掲載日:
inter-edu’s eye
理系進学が強いことで知られ、理工系大学をはじめ、今春は東大合格者も輩出した東京電機大学中学校・高等学校(以下、TDU)。その校訓は、「人間らしく生きる」で、独自の教育がなされています。そのひとつが「TDU 4D-Lab」(以下、ラボ)。理工学や生命・環境学のほか、人文・科学や体育・芸術学など文系理系限らず、幅広い研究テーマで活動を行うラボの生徒たちはいったいどのようなことを学んでいるのでしょうか。TDUならではの教育をのぞいてみましょう。
中2から高2が所属する学年横断型の課題探求学習。
課題を見つけ、調査し、自ら考え、その成果を発表する、という4つのステップからなります。この取り組みによって「人間らしく生きる」ための「視野の広さ」「共感」「冒険心」「向上心」「専門性」という5つの力が培われます。今年度からはルーブリック評価も導入。生徒自身も自分たちがどのような力を身につけていくのかわかりやすくなりました。
お菓子で考える社会学
ビオトープをつくろう!
実験考古学
自分たちにしかできないことを!
TDU広報室
「生徒目線」がポリシー!
TDUを校内外に広くしらせることが目的のラボです。最初に「広報」とは何かをみんなで考え、今の学校の広報について調べました。学校の広報は情報をただ載せているだけ。表現も硬いという印象を受けたので、もっと私たち目線で伝えること、私たち生徒ならではの付加価値をつけて発信することをポリシーにしています。
新しい意見も否定しない!
ラボは学年もクラスもさまざま。今年になって後輩もたくさん意見を出してくれるようになりました。先輩後輩関係なく、いろいろな意見を出し合ってブラッシュアップしたいですね。そもそも意見が出ないと先に進めないので、人の意見は否定から入らずに、まず「いいね」って共感してみて、話し合いへと発展させます。
私はラボを移動し、今年からメンバーになりました。ラボによって活動方法もいろいろですが、こんなに話し合い、意見を言い合うラボに入った当時は、びっくりしました。でも、とても楽しくて、私もたくさん意見を言えるようになったと思います。
そうかなー?
絶対そう!
他の人が作った物にも意見を言ってくれるようになったし、自分が作った物に対するアドバイスにも耳を傾けて作ってくれる。意見を出し合うことで、仕上がりの質もどんどん高くなっている気がします。
校外向けの広報は自分たちのためにもなった!
2年目には校内にとどまらず、校外向けの広報をすることになりました。
「オルセースクールミュージアム」では校長先生から依頼があって、どうやったら広く校外の人に知ってもらえるかを考え、キャラクターや、チラシを制作。参加する東京電機大学の研究室へのインタビューや、東小金井にある南町商店街への取材はとても新鮮でした! 取材では断られたり、話のすれ違いで取材ができなかったり…いろいろ問題も起きたけど、その度工夫してなんとか取材ができたといった感じです。でも、このチャレンジは、きっと自分のためになっていると思います。
外部の方々もTDUの広報を見てくれるんだって、初めて外の反応を感じることができました。キャラクターを使いたいからデータをくださいって言われたときは、自分たちが作った物が、私たちの手元から離れて、さらに広く発信されていくのを実感しました。
そういった校外向けの広報物をつくる時に役に立ったのは、校内新聞制作の経験です。最初、新聞なのに写真ばっかりになってしまって…。それを解決するために考えた、写真と文章の配分、言葉の使い方、伝えたいことの見やすさなどの工夫が、校外向けに作る時に活かせたのだと思います。
雑誌のインタビューも取材側で見るようになった!
オルセーは考えていたより壮大なプロジェクトになって、本当に楽しかったです。
最近はインタビュー記事もどんな質問をしているのかな? と取材側の目で見るようになりました。2学期からは本格的に、ラボを3グループに分け、新聞・動画・ホームページとその活動範囲も広がります。さらに自分たちらしい広報にしていきたいという展望があります。
TDUの魅力が伝わる広報を!
2年の活動を通して、新聞やポスターを作ったり、HPに掲載したり、制作力はとても上がってきたと感じています。その一方で、学校のことをしらせるのはちょっとしたプレッシャーを感じることもありますね。
最初は自分たち目線が強すぎて、写真ばかりになってしまったのですが、生徒の間ではそれが話題のきっかけにもなり、発信した手ごたえを感じることができました。その後のオルセーでは、校外の人も学校に興味を持って見てくれることが分かったので、2学期からは見る人のことをもっと意識した広報を心がけていきたいです。
誰もが活躍できる場と力を
ラボは生徒主導の活動なので、教師はファシリテーターとしてアドバイスをする程度です。特に、彼らも力をつけてきたので助言をしたり、ヒントを与えたりする役に徹しています。
生徒たちにとってラボは、授業とも部活動とも違う位置づけ。先輩後輩が全員同じテーマに向き合い学んでいくことで、授業ではあまり発言しない子が活躍する場になったり、部活動とは違う立場で先輩と話し合うことができたりします。役割を振ったり、振られたり、また自ら自分のできることを見つけたり、メンバーが何かしらの役割で活躍できる場になっているのではないでしょうか。TDU広報室に限らず、他のラボでも生徒たちが蓄えた5つの力は、その後の大学生活や社会で活かしていけると信じています。
TDU 4D-Lab 全員集合!
編集者から見たポイント
4D-Labで学ぶ5つの力は、文系理系関係なく、受験にも限らず、生きていくうえで必要な力だと言えるでしょう。まだ始まったばかりですが、そのスキルやノウハウは先輩から後輩へと受け継がれ、東京電機大学中学校・高等学校と言えば「4D-Lab」となる日もそう遠くはないかも知れません。
イベント日程
イベント | 日時 | 内容 | 予約 |
---|---|---|---|
授業公開 | 11月8日(水) 10:00〜 |
受験をお考えのご家庭の保護者対象の公開授業です。 | 約1ヶ月前 |
第3回学校説明会 | 11月18日(土) 14:00〜15:30 |
在校生パネルディスカッション「本校の学校生活」、2018年入試概要についてなど。 | 約1ヶ月前 |
過去問題解説 | 12月16日(土) 10:00〜12:10 |
お子さまには入試の傾向と対策について授業を受けていただきます。保護者の方にはポイント解説。 | 約1ヶ月前 |
第4回学校説明会 | 1月8日(月・祝) 14:30〜16:00 |
2/1午後入試シミュレーション、2018年入試出願手続きについて(同時開催:はじめての方のための説明会) | 約1ヶ月前 |
企画・編集:インターエデュ・ドットコム
提供・取材協力:東京電機大学中学校・高等学校
M.Nさんは本当に意見をずばっと言えるようになったよねー。