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跡見流の美意識で世界が変わる 将来構想プロジェクト始動

inter-edu's eye

創立から147年目を迎えた跡見学園中学校高等学校(以下、跡見学園)は、キリスト教以外の私立では日本初となる女子教育を実践してきました。本物の伝統文化に触れながら、探究・協働を通して美意識を培うことで、しなやかで凛とした女性を育成する跡見学園の教育現場の様子をご紹介します。

伝統と教育改革が一体化したプロジェクト

長い歴史の中で綿々と紡がれてきた跡見学園の伝統教育や、現代社会で必要とされる資質を身につけるプログラムを再定義した「将来構想プロジェクト」の現状について、鈴木真人先生と廣瀨里美先生からうかがいました。

将来構想プロジェクトとは?

生活の型や基礎技芸を学ぶ「跡見流リベラルアーツ」を根底として、年間行事や校外フィールドワークによる「本物の美の探求」から価値観を築き、自ら発見した課題の解決に取り組む「探究型創造学習」へと繋げる教育活動です。

跡見流リベラルアーツ

あいさつや身だしなみ、書道・茶道といった伝統教育から作法を学び、自分なりの美意識を育むことを目指します。

本物の美の探求

文化芸術鑑賞などさまざまな行事を体験し、その背景を学ぶことで美しさとは何かを追求し、一生ものの価値観を築きます。

探究型創造学習

従来の宿泊行事や平和教育を発展させ、地球規模の課題について考えた意見を言葉で表現し、実行していく女性を育てます。

教育ビジョンの実現へ求める成長の流れ
鈴木先生

プロジェクト導入の背景を教えてください。

鈴木先生本校は2025年に創立150周年を迎えます。建学の精神を受け継ぎながらも、新しい時代に合わせた教育ビジョンとして「自らの美意識のもとに新たな価値を生み出し、周りを幸せにする女性」の育成を実現するために、以前からの伝統教育やプログラムを見直した成果が将来構想プロジェクトとなりました。

美意識という言葉に強い思いが込められているそうですね。

鈴木先生私たちにとっての美意識は、見た目の美しさではなく「生き方や考え方の美しさ」を感じ取る心であり、「大切なものは何か」という本質を捉える目を意味しています。移り変わる社会状況において、どのような時でも自分自身の拠り所になるものであり、中高6年間のうちに磨くべきものだと考えています。

廣瀨先生

具体的な活動例をいくつか挙げてください。

廣瀨先生入学したばかりの生徒には、人を敬う礼儀やあいさつ、基本的な生活習慣、勉強時間の管理ができるように指導しています。クラス会議に取り組み、クラスメイトと協働しながらICTを活用して、小テストなどのスケジュールをカレンダーにしたり、視野を広げつつ読解力を伸ばせる多読に挑む「跡見の100冊」などに取り組んだりもしています。
また、中1・2のサイエンス探究教室では豊かな自然に恵まれた軽井沢や奥日光で宿泊行事を実施します。植物観察や屋外炊事等に取り組み、現地で生まれた問いについて探究し、みんなの前で発表します。

さらに、中学3年間を通じた平和学習では、世界各地のNGO・NPO等の活動を参考に「これからの平和をつくる取り組み」について探究し、今すぐ自分ができる5つのアクションをプレゼンテーションし共有するというプログラム等に取り組みました。これらの探究学習を軸とした活動は、毎日の授業との繋がりを意識しながら進めています。

跡見学園の毎日から学んだ成果

入学してからの成長や授業に臨む姿勢など、さまざまな学習活動の成果について、中2生のKさん・Sさんと高1生のNさんからうかがいました。

Kさん

跡見生になって成長を感じていることはありますか。

Kさん勉強時間とダンス部の練習時間を自分で管理する必要があるので、今まで以上に生活面でメリハリが出てきたと思います。それに、なんでもメモを取るようになったおかげで以前より忘れものをしなくなりました。校内では自然に「ごきげんよう」のあいさつができるようになったんですよ。

