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inter-edu’s eye

急速に進むグローバル化とAIの進化が日本社会の様相を大きく変えようとしている昨今、大学入試改革や大学入学定員の厳格化など、教育情勢も変化しています。社会の先行きは不透明で、ただ大学進学を目指していればいい時代ではなくなりました。そんな中、新たな時代を見据えて大英断を下したのが、武蔵野大学附属千代田高等学院(以下、千代田高等学院)です。2018年度よりIB(国際バカロレア)コースを設置し、女子校から共学校へ。世界標準の教育を行う学び舎として、校名も改称して新たなスタートを切りました。特徴ある5つのコースをご紹介しながら、教頭の岡田孝子先生に新体制の魅力や4月に入学した共学化1期生のようすをうかがいます。

high school attached to university

総合大学への附属校化で広がる学び

2016年に11学部・19学科を有する武蔵野大学の附属校となった千代田高等学院。高大連携教育では、生徒は社会に結びつく学びに触れ、将来を考えるきっかけを得ています。さらに大学生との交流も刺激となり、生徒のモチベーションアップにつながっています。また、武蔵野大学への進学権利を確保しながら外部受験ができるため、堅実な受験を可能にし、より上を目指す精神的余裕を生徒に与えています。

学校では、LMS(ラーニングマネジメントシステム)を導入し、生徒一人ひとりの学習履歴を管理。目標に向けた学習進度の把握や、弱点を克服するための問題を提供することで、学びの最適化を実現し、外部受験を見込める基礎学力の定着に貢献しています。このほか、2017年9月にはアクティブ・ラーニングや探究活動に適したARC(アカデミックリソースセンター)が新設され、生徒は一人一台所有するノートPCやタブレットを活用し、興味ある分野への学びを深め、2020年からの大学入学共通テストにも対応する能力を伸ばしています。

ARC
ARC
ARCはWi-Fi環境完備の図書館で、アクティブ・ラーニングの実践や自学自習に励める空間として多くの生徒が活用しています。

five course system

共学部・女子部から成る5コース体制

2018年2月にIB認定校となり、同年4月にはIBコースを含む5つのコースが誕生しました。より良い、より平和な世界を築くことに貢献し、探究心・知識・思いやりに富んだ人材育成を目指すバカロレアの教えは、全コース共通の教育方針となっています。

共学部

IBコース

(国際バカロレア)

日本語DP(ディプロマプログラム)のカリキュラムで学ぶ千代田高等学院のIBコースの特徴は、理系DP・文系DPに対応しており、日本の高校卒業資格も取得できる点。海外大学や国際舞台での活躍を目指す生徒をサポートするコースとして、CEFR B1(英検2級程度)以上の英語力が求められる。

IQコース

(文理探究)

国公立・最難関私大進学を通して、社会で各分野のスペシャリストになる人材を育成する。主体的な探究活動に重きを置き、深く学び考える力や他者と協働するコミュニケーション能力、批判的思考力などを養う。なお、2019年4月より、医学部進学を目指す、MI(メディカルインテリジェンス)コースを新設。IQコースと女子部のMSコースから高校2年進級時にMIコースへのコース選択が可能となる。

GAコース

(グローバルアスリート)

学業と競技の両立を支援して、世界で活躍するアスリートの育成を目指す。遠征先ではICTを活用して学業をサポートし、高校3年次にはコーチング論などセカンドキャリアを見据えた科目を履修する。

女子部

LAコース

(リベラルアーツ)

国際社会の一員として世の中に貢献するため、国際教養や英語力を身につけると同時に、日本の伝統文化への造詣を深める。履修科目は文系・理系・芸術・宗教など多岐に渡り、幅広い知識を修得できるところが特徴。

MSコース

(メディカルサイエンス)

薬学部・看護学部のある武蔵野大への進学を視野に、薬剤師や看護師を目指すコース。高大連携のメリットを活かし、専門分野において大学の学びを先取りするAP(アドバンスト・プレイスメント)科目がある。

teacher's interview

岡田教頭先生に聞く新コース体制の魅力

附属校化や新体制の手応え、1期生となる現・高校1年生のようすについて、教頭の岡田先生にうかがいます。

岡田教頭先生
IBDPアドミニストレーターでもある、教頭の岡田孝子先生は、個性を大切にし、互いを認め合い、共に生きるという”心の教育”を大切に実践してきました。

──附属校化でどのようなメリットを実感されましたか。

岡田先生やはり高大連携教育の充実ですね。法学部の学生と法律の勉強をしたり、教授やゼミの学生と一緒に授業をしたり。生徒は年齢の近い大学生と活発にディスカッションしています。

──附属校化や共学化により、130年の歴史で築き上げた学校の風土やカラーは変わるのでしょうか。

岡田先生本校と武蔵野大は浄土真宗派の学校であり、元をたどればルーツは同じです。また、前身の千代田女学園時代から「個」を大切にする教育をしており、男子が加わっても教育方針に変化はありません。つまり、根幹は変わっていないのです。

共学部のようす
共学部の新設による学校全体の規模拡大によって、従来のものをさらに発展させた教育環境が整いました。

──新体制1期生はどんな学校生活を送っていますか。

岡田先生1期生であることの誇りと、“自分たちがやるんだ”という気概を持っていますね。こちらが「よくやるな」と驚くほど朝早くから夕方遅くまで学校で勉強しています。ほかにも、自分たちで活動日を決めて同好会を作っていますし、学校説明会では司会だけでなく保護者との質疑応答までこなしています。海外大への進学希望者も多く、これから1期生がどう成長して卒業していくのか本当に楽しみです。

──保護者の反応や期待をどう受け止めていますか。

岡田先生探究やプログラミングなど新時代の学びを支持してくださっていると感じます。受験生の兄姉が武蔵野大学で、大学の魅力に惹かれて本校に興味を持った保護者の方もいらっしゃいますね。

授業のようす
LAコースの長期留学やMSコースのAP科目(武蔵野大の学部が提供する授業)など、女子部でもさまざまな学びが実現できる万全のコース体制が整っています。

──入試では「新思考力入試」が導入されています。

岡田先生IBとIQの2コースのみ行います。高校入試は学力試験がメインですが、本校がどういう能力を求めているかをアピールする意味も込めて今後も続けていきます。

──受験生へのメッセージをお願いします。

岡田先生共学部が注目されがちですが、女子部のコースも特徴的で、本校にはさまざまな魅力を持った生徒が集まっています。チャレンジ精神と目的意識があり、各コースの強みを活かして学びたいと思う子はぜひ千代田高等学院にいらしてください。

編集者から見たポイント

岡田教頭先生がたびたび口にしていた「目的意識」。海外留学については、団体で同じ場所へ向かうツアー要素を排除し、生徒各々が学校の留学フェアを通して、国や地域、期間を選んだうえで研修・留学先を選ぶ制度になっています。これは明確な目的意識がなければできない留学制度といえるでしょう。目的意識を持って学ぶ生徒の姿をインタビューから感じとることができました。また、岡田教頭先生は「生徒が本当にやりたい道を探すサポートをすることが本校の学び」と語っており、一人ひとりが持つ「個」を大切にするきめ細やかな指導に変わりはないことがうかがえました。

授業のようす

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  • ──12月8日(土) 9:00~16:00
  • ──12月22日(土) 9:00~16:00
  • ──12月25日(火) 9:00~16:00
  • ──2019年1月12日(土) 9:00~16:00

企画・編集:インターエデュ・ドットコム
提供・取材協力:武蔵野大学附属千代田高等学院