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期待の国際バカロレア候補校 千代田高等学院の新しいスタート

inter-edu’s eye

129年の伝統を誇る千代田女学園高等学校が来年、大きく生まれ変わります。校名を「武蔵野大学附属千代田高等学院」に変更し、共学化。武蔵野大学との連携をはじめ、国際バカロレア(以下、IB)の候補校として新たなコースを展開するなど、生徒一人ひとりに質の高い学びを提供します。大変革期を迎える千代田女学園(以下、千代田高等学院)の新しい教育に迫ります。

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129年の伝統を誇る千代田女学園高等学校が来年、大きく生まれ変わります。校名を「千代田高等学院」に変更し、共学化。武蔵野大学との連携をはじめ、国際バカロレア(以下、IB)の候補校として新たなコースを展開するなど、生徒一人ひとりに質の高い学びを提供します。大変革期を迎える千代田女学園(以下、千代田高等学院)の新しい教育に迫ります。

先進の学びを多数導入!
荒木校長インタビュー

高大連携、多彩な5コース制、IB候補校など新しく生まれ変わる千代田高等学院の教育内容には、気になるキーワードが数多く並びますが、どのような学校を創っていこうと考えているのでしょうか。
来年度から始まる学校改革の立役者である荒木 貴之校長に、胸の内を語っていただきました。

荒木校長

【荒木 貴之校長プロフィール】
東京都教育庁指導主事、立命館小学校副校長、追手門学院参与、河合塾主席研究員を経て、武蔵野大学特任教授及び千代田高等学院の校長に就任。熱中小学校客員教諭、SSKフェロー、CANVASフェローなど、教育関連の取り組み多数。

インターエデュ(以下、エデュ):新しいスタートを迎えるにあたり、どのような学校を目指していくのでしょうか。

荒木校長:生徒一人ひとりは、それぞれ知性があります。数学に長けている者もいれば、文章表現に長けている者もいる。それぞれの知性に応じたコースを展開し、一人ひとりを大事にして、互いに個性を輝かせながら集団の中で成長する。そんな学校を目指します。

エデュ:IBの教育理念を具現化するコースも始まりますが、導入の目的を教えてください。

荒木校長:IBが目指す「世界市民の育成」は、千代田女学園が掲げる「国際教養人の育成」と非常に親和性が高い。また、「学習者中心主義」という考え方も、私たちの“一人ひとりを大事に育てる”という面から共感できる。IBの「先生と生徒は同じ学習者である」という視点は大事なものだと思っています。さらに新しいプログラムを導入していきますが、教育の本質が変わることはありません。

IBコースの生徒は、IB候補校としてディプロマ・ポリシーに則った教育を受けます。数学は英語を使いながら問題を解釈していきますが、国語や社会など論理的に考える教科に関しては日本語で理解を深めていきたいと考えています。いわゆるデュアル・ランゲージとして、6科目中の4科目は日本語で授業を行います。

先進の学びを多数導入した千代田高等学院 先進の学びを多数導入した千代田高等学院

エデュ:IBのディプロマ・プログラム(以下、IBDP)と同様のカリキュラムを実践することは、生徒にとって大きなメリットになるのでしょうか。

荒木校長:はい。IBDPを取得すれば、海外の大学だけでなく、国内の大学に行く選択肢も増やせます。20人いれば20通りの進路がある。その選択肢を作るのが私たちの使命です。

特に、大学入試が変革期を迎える中で、武蔵野大学への進路を確保しながら他大学にチャレンジできるメリットは大きいですし、高2から大学の施設でハイレベルな講義を受けることも可能になります。他校では経験できないような、より高度でより深い学びが得られるでしょう。また、IQ(文理探究)コースに関しては、大学院生にもサポートしてもらおうと考えています。

エデュ:ICTの活用や4ターム制の採用も大きな注目を集めています。

荒木校長:授業時間をこれまでの50分から45分に短縮する中で、ICTは欠かせないと考えています。プリント配布からデジタル配布にしたり、板書の時間を減らしたりするなど、授業中も効率的にICT機器を使っていきます。授業外でも、SNSを利用して生徒と先生がやり取りできるようにして、生徒の学習進捗状況をチェックしていきます。学習に遅れが見られた生徒には、ICTやAIを活用して個別にフォローします。

