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148年の歴史を紡いできた跡見学園が見据える女子教育の未来

inter-edu's eye

明治8年の創立以来、時代が求める学力と美意識を兼ね備えた女性を送り出してきた跡見学園中学校高等学校(以下、跡見学園)は、文京の地に根差した名の知れた伝統校です。跡見学園での女子教育の在り方や実際の成果について、先生・生徒それぞれの視点からご紹介します。

建学の精神を体現できる理想の女性像

しなやかで凜とした女性を育てることを使命とする跡見学園は「自らの美意識のもとに新しい価値を生み出し、周りを幸せにする女性」の育成を目指してきました。そのビジョンの背景にある考え方や教育現場の取り組みについて、鈴木真人先生と杉本くらこ先生からお話しいただきました。

鈴木先生
鈴木先生

跡見学園における教育ビジョンや生徒の成長過程を教えてください。

鈴木先生

跡見学園では指導指針の一つとして「美意識」を大切にしてきました。それは見た目の美しさに限らず、女性としての生き方にまで及ぶものであり、人生の岐路に立ったときに自分自身の意思で一歩を踏み出すための軸となるでしょう。たとえば、一般教科にはない独自の学びの一つひとつが、跡見生の教養・品性を育て上げることにつながっています。お作法の時間には細やかな所作に込められた真意を、そしてネットリテラシーの授業では利便性と危険性の両面にアプローチするといったものです。あらゆる物事の基本となる所作を身につけたうえで、自分らしさを引き出す力強さに必要な要素が「美意識」だと考えています。

杉本先生
杉本先生

杉本先生

新入生がやりたいと思ったチャレンジを実現できる土壌があり、中高合同のクラブ活動に代表されるような集団生活でルールを学びながら、リーダーシップ、フォロワーシップを身につけていく様子をずっと見守ってきました。跡見学園の伝統教育は「本物に触れる」ことを前提としており、各教科や校内外での行事を通して“目と心と手で触れる”実体験を重ねつつ、そのふり返りを言葉として形に残しています。

タブレットやアプリの活用状況を教えてください。

鈴木先生

協働的な学び方が求められる「総合的な探究の時間」では、タブレットが情報収集からプレゼンテーションに至るまで有効活用されています。アプリで作成した資料はすぐにグループ共有されるようになり、ものづくりとしての表現方法も格段に向上しています。外部から専門のスタッフを招いて、私たち教員も常に新しい使い方を学んでいるんですよ。

杉本先生

保健体育の授業では生徒たちが動画作成や写真撮影をしています。タブレットを利用する最大のポイントは、主体的に授業に参加できるということでしょう。各教科の枠を超えた利用法があり、ときには学校説明会やクラブ活動紹介でも動画作成をするようになりました。

ICT教育

国際教育の授業内容について教えてください。

鈴木先生

語学力を高めるだけでなく、人権問題、戦争を引き起こす地政学、未来にわたる気候変動といった地球規模のテーマを通して、グローバル社会への理解を深めていく学びが跡見学園の国際教育です。例えば、広島・沖縄・台湾(2022年度は九州)のいずれかを研修先とした中3のSDGs探究旅行では、本校オリジナルの平和学習を実践しつつ、SDGsのテーマを自分事として考えることで国際感覚を身につけることができるようになってきます。さらに国際教育を進めていくためには、ツールとしての英語を学びながら自国の文化も同時に理解を深めていく必要があります。最終的には身近な問題を発見し、その解決法を探ることができるレベルに達したいと考えています。

広島SDGs
指導の様子

先生方の連携による新たな取り組みをご教示ください。

鈴木先生

近年、今の時代に求められている学力の指標が変わってきたと感じており、生徒たちは受け身ではなく能動的に学び、そこから得られた知識を活用するといった一貫した姿勢が求められるようになりました。その姿勢を体現する取り組みとして、幅広いテーマを扱った「社会科意見発表会」や刑事裁判を再現した「模擬裁判」が行われています。私たち教員は、基礎学力の向上や大学新入試への対応といった昨今のニーズを意識して、各教科の研究会で教育目標を明文化するなど、学校改革の基盤を整え始めています。