Sさん

Sさん習字の授業では学祖の跡見花蹊先生がお書きになっていた「跡見流」の書風を学びます。お作法の授業では卒業生の方から昔ながらの折形を習ったり、お辞儀の練習もしたりします。伝統に触れることで、跡見生になったんだという実感が湧いてきました。

Nさん

授業で心がけていることを教えてください。

Nさん跡見学園ではプレゼンテーションをする機会が多く、聞き手に私の考えを伝える際には言葉遣いに気を付けるようになりました。言葉自体の意味を深く理解して、表現豊かに話すだけでなく、自分自身を客観的に見つめられるように工夫しています。
中3のSDGs/社会問題ツアーではさまざまな立場や職業の方々からお話をうかがいましたが、心に残っているのは「AIと協働する未来」という内容で、他者とのコミュニケーションが減っている社会だからこその問題点や解決策を考えることができました。学んだ知識をその場限りで終わらせてはいけないと思ったきっかけにもなったんですよ。

おすすめしたいポイントを紹介してください。

家庭部の活動の様子

お菓子作りを楽しむ家庭部に所属していますが、学年も個性も異なるメンバーの数が130名を超えています。そこで時間を過ごすうちに、さまざまな刺激を受け、新しい考え方を発見することができました。教室とは異なる居場所ができる部活動の多さは自慢のひとつです。

図書館

清潔で開放的な広さのキャンパス全体が好きですが、特に図書館では身が引き締まる空気感があり、勉強のやる気を引き出してくれます。ダンス部の先輩方はとっても輝いており、憧れの存在になっています。いつか同じように思われる女性になりたいと願っています。

理科室

理科の実験が好きなので、授業内容ごとに使い分ける4つもの実験室があることが自慢です。入学の決め手にもなった温水プールがあり、水泳部の練習に集中することもできます。土のグラウンドで全校生徒が競い合う体育祭の盛り上がり具合は、文化祭と並ぶものがあります。

未来の跡見生に送るメッセージ

中学受験にチャレンジする受験生の皆さんに向けた応援メッセージをお預かりしました。限られた受験勉強の時間をしっかりと過ごすためのヒントにしてください。

授業の様子

鈴木先生担当学年の中2生からは、自分で考えながら答えを導く勉強内容が楽しい、受験時からそのような学習の仕方を心がけていたという話を聞いています。「どうしてそうなったのか」というプロセスを経て辿り着いた先こそが、本当の理解に繋がります。そのためには、簡単に答えを見たり人に聞いたりせず、「なぜ?」という疑問を大切にしてください。チャレンジする壁が高い受験生こそ、入学してからの伸びが大きいと感じています。思い通りにならない状況を乗り越えられた時こそ、本物の力が身につくのだと信じて頑張ってください。

廣瀨先生数多の卒業生を社会に送り出してきた歴史を持つ跡見学園には、全ての「人」との出会いとつながりこそが財産であるという考えがあります。女性同士で過ごす環境ですから、特別な遠慮をする必要はありませんし、あなた自身がリーダーとして活躍する機会もあります。そういった体験から、他者を支える力や社会で活躍するためのスキルが育まれます。今よりももっと先の幸せな未来を夢見て学び続ければ、きっと楽しい跡見生の毎日を過ごすことができるようになりますよ。

イベント日程

202191(水)・3(金) 第2回ナイト学校見学会 ※両日とも同じ内容
2021911(土)・12(日) 文化祭
20211030(土) 第4回学校見学会
2021116(土) クラブ見学会
20211113(土) 第2回授業見学会
20211128(日) 入試体験会

上記のほか、オンラインでの説明会もございます。
詳しくは入試情報ページをご覧ください。

企画・編集:インターエデュ・ドットコム
提供・取材協力:跡見学園中学校高等学校