生徒一人ひとりを大事に育てていく考えは、これまでと変わりません。生徒同士が互いを引き立て、教員も常に質の高い教育を提供できる学校環境を理想としています。大学入試改革で不安になられる方もいらっしゃるかと思いますが、千代田高等学院では安心して学んでもらいたいですね。ぜひ学校に足を運んでください。

オープンスクールから見える
高大連携のメリット

インターエデュ編集部が、9月に開催されたオープンスクールに参加してきました。荒木校長をはじめ、武蔵野大学の教授と千代田高等学院の先生方による探究型の模擬授業では、今の時代に求められる知的な教育の数々を体験することができました!

高大連携のメリット

ロボットプログラミング

レゴブロックで作ったロボットを動かすプログラミングに挑戦しました。自ら講師を務めた荒木校長の指導で、iPadに打ち込んだ設定を試行錯誤しながら、少しずつ難易度を上げていきます。プログラミングでの達成感を得ることができました。

ロボットプログラミング

グローバルビジネス

世界が一つにつながるグローバリゼーションが進んだ現代では、言葉のやり取りだけでなく、お金の流れも生まれます。武蔵野大学グローバル学部の金子敦子先生を講師に迎えて、国境と共に“高校のレベル”を超えたビジネスの魅力に触れることができました。

グローバルビジネス

看護の模擬授業

人間の健康を知る上で大切な「血圧」について学び、実際に測定を体験。武蔵野大学看護学部の藤尾麻衣子先生による指導で、医療・看護系の道を目指す女子たちが集い、大いに賑わいました。

看護の模擬授業

生命探究 ~生命から得る「試薬」~

BTB溶液を知っていますか? 酸性は黄色、アルカリ性は青色、中性は緑色に変化する試薬ですが、身近な食べ物も同じく色が変わる試薬になるという授業では、理系への進学に興味を持つ女子たちが楽しく実験を行いました。

生命探究 ~生命から得る「試薬」~

和の探究(茶道)

自国文化を理解することが、グローバル化の第一歩になるという考え方にもとづいて、日本の伝統芸道としてのルーツや目的、作法について学ぶ授業が行われました。

和の探究(茶道)
お母さま

お母さま:娘自身の希望でオープンスクールに同伴しました。今までたくさんの学校を見てきましたが、交通の便が良くて安心して通わせられる環境ですね。

中学生男子

中学生男子:小学校から中学までずっと公立です。新しい学校になるので、いろんなことを試せると思って楽しみにして来ました。もちろん受験にもチャレンジします!

お父さま

お父さま:私学の合同相談会で、来年から共学校になると聞いて来ました。息子が理系志向なので、プログラミングの授業に参加します。

中学生女子

中学生女子:生命探究の模擬授業で、初めて白衣を着てみました。お手伝いしてくれたお姉さんたちにも優しく指導してもらいました!

注目のイベント情報

第2回 入試対策会

日時:11月23日(木・)
午前の部 9:30~11:30 午後の部 13:30~15:30

「思考力」や2020年の大学入試改革といった時代の変容に応える形で導入された新5コース制。入試もより時代の流れに合う形へと変化します。この入試対策会では、千代田高等学院の入試の主旨や傾向を丁寧に解説し、安心して入試本番の日を迎えられるようサポートすることを目的に開催されます。

入試対策会

保護者の皆さまを対象に、傾向と対策の解説をいたします。家庭でのお子さまへのアドバイスにもお役立ていただけたら幸いです。

編集者から見たポイント

これからの時代を見据えた新たなスタート。大学入試の変換期を迎えている今だからこそ、学校側も変わる大きな決断をしたと言えます。生徒一人ひとりの未来を考えた細かなコース設定、世界を視野に入れた教育内容など、生徒の知性を伸ばす先進的な学びが、千代田高等学院には充実しています。高校入試では珍しく、受験生を多角的に試す「新・思考力型入試」が採用されるとのことです。ぜひとも、学校に足を運んで、教育大改革の現場を体感してみてはいかがでしょうか。

企画・編集:インターエデュ・ドットコム
提供・取材協力:武蔵野大学附属千代田高等学院