最後は研究の成果を論文としてまとめ冊子にします
最後は研究の成果を論文としてまとめ
冊子にします

志を持って飛び立った卒業生の声

主体的に進路選択をし、その夢を実現させた卒業生の声をご紹介します。

探究コース2期生 八幡昂樹さん
(イリノイ大学コンピュータサイエンス学部)

高校2年生の冬に自動運転技術とその将来性に興味を持ち始め、個人探究のテーマにしました。大学では自動運転技術の学びを深めたかったので、その環境が整っているアメリカの大学を目指すようになりました。
個人探究では将来の仕事が明確にでき、課外活動のきっかけになるなどの非常に大きなメリットがあったと感じています。高校3年生の受験期は、日米それぞれの大学を併願していたので勉強はとても大変でしたが、友人と高校職員室前の大きなテーブルで一緒に勉強したことが良い気分転換になっていました。

探究コース2期生 八幡昂樹さん(イリノイ大学コンピュータサイエンス学部)

男子校の足立学園では勉強、スポーツ、遊びを両立できるだけでなく、とても楽しい毎日を過ごせました。中学受験には苦労がありますが、入学後の未来に希望を持って勉強に取り組んでください。

一人ひとりが自由に興味のあることを探究できる環境が整っています
一人ひとりが自由に興味のあることを
探究できる環境が整っています

探究コース卒業生からのメッセージ

探究コースで学んだ先輩たちから、ご自身が取り組んだ探究テーマや、やって良かったこと、大学入試の体験談をご紹介いただきます。

編集後記

探究コース2期生の動画にあったメッセージには「自分が純粋に興味のあるものを学ぶ」から進学したというコメントがありました。わが子が自ら決めた道を突き進む姿が見られること以上に、親にとってうれしいことはありません。足立学園が持つポテンシャルの無限性を感じられるインタビュー取材となりました。皆さんも学校説明会で在校生や先生方が語る足立学園の未来を覗いてみてはいかがでしょうか。

イベント日程

中学校

中学校ナイト説明会② 2022年11月30日(水) 18:00〜
中学校説明会12月(授業見学・なんでも相談 14:00〜入試対策) 2022年12月10日(土) 10:00〜
小6対象中学校入試直前対策 2023年1月14日(土) 14:00〜
中学校体験会(授業見学・なんでも相談 14:00〜授業部活体験) 2023年2月18日(土) 10:00〜

高校

高校個別相談・校内見学 2022年12月3日(土) 14:00〜
高校入試相談③ 2022年12月3日(土) 14:00〜
高校個別相談・校内見学 2022年12月24日(土) 14:00〜
高校入試相談④ 2022年12月24日(土) 14:00〜

企画・編集:インターエデュ・ドットコム
提供・取材協力:足立学園中学校・高等学校