跡見学園の毎日から学んだ成果

学校の魅力を知るなら在校生に聞くのが一番!クラブ活動に打ち込んできたお二人から、現在の目標や毎日の楽しみ方などを聞かせていただきました。

Sさん
Sさん

クラブ活動への参加状況や普段の学校生活について教えてください。

Sさん

中高合同のダンス部で、先輩方の踊りを手本にしながら日々の練習に打ち込んでいます。校外からお招きしているコーチからはジャズダンスの基礎を教わりつつ、さまざまなジャンルのダンスを練習した成果として受験生向けのクラブ活動紹介で踊ったこともあるんですよ。
海外の自然や文化を直接体験して、日本との違いを比べてみたいと考えているので、そのためにも毎日英語の勉強を欠かさないようにしています。今年は選抜クラスで授業を受けているので、高校でも同じ選抜クラスに進んで海外で暮らせるくらいの英語力を習得するのが今の目標です。

ダンス部
ネイティブスピーカー
Kさん
Kさん

Kさん

部活見学の際に優しくしてもらった先輩方を慕って入部した剣道部で礼儀作法を身につけられました。中1の頃を思い出して、当時悩んでいたことや先輩から教えてもらった練習法などの経験を後輩に伝えるようにしています。私は裏方としてみんなを支えることが自分に合っていると感じているので、高校生になったらキャプテンではなく部長としてクラブ運営をしてみたいと考えています。
中学最後の1年間と高校からの3年間は、将来のために自分自身の視野を広げたり選択肢を増やせるような体験をたくさんして、いろんな謎を解き明かす研究職に就くことを目標にしています。

剣道部
PCルーム授業

跡見学園ならではの伝統文化を学ぶ授業を教えてください。

Sさん

墨をすりながら精神を集中させることから始まる跡見流の書道は、小学生時代に習ったやり方とは全く異なるものでした。裏千家の先生にご指導いただく茶道からは、細やかな所作から日本人ならではの「和の精神」を学ぶことができました。

Kさん

中1で初めて体験した放課後プログラム(課外授業)の箏曲は、音の出し方すら分かりませんでしたが、今では譜面の読み方だけでなく新しい課題曲に取り組むことができるようなりました。琴で自分なりの音を作り出すお稽古の魅力は、跡見学園ならではのものだと思います。

Kさん

普段の楽しみ方や受験生におすすめしたいところを教えてください。

Sさん

授業を受ける教室には東京タワーまで見通せる南向きのベランダがあって、休み時間はいつも友だちとお話ししながらリフレッシュしています。みんなの趣味は違っていても、話をしっかり聞きながらお互いの良さや楽しみを分かち合う楽しさがあるんですよ。

Kさん

私にとっては普段の授業の時間が楽しみになっています。各教科の先生が強みにしている分野について詳しく教えてくれるのですが、大好きな理科の授業解説はとても分かりやすく、プリントなどの教材にも載っていない専門的な知識を教えてもらえます。

未来の跡見生へのメッセージ

最後に、中学受験に挑戦する受験生やわが子を支える保護者の皆さんに向けたメッセージをご紹介します。

鈴木先生

鈴木先生

皆さんにとっての中学受験は、初めて人生における大きな選択をするタイミングとなります。なりたい自分とのギャップを感じることもあるでしょうが、何よりも重要なのは目標に挑む勇気を持つことだと考えています。その経験は今後の人生にも活かされることでしょう。中学受験はわが子の自立の第一歩となり、本人にとっても自立を学ぶ大切な機会ですから、保護者の皆さんは、お子さんの未来を信じて応援してあげてください。

杉本先生

杉本先生

受験校選びの際には、入学後の生活をイメージするためにも説明会や授業見学会には何度も参加してください。在校生が過ごす様子だけでなくキャンパス周辺の環境を確かめることで、本当の魅力を知ることができます。跡見学園の説明会では生徒主導で校内を案内するキャンパスツアーを実施しており、他校とは異なる特色や校風を感じ取れるでしょう。その場でしか聞けない生徒たちの本音から知ることも多いはずですから、ぜひとも親子一緒にご参加ください。

イベント日程

2022年7月下旬頃配信開始予定
オンライン帰国生説明会
2022年9月2日(金)、7日(水)
第2回ナイト学校見学会 ※1
2022年10月29日(土)
第4回学校見学会 ※1
2022年11月5日(土)
第2回クラブ見学会
2022年11月12日(土)
第2回授業見学会
2022年11月19日(土)
小学5年生対象学校見学会 ※1
2022年11月27日(日)
入試体験会
2022年12月3日(土)
オンライン相談会
2022年12月上旬以降配信開始予定
オンライン入試説明会
2022年9月10日(土)・11日(日)
文化祭 ※2

※1 学校見学会・ナイト学校見学会は見学のほかに個別相談もできます。
※2 外部への公開を行わない場合があります。

企画・編集:インターエデュ・ドットコム
提供・取材協力:跡見学園中学校高等学校