サレジアン国際学園小学校
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星美学園小学校は、2026年4月にサレジアン国際学園小学校(以下、サレジアン国際小)に校名を変更します。それと同時に「インターナショナルクラス」を新設。小中高12年間にわたる国際教育が実現します。カリキュラムなどの調整が進む中、インターナショナルクラス設置準備室の久保敦先生と、ライナード・カレブ先生にお話をうかがいました。

久保敦先生
インターナショナルクラス設置準備室

ライナード・カレブ先生
インターナショナルクラス設置準備室
サレジアン国際小のインターナショナルクラスは、思考力を鍛える授業で、21世紀に活躍するための「世界市民力」が身につけられます。どのような時代が来たとしても、自分の能力やオリジナリティーを発揮し、円滑なコミュニケーションで多様化する世界を生き抜く人材を育てるカリキュラムです。さらに、グローバル社会で重要な英語力を伸ばすために、国語以外の授業は全て英語で進められる予定です。

インターナショナルクラス新設の目的を教えてください。

久保敦先生
すでに中高で取り入れているインターナショナルクラスを、小学校にも展開するためです。中高の生徒から高い評価を得ている国際教育を、小中高の12年間で一貫して行うことで、生徒の力はより伸びるだろうと確信しています。
グローバルに求められる人材を育てるためには、好奇心や探究心が強く、スポンジのように学びを吸収できる小学生のうちに「考える」という体験を通じて、さまざまなことに関心を持つことが最良だと考えています。

ライナード・カレブ先生
親が日本以外の国籍を持つ子や、多言語を話せる子が、安心して通えるような学校を作りたいという思いもあります。語学力だけではなく、社会のさまざまな問題の解決方法を創造する力と、それを周りの人に伝えて実現する力を並行して育てていきたいです。
なぜインターナショナルクラスを作れるのでしょう

久保敦先生
インターナショナルクラスを作るためには、先生方に多様な教育を受け入れるマインドがあることが大切です。
中高にはインターナショナルクラスのスタッフとして、さまざまな国の先生が24人います。そのような環境で、英語科ではない日本人の先生も自然に英語を学び、グローバルなマインドが形成されているため、インターナショナルクラスをスタートさせるには良い環境が整っています。
小中高のキャンパスが同じ敷地内にあり連携が取りやすいことや、中高でのインターナショナルクラスの成功事例やノウハウがあることも、インターナショナルクラスを作れる理由の一つです。
インターナショナルクラスに期待できる効果を教えてください。

久保敦先生
インターナショナルクラスで多様な文化に触れることで、日本人だけでは思いつかないようなアイデアが創造されると思います。さらに言語や異文化交流へのハードルが低くなり、良質な環境にアクセスしやすくなるでしょう。

ライナード・カレブ先生
小学校を卒業した時点で、自ら問いを立てられるようになります。
仮説と実験を経て求める答えに辿り着く力や、自分のアイデアを表現し人々に理解してもらう力、自分の強みを活かしたコミュニケーション力も育ちます。
インターナショナルクラスでは、どのような授業を行う予定でしょうか?

久保敦先生
授業は生徒の発達段階に合わせて進めていきます。小学1年生〜4年生の授業で重視することは「Why」と「How」です。教科横断的な学びで「なぜそう思うのか」「どうやったらそれを解決できるのか」と、分かりやすく具体的に問うことで、考える力を育てていきます。
5年生〜6年生は抽象的な概念の理解や、頭の中での思考ができる年齢なので、中高で行っているPBL型授業を取り入れます。PBL型授業とは、正解がない問いや正解が複数ある問いに対して、ロジカルに意見を組み立てながら解を探す授業です。さらにグループ内での発表やディスカッションを通してクラスメイトの意見を聞き、新たなアイデアを吸収していくことで、自分に足りない部分や伸ばしていきたい部分を見つけられます。

ライナード・カレブ先生
海外の雰囲気を日常的に感じてもらうために、教室で使う家具は海外から輸入しています。さらに、海外の教育現場を参考に「Collaborative Work Space」を作りました。本を読むときや先生から話があるときに集まるスペースにはラグマットを敷き、グループや個人でワークを進めるスペースもあります。

インターナショナルクラスのカリキュラム内容について教えてください。

ライナード・カレブ先生
インターナショナルクラスでは、2つのカリキュラムを採用します。歌やストーリーでネイティブな英語話者を育成する「GrapeSEED」と、よりアカデミックな「Collaborative Classroom」です。
母国での教育経験がある外国人教師の担任に加えて、担任サポートの日本人教師と、アシスタントティーチャーのような形で「GrapeSEED」を教える先生を配置します。

久保敦先生
学習のサイクルには、基礎知識のA列・応用力のB列・思考力のC列があり、インターナショナルクラスはC列を重視します。まず問いを投げて考えさせ、生徒の興味や関心を引き起こします。学習意欲が湧いた段階でA列の基礎を学ぶことで、授業への理解度が高まるという考えです。

ライナード・カレブ先生
小学1年生からカリキュラムに入れている「iTime(アイタイム)」という総合的な学習の時間も、必ず問いから始めます。問題を解決するために必要な材料を集め、仲間と理想のゴールを決めるのがファーストステップです。次に計画を立てて実行し、うまくいかなかった部分を修正します。最後に発表する場を設け、結果を共有する流れです。C列から始めるサイクルで、思考力を育てていきます。
算数の教科書も問いから始めるものを厳選しています。教科書の選定基準としては、全世界で高く評価されていて、文科省が定めるカリキュラムをカバーできるものです。

久保敦先生
文科省が定める学習内容に沿って授業を進める点は、インターナショナルスクールとの違いだといえます。本校のインターナショナルクラスでは国語も学びますし、もちろん日本の小学校の卒業資格も取得できます。そのまま本校の中学に進学すれば、高校の「DDP(Dual Diploma Program)」にもつながる学びを得られるでしょう。「DDP」は、日本とオーストラリアの高校卒業資格を同時に取得できるプログラムで、進学先の幅が国内外に広がります。
今後の展望を教えてください。

久保敦先生
小中高のインターナショナルクラスの連携や交流を深めていきたいです。先輩が英語を使ってプレゼンする姿を見るのも良い機会だと思います。留学のような海外研修や、月一回の誕生日会も企画したいと考えています。学校が楽しいと思えるような、ワクワク感のあるイベントを取り入れていきたいです。

ライナード・カレブ先生
本校には世界97ケ国の姉妹校があるため、そのネットワークを活かしていきたいです。中高のインターナショナルクラスでは姉妹校から留学生を受け入れているため、小学生のうちから先輩の留学生と交流できますし、小学校でも同じようなプログラムを作っていきたいです。
保護者へのメッセージもお願いします。

久保敦先生
英語に興味を持ち、英語が中心となる環境で勉強したいと思う生徒に来てほしいです。必ずしも幼児教室に通う必要はなく、幼稚園や家庭での生活、家族と出かけた際の探究を充実させてほしいと思います。

ライナード・カレブ先生
さまざまな背景や能力がある生徒、リーダーシップのある生徒に、ぜひ受験していきただきたいと思います。物事に対して「なぜ」「どうやったらできるの」と考えさせたり、家庭内で英語を話したりと、クリエイティビティを重視していただきたいです。


学校イベント
第2回学校説明会・授業体験会
5月31日(土) 10:10〜11:00
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9月13日(土) 10:10〜11:00